アー・ユー・テディ? (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569675534

作品紹介・あらすじ

「ほっこり」を愛する和子は、お気に入りの雑貨を並べたカフェを開くのが夢。代官山のフリマでひと目惚れしたクマのあみぐるみを買って帰ると、なんとクマには殉職した刑事の魂が宿っていた! 事件の捜査中、崖(がけ)から落ちて死んだのだという。かわいいあみぐるみからオヤジ刑事(デカ)の魂を追い出すため、和子は、いやいや真相究明に乗り出す! 珍妙なコンビが軽快なテンポでお届けする爽快エンタテインメント。

感想・レビュー・書評

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  • テディシリーズ 第1弾

    第一章 この子はうちの子
    第二章 事件(ヤマ)、動く
    第三章 仕事も便秘も
    第四章 アー・ユー・テディ?

    ほっこりゆったり系で、雑貨屋を営むことが夢な25歳の山瀬和子は、フリマで出会ったクマのあみぐるみを衝動買い。

    その買ったクマには、捜査半ばで殉職したおやじ刑事の霊が乗り移っていた。

    バイトを首になっていた和子は、クマに憑依した刑事・康雄が捜査中だった心中事件を追う。

    仲睦まじかった親子の心中事件を解決できるのか?


    キャラも憎めないものが多いし、テンポもも良く、丁度いい。

    シリーズ作なので次作も読んでみます。

  • 風変わりなミステリーだけれど、主人公とテディの関係を楽しめました。

  • 表紙を見てなんとなく購入(今のは装画担当された方が違うみたい)。最初は和子の性格にイラッときたけど、話はおもしろかったです。テンポよく読めました。

  • これをカバーを掛けずに読む度胸が出ない僕は小さき人間です。でもなかなか面白かった。

    和子はちょっとレトロな名前の24才。かわいい雑貨やカフェに目が無くて、バイトする傍らいつか自分が集めた雑貨を並べたカフェを開店する事を夢見ている。得意技はアヒル口。
    実家で家族四人で暮らしている。ろくすっぽしゃべらずおならで返事をする父、エコに影響受けているが周囲から見ると無駄ばかりの母、ヘビメタに傾倒しているが職場のホームセンタではおばちゃんのアイドルの兄。おしゃれさの欠片も無い家族にため息の毎日だが本人はすっかりすねかじり。

    ある日フリーマケットで熊の編みぐるみに出会う、ミルクティーのような色合いのくまちゃんに釘づけになる「うちの子になる?」手作り感満載のくまちゃんだが何故だか呼ばれたような気がして家に連れて帰った。

    家に連れて帰り、ミルクティー色なので名前はミル太にしよっと!などど思っていたら、何故かミル太がしゃべりだした。しかも野太いだみ声で。どう聞いても可愛くない。驚いて話を聞いてみると、事件を追っている時に崖から落ち殉職したベテラン刑事「康雄」であった。
    康雄は自分が死ぬ切欠となった事件について語りだした。
    ある夫婦がキャンプ場で子供を残して亡くなっていた。
    警察は現場の状況から事件性は無いと判断し、子供を残した心中であろうと決着させた。
    康雄はこれを殺人ではないかと疑い捜査を続けていた。そんなとき現場で子供持ち物であったクマの編みぐるみが崖に引っ掛かっていた為、取ろうとした瞬間誰かに突き落とされ命を落とした。その瞬間にこのクマに魂が乗り移ったという。
    康雄は何とか和子を通じて捜査を続行しようとするが難色を示す和子(そりゃそうだ)。しかし、なだめすかし捜査を続けるうち、和子の中にも刑事魂が目覚めていくのであった。

    乗り移り話としては高橋克彦の「ドールズ」が思い出されますが、これはくまちゃんのプリティーな人形に髪薄く脂ぎった59才の刑事が乗り移っています。非常にコメディータッチで悲壮感は皆無でした。
    結構小ばかにして(酷い表現だな自分で買ったのに)読み始めたのですが、話の筋自体はとてもしっかりしていて、殺人の動機や周囲の人物もきちんと書きながら、やりとりはとても軽妙ですっかり楽しんでしまいました。
    続編も有るようなので見つけたら読んでみるとします。

    ところで何かに生まれ変わるとしたら希望は以下の通りです。
    鳥⇒カラス(天敵が少なそう。順応性が高そう)
    動物⇒猫(なんか楽しそう)
    人間⇒室伏浩二(これぐらい凄ければ人生楽しそう)
    虫⇒とんぼ(速い)

