戦国の女たち 司馬遼太郎・傑作短篇選 (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569665917

作品紹介・あらすじ

戦国乱世の時代、闘っていたのは男だけではない。女性もまた、女性の戦(いくさ)を闘わねばならなかった――本書は、戦国の女性を主人公にした司馬作品六篇を収録したオリジナル編集の短篇小説集である。▼豊臣秀吉の正室として位人臣を極め、夫の死後は二人で築いた豊臣家の行く末を決定づけた北ノ政所。兄・秀吉の思惑によって結婚のみならず離婚さえも強いられ、一生を翻弄され続けたが、その生涯を沈黙で染め抜いた秀吉の妹・旭姫。夫・細川忠興の異常な嫉妬によってがんじがらめの束縛を受けながら、毅然として己を貫き、関ケ原の折に最期を迎えたたま(ガラシャ)。▼このほか、変わり者の侍大将・渡辺勘兵衛に思いを寄せる藤堂家小姓頭の妻・由紀の慕情や、一夜の出会いを大切に抱き続けて生きようとする小若の純情、さらには夫を猛烈に働かせて財を築いた遊び好きの妻・小梅と、戦乱のなかに咲いた女性たちの人生を浮かび上がらせた珠玉の短篇集である。

感想・レビュー・書評

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  • ・女は遊べ物語
    ・北ノ政所
    ・侍大将の胸毛
    ・胡桃に酒
    ・一夜官女
    ・駿河御前

    からなる六編の短編集。

    全体的に読みやすく楽しい短編集でした。
    女は遊べ物語や北ノ政所、侍大将の胸毛は特に面白かった。
    他はそれほど良作とは思わなかったが司馬作品二作目も結構楽しめました。

    2022/3

  • 6人の女性が描かれた短編集
    司馬遼太郎作品は初めて手に取ったが、現代的で読みやすい文章だった。

    強くしなやかに生きた戦国の女性たち。
    北政所や細川ガラシャなど歴史に名の残した女性から、歴史に名を残した武士の傍らにいた女性まで、
    荒れ狂う戦国時代に一人生きた事実が描かれている。

    歴史小説というよりも、創作強めの恋愛小説。

    「侍大将の胸毛」と「胡桃に酒」がお気に入り。

  • 司馬さんは女性の書き方が上手ではないと思った。

  • ※2006年購入
     2006.6.2読了(2回目)
     売却済み

  • 歴史に基づいているからどれも読みやすくおもしろい。

  • 恥ずかしながら初めて買った司馬遼太郎。やはり男性が書いているなあ、という印象を受けるけれど、夢中で読めた。湿っぽくなく、通勤時間に読むには良かったなあ。しなやかに強い女性を求める方には物足りないかもしれないけれど、男女ともに楽しめる短編集であることは間違いなし!

    北ノ政所、胡桃に酒、駿河御前が面白かった!特にすきなのはやっぱり北ノ政所。
    2016.12.19

  • 旭姫は清水ミチコの顔が浮かぶわ(笑)

  • 司馬遼太郎作品は男性を主人公にした作品が多いが、本書は戦国時代の女性を主人公にした短篇小説集である。私の大好きな時代であるし、かなりマイナーな登場人物がメジャーどころと絡んで描かれ、存分に楽しむことが出来た。
    収録は以下の6作品。なお、「北ノ政所」と「駿河御前」は読了した「豊臣家の人々(司馬遼太郎著)」にて収録されていたので、今回初めて読んだのはその他4作品である。

    『女は遊べ物語』
    織田信長配下の猛将・伊藤七蔵の、贅沢と遊び好きな妻・小梅の話。猛将よりもワガママな悪妻の方が一枚上手。妻の贅沢に疑問を抱きながらも、戦場で必死に手柄を立て加増を得ていく七蔵。同僚から側女を持つようにそそのかされるも、その裏で糸を引いていたのは小梅だったりして大いに笑わせてもらった。最後に司馬氏により「女房という鵜匠にこき使われてついに斃死した鵜であった」と評され、哀れを感じた。

    『北ノ政所』
    言うまでもなく、秀吉の妻・寧々の物語。再読。

    『侍大将の胸毛』
    藤堂高虎の小姓頭・大葉孫六の家に、藤堂家が新規に召抱えようと孫六に斡旋させた変わり者の侍大将・渡辺勘兵衛がやってきて、孫六が留守の間に妻・由紀微妙な関係に…。タイトルが笑える。

