学問のすすめ (PHP文庫 ふ 30-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569665931

作品紹介・あらすじ

日本人よ!今こそ「独立の精神」を持て!怒涛の如く押し寄せる西洋列強のプレッシャーと文明開化の波。急激な西欧化に翻弄される日本人が、生まれ変わるために必要なことは何か。他人に頼ることなく自力で生きることの必要性を説いた明治のベストセラーを現代語新訳。グローバル化が進み、価値観の大転換期にあたる現代は明治の当時と酷似している。日々を生き抜く指針が見えてくる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 論語を読み返すのであるよりも、150年前の「学問のすすめ」のほうがより実生活に役立つ訓戒が記載されているのであろう。

    時代がめぐりめぐり変わっていた幕末から明治維新を生き、今も最高学府として残る慶応義塾を創立した福沢諭吉の一冊。
    彼自身が節制を行い、自分自身に非常に厳しい人間であったといわれており、一個人として、心に刺さる厳しすぎるお言葉もあるけれども
    日本を変えようとした、時代を創ろうとした人物の言葉は非常に重く心に残る。

    この本は常に枕元において、読み続けるべき一冊のひとつであろう。

  •  福澤諭吉(1835年~1901年)が亡くなってからすでに100年以上が過ぎている。時代も変わり、恐らく、オリジナルの表記では私は読めないのではないかと思う。

     そういう意味で、あまり期待しないで読み始めたのだが、内容は、十分現代に通じるもので、訳者が言うように、百冊の人生書より一冊の『学問のすすめ』、世界に誇るべき名著である。

     正直言って、私はお恥ずかしいくらい不勉強で、最初の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」しか知らなかったくらいだが、この本には、彼の独立、実学、自由の精神と合理主義が、ふんだんに述べられている。

     全体は十七編からなり、初編は明治5年の2月に出版されたようだ。ちなみに、第十七編は明治9年の11月。初編だけで二十万部、合計して三百四十万部売れたと言うから、恐れ入る。(今もこうして読まれているわけだし。)

     以前読んだ本で紹介されていたけれども、第十二編では、「日本人はもっと演説(スピーチ)がうまくならなければならない。」とある。また、第十七編では、「日本語をうまく使える人になれ」ともある。

     学問に限らず、日本人として、まずここからだなと思う。

     今日で43歳になってしまいました。もっともっと勉強しないとなあ。

  • 百年以上も前の本とは思えないほど現代的な視点で非常に有意義な話が詰まっていた。学問の話だけだろうと思っていたし、有名な一説のせいで平等が大事みたいな理想論に終始するのかと思っていただけあって衝撃だった。定期的に読み返したい。生きる指針になる。ひとりでも多くの現代人、特に若者が読むべき名著だと思った。

  • この本は100冊の人生書より一冊の「学問のすすめ」記事を見て読んでみました。明治時代のベストセラーという事もあり中身は濃いです。「天は人の上に人を作らず、人の下にひとを作らず」は有名ですがその続きに「ではなぜ貧富の差が起きるのか」という言葉は知られていないのではないでしょうか?私も知らなかった一人です。その原因は学問を志したか、しなかったから、要は勉強したか、しなかったかにかかっくる。自分の行動の責任は重い。多くの範囲で役に立つ内容だと思います。

  • 訳者が解説のタイトルがこう書いてあった
    「百冊の人生書よりも『学問のすすめ』」と


    本文を読む前に解説を読むことが癖となりつつあり
    はじめに訳者の解説を読んだ際、「大げさな!」と感じたが
    読んでいくと、その時代の状況を分かりやすく書かれてあり、
    なおかつ、人々はどうすべきかを明快に述べていた


    書いていたのが腑に落ちる
    と妙に納得できる本だった

  • 心に残った言葉
    - 国民の無知は暴政・悪政を生む
    - 社会に役立つ遺産を遺せ

  • 有名なのに意外と読まれていない、福沢諭吉「学問のすすめ」
    分かりやすい現代語で登場

  • 福沢さん、サイコーです。100年以上も前に書かれたはずの内容が新鮮に感じます。
    当時、諭吉さんが国民に訴えていたことが、現代の国民に対してもまだ通じると思ってしまったのがちょっと残念です。
    日本は経済大国と言われるまでに成長してきたが、それはごく一部の賢者たちのおかげにすぎない。
    当時も今も大半の国民は、受け身でなんらかわっていないのですね。。。
    自分もまだまだだけど、家族や友達、職場の人も自分のまわりみな独立精神が強くないようです。
    この国の国民性と言ってしまえばそれきりですが、自分は少しずつ自分の道を歩いていけたらと改めておもえてうれしいです。
    良書です。

  • 私は、慶應出でも大分出でもないが、
    以前から、福沢諭吉という人に興味を持っており、いつか読んでみようと思いつつも、私が果たして明治時代の書物を読んで理解できるかどうか…というところに疑問をいだいていたのだが、そんな私に、ぴったりの本。
    福沢と勝とどちらが、どうというのは、その時代に実際に生きていなかったので良くわからないのだが。
    過去の偉人たちや出来事を一見批判していると思われる文章でも、福沢の真意というのを、わかりやすく解説してくれているこの岬さんも素晴らしいと思う。
    そして、この岬さんと言う方も、またお国は知らないが、諭吉と違う、慶應ではなく、早稲田出身というところが、またとても信頼できると思うのだ。
    とにかく、現代の時代に通じるところが多いにあるので、初心者向けだとか古いとかそういうことは考えずに、ぜひお勧めした一冊。

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著者プロフィール

1935~1901年。豊前中津藩(現・大分県中津市)下級藩士の次男として生れる。19歳の時、長崎に蘭学修行におもむく。その後、大阪で適塾(蘭方医、緒方洪庵の塾)に入塾。1858年、江戸で蘭学塾(のちの慶應義塾)を開く。その後、幕府の使節団の一員として、3度にわたって欧米を視察。維新後は、民間人の立場で、教育と民衆啓蒙の著述に従事し、人々に大きな影響を与えた。特に『学問のすすめ』は、17冊の小冊子で、各編約20万部、合計で340万部も売れた大ベストセラー。その他の著書に『西洋事情』『文明論之概略』『福翁自伝』など。

「2010年 『独立のすすめ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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