  • サクサク読めて面白かったです。
    康雄さん(クマ)と和子(ほっこりを愛するフリーター)がコンビを組んで、事件に挑むというお話。
    康雄さんと和子ちゃんの会話の掛け合いもあり、刑事ドラマそのまま…!という康雄さんの暑苦しいセリフも結構、好きでした。
    第三章のタイトルになっている「仕事も便秘も」という言葉は本編の中で出てくるのですが、なるほどな〜と妙に納得して、印象に残っています。
    推理するという部分では、展開をよむことは難しいことではないと思います。それを踏まえても、面白かったです。
    続編もぜひ読んでみたいと思いました…!

  • 個人的に和子のような現代の若者!って感じの主人公が苦手(己を省みる気持ちになるので…)。
    でも、物語が進んで成長していくにつれて、好感が持てるようになった。

    和子と康雄さんのかけ合いもいいし、
    物語もラストに向けてスピード感があって面白い。

    しかし、なによりも、冬野さんがツボすぎて…
    イケメンエリートなのにオカルトマニアの変人で女の涙に弱いとか、もう…!
    冬野さんへの期待4分の3くらいで続編を読んでしまいそうだなぁ(笑)

  • 24歳の和子は「ほっこり」系おしゃれが大好き。マッキントッシュのコートをローンで買い、ミナ・ペルホネンのワンピースに身を包み、愛読雑誌は「クウネル」。

    エコ志向から牛乳パックや針金ハンガーを再利用し、野菜くずで「エコ・スープ」などの創作料理を生み出す母、ほとんど言葉を発せず放屁を返事代わりにする父、兄はヘビメタ好きでYUKIやクラムボンを貸してもメタル・アレンジに変えてしまう。
    そんな家族にズレを感じながら、日々おしゃれであろうとする和子は、ある日代官山のフリマでミルクティー色のくまのあみぐるみに一目ぼれ。ミル太と名付けるのだが…

    可愛いあみぐるみがドスの効いたおっさんの声で喋りだし、しかもそのおっさんは殉教した刑事で、無理やり捜査に駆り出される和子。
    気の毒だ…けど面白い。

    事件の真相を追う、というよりもこのシュールな組み合わせが楽しかったです。ちょっと「ぶたぶた」さんを彷彿とさせるような…

  • 20210413
    可愛いものとオシャレが好きなフリーターの和子(24)がフリマで購入したあみぐるみには死んだ刑事(おっさん)の魂が宿っていた。刑事が最後に追っていた事件を解決し、魂を追い出すべく、和子はアルバイトとして捜査を開始する。
    ゆるふわを目指しつつ、埼玉住み、古風な名前というちぐはぐさや痛さがありつつ、芯は持っている和子と、父のような年齢の刑事の掛け合いは笑えるし、最後にはちょっとうるっときた。続刊がある時点で、わかっちゃいたが、良かった良かった。

  • 結構面白かったです☆ぬいぐるみ、じゃなくて編みぐるみにとり憑いたおじさん刑事とほっこり系女子のミステリで、ぬいぐるみといえばぶたぶたさんシリーズを思い浮かべますが、そっちより軽くて、ミステリ要素もあって、よかったです☆ わたしの中ではほっこり系女子は多部未華子ちゃん、おじさん刑事は石倉三郎さんに脳内変換してました。 次巻も読みたいですね☆

  • 最初は主人公のほっこり大好きキャラに共感できず、なかなか読み進まなかったけど、後半になるにつれ主人公も熱くなってきて、事件も解決に向かって面白くなってきた。
    続編があるみたいなので、機会があったら読んでみよっかなー。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。2003年「インディゴの夜」で第10回創元推理短編賞を受賞しデビュー。同作は書籍化され大人気シリーズとなり、ドラマ化、舞台化、コミック化された。他著に「モップガール」シリーズ、「アー・ユー・テディ?」シリーズ、『チャンネルファンタズモ』『ご依頼は真昼のバーへBarホロウの事件帳』『風が吹けば』『桜田門のさくらちゃん』『学スクール園王キングダム国』『ゴールデンコンビ 婚活刑事& シンママ警察通訳人』「メゾン・ド・ポリス」シリーズ、『警視庁レッドリスト』などがある。

「2023年 『警視庁アウトサイダー The second act 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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