楊家将〈下〉

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569666594

作品紹介・あらすじ

国境を挟み、宋遼二国は一触即発の状態に。伝説の英雄・楊業と息子たちの前に、遼の名将・耶律休哥が立ちはだかる。白い毛をたなびかせて北の土漠を疾駆するこの男は、「白き狼」と恐れられていた。宋軍生え抜きの将軍たちも、楊一族に次々と難問を突きつける。決戦の秋!運命に導かれるようにして戦場に向かう男たち。滅びゆく者たちの叫びが戦場に谺する。北方『楊家将』、慟哭の終章。

感想・レビュー・書評

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  • 戦闘シーンがほとんど、つまりはそれだけの楊家将。
    ただ、その戦闘シーンが臨場感満点で非常に面白かった。文の国、宋が遼、金、モンゴルと立て続けに戦うのは運命だったと思うが、まがりなりにも300年続いたのは、楊業や岳飛などの悲運の武将が存在したからなのだろう。続きの血涙も早速注文しよう。

  • 楊業の英雄っぷりは鳥肌

  • 下巻読了

    「どちらか死んでくれ」「はい」
    「延平、お前には死んでもらうことになる」「光栄です」
    父子の会話は淡々と、楊家の男としての生き方で語られている。
    そこに、北方文学の真髄が描かれているのだろう。

    大阪冬の陣、赤穂浪士など日本人には馴染みの時代に合致するものの背景には、滅びの美学がある。
    死んでゆくものの美しさ、そこに儚さが感動を呼び共感を得る。

    生き残った、四郎、六郎、七郎が気になったが、『血涙』があるそうなので、そちらも早速読んでみよう。

  • 旅行最終日に読了。思えば、北方謙三は初めて。なんでだろ?三国志にしても水滸伝にしても長編すぎるからだろうか。

    さて、カッコ良かったっす。楊家の人たちも、遼の人たちも。軍人とはどういうものか、漢とはこういうことだと、教えてもらった気分。解説の言葉を借りれば、「英雄の気概」を教えてもらったということか。

    そんなカッコいい人間たちが、戦いの中で命を落としていくのは、残念でならなかったですが。。。

    気になるのは四郎と生き残った息子たちですね。どうなったんだろ?続編はこの文庫の時点では仮題でしたけど、『楊令伝』でしょうか。気になるから読もうと思います。

  • 漢民族は漢、唐時代はつよかったが、宋時代からよわくなり、異民族に苦しめられる。宋が北漢を併合し、遼と激突する。遼は北京周辺の中原を占拠し、更なる南下を目指す。北方遊牧民族の血が流れる楊一族の騎馬軍団が、宋の帝の命を受け中国統一に一族の命をかける。上下巻で楊家は大きな痛手をこうむることになるのだ。その後の楊家の活躍は続編『血涙』に書かれている。ぜひ読んでみたい。

  • 「死んでくれ」「はい」
    この短い父と子のやりとりに、どれだけの思いが詰まっているんだろう。

    愛情を込めて立派な武将に育て上げた7人の息子達を
    死地に赴かせる楊業の心中は察するに余りある。

    けれど、息子達は強い。
    宋のためではなく、帝のためではなく、そして敬愛する父のためでもなく。
    ただ楊家の男としての誇りを持って、最後の一兵になるまで戦い続ける。

    格好良すぎるよ…!!

    北方さんの事だから、安易な結末などありえないと分かっていても
    誰一人欠ける事なく、再び皆で代州の地を踏めますようにと
    願わずにはいられなかった。

    沢山の方にオススメしたい素晴らしい作品です。

  • 圧巻だった。上巻でほとんど感想を言ったかもしれない。
    後編も素晴らしかった。最後の楊家軍としての動きがあまりにも淀みなく死を受け入れていて、漢としての生き様をまざまざと見せつけられた。あっぱれ。
    最後に七郎が帰還して激高している場面は泣いた。死というものを受け入れている人間だからこそ、その漢の死に様というものに対して並々ならぬ感情をぶつけていてこれには涙した。このときの情動がすべて後編の原動力となって物語を動かしている。最高でした。

  • 全2巻

  • 歴史小説の中でも、これだけ戦場場面の描写のボリュームが多い作品も珍しいのではないか。
    そしてそれぞれの立場での正義があり、そしてそれぞれの陣営での確執があり、さらに敵味方関係なく、武人だからこそ相通ずるものなど、読みどころは全体に見事に散りばめられて飽きさせない。
    もっと分厚い長編作品として読みたかったかな。

  • 面白かった!主人公の属する宋からすると敵にあたる耶律休か(やりつきゅうか)がカッコよかった!
    宋が国を統一するんだから、楊業軍が勝つんだろうと、思いながら読んでいて、では、やりつきゅうかはどうなるのっ、と心配してたのに、まさかの結末。耶律休かは、NARUTOのカカシ先生とダブったな。髪も白いし。白き狼だし。

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著者プロフィール

北方謙三

一九四七年、佐賀県唐津市に生まれる。七三年、中央大学法学部を卒業。八一年、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』で注目を集め、八三年『眠りなき夜』で吉川英治文学新人賞、八五年『渇きの街』で日本推理作家協会賞を受賞。八九年『武王の門』で歴史小説にも進出、九一年に『破軍の星』で柴田錬三郎賞、二〇〇四年に『楊家将』で吉川英治文学賞など数々の受賞を誇る。一三年に紫綬褒章受章、一六年に「大水滸伝」シリーズ(全五十一巻)で菊池寛賞を受賞した。二〇年、旭日小綬章受章。『悪党の裔』『道誉なり』『絶海にあらず』『魂の沃野』など著書多数。

「2022年 『楠木正成(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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