    『胡桃に酒』
    絶世の美女である明智光秀の娘たま(細川ガラシャ)、夫の細川忠興の異常な嫉妬によってがんじがらめの束縛を受けながら、毅然として己を貫き、関ケ原の折に最期を迎えるさまを描く。胡桃(くるみ)に酒とは、食い合わせの悪いもの。つまり、ガラシャと忠興は食い合せの悪いものだったという司馬氏なりの解釈。どこかで見たようなエピソードばかりかと思ったら、「功名が辻」である。あれも司馬遼太郎原作の大河ドラマであり、この「胡桃に酒」も参考文献としたのだろう。

    『一夜官女』
    姫路城下の医家の娘・小若が旅先の村で足止めを食い、「一夜官女」に仕立て上げられ、その神社で謎の侍に出会う、という話。

    『駿河御前』
    秀吉の腹違いの妹・旭が権力者の兄に翻弄され、遂に家康に嫁ぎ「駿河御前」と呼ばれる話。これもどこかで見たようなエピソードだと思ったら、「功名が辻」。やはり参考文献としたのだろう。最初の夫が長篠の戦いで誤射により死ぬなどディテールは違うが。

    以下は、『女は遊べ物語』における興味深かった部分。

    ・「申し聞かせるゆえ怒るなよ。二百石の加増はそのまま懐にねじこめるものではない。加増に伴っておびただしい出費がいる。家来もあらたに幾人か召抱えねばならぬ。それもはだかでは使えぬゆえ槍、刀、具足を整えてやらねばならぬ。俺の乗り換えの馬もあと一頭は欲しい。それに具足も今までのものではみすぼらしすぎる。こう数えてくれば出費は限りない。あとあとのために言うておくが、武士の加増は贅沢をせよとのことで行われるのではない。身上相応の物主(小部隊長の長)らしく、兵馬を整えよという意味じゃ。わかったか」
    →織田信長の部下である伊藤七蔵政国が妻:小梅に言って聞かせた言葉。これが現代のビジネスパーソンにも当てはまるのが面白い。例えば課長に昇進した場合。基本給アップや管理職手当などにより給料は増額するだろうが、そのまま贅沢に使える訳ではない。マネジメントを始めとする勉強もしなければいけないし、部下のモチベーションアップのため食事や酒をご馳走することも必要。みすぼらしいスーツや靴、鞄のままではいけない。給料のアップは、身上相応の管理職らしく、身を整えよという意味なのだ。

    ・「悪妻なものかよ。その女房殿が浪費をすればこそ、七蔵は働くという仕組みではないか。いわば、殿(信長)にとってはたいそうな忠義者であるわい」
    →その小梅を秀吉が評した言葉。さすが秀吉、浪費家の悪妻をこう捉えるか。

    ・「人間に勇怯の違いはない。欲に駆り立てられた男だけが勇者となる。七蔵はまぎれもなく勇士じゃ」
    →秀吉が七蔵を讃えた言葉。上記の妻:小梅への評価の裏返しである。

    ・七蔵は死んだが、彼が武功とひきかえに一代かかって増やした金銀は残った。小梅は子:治兵衛に武士を辞めさせ、蔵の中の金銀を元手に長浜で絹の商いをさせた。この家とその一族は、のちにまで近江の商家として栄えた。近江から出た今の伊藤忠、伊藤万などの商社は、七蔵の家系と何かのつながりがあるのだろうか。詳しくは知らない。
    →伊藤忠商事をググっても伊藤七蔵はヒットしてこない。でももし家祖であったら面白いな。

  • 短編なので、それぞれの人物を深く知ることはできないし、実在しない人物もあるのかな?でも、興味を持つきっかけにはなると思う。
    長編の歴史小説が読みたくなった。

  • なんとなく司馬遼太郎ブームをひきずって。
    メジャーなところからそうでないところまで女性をいろいろ描いていてバラエティに富んでいてささっとよめて面白い。
    ただ、北の政所と駿河御前の話は、豊臣家の人々の焼き直しで、買うほどではなかったかもしれない。司馬遼太郎がそこまで旭姫を特殊な人間として意識しているのだなと思った。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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