不安のしずめ方: 人生に疲れきる前に読む心理学 (PHP文庫 か 5-49)
- PHP研究所 (2007年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569669243
感想・レビュー・書評
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心の底に憎しみがあって、他者に迎合しようとし、期待を裏切られて、周囲を敵意してしまう。幼少期の分離不安と親からの期待や押し付けが原因。現代に生きながら心は子供なので今に生きていない。周囲の世界は怖くないと自分に日々言い聞かせることから始める。
原因と向き合うには相当な困難を要すると思うが、不安なしに生きていくためには必要な痛みなのだろうな。
人生に疲れ切る前に読むという副題だったが、疲れ切った後に読んだ。自分を変えたいのと、また疲れそうだったのもあったので。
「おかしくないだろうか」が連発。確かにおかしいと思えた。「後で話を聞くよ。そう言われたらあなたもそうしなさい」本当に大切なら後回しにはしないはず。自分を軽く見てる人のことは軽くあしらおう。
無理して明るく振る舞うことは、心の底の憎しみを見て見ぬふりをしている。だから甲高い声で笑うことになる。そうすると周囲を不快にさせる。相手にも憎しみが伝わる。
人間、最後は孤独になるのだから「今のうちから練習しておこう」と思えばいい。孤独なら本を読め。不安の鎮め方=腹の括り方。我が道をゆけ。
行き詰まった時は人間関係がおかしい。自分を非難する人ばかりでないか?その人は搾取する人である。内面の力をとってゆく。用のない人を切り捨てろ!周囲の人から気に入られない方が幸せになれる可能性もある。周りの人たちは自分が最も辛い時に手を貸してくれたか?「あんなに怒らなくてもいいのにね」などと言って何もしなかったのではないか?人生に行き詰まった時は人間関係を見直すチャンスである。
5章は、心の闇や不安や人の在り方など核心をついた内容で非常に良かった。カルト集団と失恋した男が例に出ていてとてもわかりやすかった。
自分の人生には自分で責任を取る。健康も医者に治してもらおうとせずに自分で原因を考え、対処法を試してみる。医者は補助である。ずるい人からも逃れられるかもしれない。ずるい人は頼んだことをしてくれても感謝しない。余裕があったからしてくれたと思っているから。ノーと断る。始めから天職を探すことはおこがましい。目的がないとその時の感情に振り回される。まずは自分が一番求めているものを見つけること。周りの人間は全員うさぎ。勝手にこちらが怖いと思っているだけ。人に頼ることをやめる。依存から離れる。自分で責任を取ると、健康、人間関係、人との比較の不必要性、他者への迎合、不安の減少、多くの改善が見込まれる。
自分を受け入れる=次善の策を取れる。一つのことに固執せず、気の小さい自分を受け入れる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
超いい本だった。1時間ほどで一気に読み終えた。
他人からの評価などを気にするから、不安になるということらしい。人に迎合しても良いことはない。
>自分を信じられない人は 、無駄な努力をします 。無駄な努力とは 、自分を不幸にするための努力です 。
まさに、一所懸命資格取ったりする行動も、これなんじゃないか説。
>自分を信じる人は 、自己実現の努力をします 。自分を信じられない人は 、自己実現の努力を嫌います 。
自己実現と紙一重かも知れない。
>1従順 、何事にも遠慮する 2仕事熱心 、真面目 、強く優れていようとする 3無理して 、明るく振る舞う
これらをやめてみることで不安になる、この不安と向き合うことが大事。
特に自分は、強く優れていようとする、ことに心血を注いでいるので、例えば、1週間とか本も読まず、勉強もせず、何もしない状態にしたら、結構自分は発狂してしまいそうですが、その不安と向き合ってみるのも一つの荒療治なのかも知れません。。
不安はそのまま受け入れるのが最も良さそうですが、こんな対処法も書かれています。
1. 「事実が大変なのではない 」と自分に言い聞かせる
2. 「同じような状況に他の人が巻き込まれたらどうであろうか ? 」を考える
3. 「最も起きてほしくないこと 」と比べてみる -
【要約】
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【ノート】
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不安なことがあるたびに読んで心を落ち着かせています。
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9784569669243 2007・11・16 1版2刷
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「心の休ませ方」「自分のうけいれ方」とこの著者の本を3冊読んでみた。「不安のしずめ方」においては、つまるところ、自分の脳の思考回路の習慣性を変えていくこと。長年生きてきた習慣なので変えていくことは難しいのだが。少しずつやっていくしかない。
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まるで自分の心を見透かされているようだった。「そうかあ、だから俺は苦しいのか」「別に苦しまなくてもいいんだ」と凄く納得してしまった。とにかく、不安という得体の知れないものに対して冷静に向き合うことがポイントだと感じた。
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薄弱な根拠による不安は大衆の性質であり、これもまた経済発展の肥やしである。限界ある生を無意識に感じながら、決して死を直視しようとしないことから来る不安を手っ取り早い慰みもので解消しようとするところに資本主義社会が成り立つ要因がある。
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書き方がちょっと過激だけど、不安の構造がわかるね。
聞かれてもないのに自己主張する人は、
それが不安だから、自分に言い聞かせる必要があるのか。 -
こんなことがありました。久しぶりに諸先輩方との食事会が開かれることになったのです。一番の若輩者であることも手伝い、場所決め等のセッティングは僕がすることに。実は僕、これまではそういったことからなんやかんや逃げていまして、それこそお店の予約をするにしても初めての経験だったわけです。しかも、良いお店や便利な街を知っているわけでもない。うーん、困った。苦し紛れにこう提案をしました。「場所は山手線の駅の中からクジで決定します」と。それには先輩方も異論は無いようで、僕はクジを作り、自分で引きました。そして、その結果を参加者にメール。
「クジの結果、第一候補は巣鴨、第二候補は秋葉原、第三候補は・・・」
そのメールへの返信。
「なんでクジで決めるって言ったのに、候補を残すのだ」
・・・仰るとおりでございました。クジとはつまるところ、答えを出すための手段。にもかかわらず、いくつも候補を残すなんて言語道断。というよりも、そのためにクジを提案したはずなのに。「目的を見失うな」とは、どんなビジネス書や自己啓発書にも真っ先に書いてありそうな内容であり、むしろそんなことをわざわざ書いてある本があったら、高が知れるよな、とでもいうべき内容なのに。
なんであんなシッチャカメッチャカなことをしてしまったのかなあと自己嫌悪しているところに本書の記述が。
「人が理屈に合わないことをしているときには、心理的には理由がきちんとある。/その一番の理由は不安である。」
なるほど。要するに、先輩方をもてなさなければならない(実際はそんなことないのだけれど)という「不安」に苛まれ、僕は「理屈に合わないこと」をしてしまったらしい。これを読んだときのスッキリ具合と言えばもう。それがわかっただけで、この本を読んだことによる利点は見出せた。
とはいえ、それ以外にも意外にも得ることは多かった気がする。たまたま僕自身が、主に進路面で不安を抱いていることもあり、すんなりと本書の言いたいことが入ってきたことが一因かなー。
これで加藤さんの本は2冊目。くだらない啓発的内容や読みづらい文章は相変わらずだったんだけれど、でも以前レビューした『「やる気がでない人」の心理学』よりは楽しめました☆
【目次】
プロローグ
第一章 なぜ不安なのか
第二章 人が怖いから迎合してしまう
第三章 真面目の落とし穴
第四章 不安のしずめ方
第五章 不安の構造
第六章 自分の人生の責任は自分にある
第七章 老いは成熟である
第八章 幸せへの処方箋