僕が大人になったら 若き指揮者のヨーロッパ孤軍奮闘記 (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569676586

作品紹介・あらすじ

「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になりたい」▼小学校の卒業文集に書いたその夢を叶え、2011年5月、ついに世界最高峰の指揮台に立った著書。本書は、いまや『題名のない音楽会』などでもおなじみの著者が、若き日に欧州の名門オーケストラに単身挑み、世界的指揮者へと成長していくまでの記録。▼突然の曲目変更で徹夜、ひと癖もふた癖もある天才演奏家に苦悩、プレッシャーで眠れぬ夜……さまざまな壁にぶつかりながらも、夢に向けて努力を続ける姿がみずみずしく描かれており、ファンならずとも大きな勇気をもらえる1冊。文庫オリジナル。▼「このエッセイを書いていた時代というのは、いよいよ僕がヨーロッパというクラシック音楽の本場を舞台に、さまざまな世界中のオーケストラと出会い、時には肩肘張ってでも、『なんとか指揮者としての仕事をやっていけるぞ!』と、自分に言い聞かせていた時だったように思います。数々のヨーロッパのオーケストラを相手に、無我夢中で頑張っていたこの数年間がなければ、今の自分はなかったでしょう」(「まえがき」より抜粋)

感想・レビュー・書評

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  • 日本を代表する指揮者、佐渡裕さんのエッセイです。

    2011年5月にベルリン・フィルで指揮をしたことはTVでもドキュメントでとりあげられていました。

    ショスタコービッチの交響曲第5番 私もTVで見ました!

    このエッセイは、佐渡さんがベルリン・フィルで演奏するずっと前、若き日の奮闘記を描いたものです。
    イチローが小学校6年の時に作文に
    「僕の夢は一流のプロ野球選手になることです」
    と書いたことは有名ですが、

    佐渡さんも小学校の卒業文集に
    「大人になったらベルリン・フィルの指揮者になりたい」
    と書いていたそうです。

    それを実現したんだから、すごいですよね~。

    夢に向かって努力し続ける姿に勇気をもらえる一冊です。(そして、それがかなっているのですから!)

    なんか読んでいてほろっとくるところも沢山でした。

    「当分はこのフランスにいることになりそうだ。ベルリン・フィルにはずいぶん及ばないが、今の僕にはこのラムルー(管弦楽団)が宝だ。
    ゆっくりゆっくり進もう。僕の人生だから」

    海外で活動することになった佐渡さんが、言語がうまくいかないかもしれないと悩むときに恩師の英語教師が言った言葉
    「佐渡くん、セルゲイ・クーセヴィツキー(ロシアの指揮者)は、ロシアから
    ボストン・シンフォニーに来た頃「カンタービレ・プリーズ」しかしゃべらなかったそうです。
    大丈夫ですよ。だから音楽は素晴らしいのですから・・・」

    どちらもいい言葉だなぁと思います。

    音楽好きな人には、
    「夢が必ずかなう方法」うんぬんなんて書店に並んでいるベストセラーを沢山読むより、
    このエッセイを読んだほうが、勇気をもらえるのではないかなぁなんて思いました。

  • 読むと元気になれるエッセイ。
    自分も頑張ろう、と思える。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「自分も頑張ろう、と思える。」
      佐渡裕のキャラと言うか、人柄の良さのが詰まった一冊ですね!
      「自分も頑張ろう、と思える。」
      佐渡裕のキャラと言うか、人柄の良さのが詰まった一冊ですね!
      2013/05/11
  • ベルリン・フィルの指揮をした事で話題になった佐渡裕が10年以上前から連載を始めたエッセイをまとめた本。
    小学校の卒業文集に「ベルリン・フィルの指揮者になりたい」と書いた彼の夢が叶うまでの記録の一部。
    佐渡氏はとにかく音楽に対する愛情が深く、明るい。自信満々に見えても、眠れない位悩む事があるし、日本が恋しくなる事もある人間くさい指揮者である。
    自慢話に思える事も、彼のキャラクターゆえに「それは良かった」と読んでいる人は応援したくなるのでは無いか。
    夢は必ず叶うものではないが、叶えるために必死で努力をして、公言をして(引っ込みがつかなくなるように)突き進まなければ叶うものではないのではないか。
    団員に感謝、友人に感謝、お客さんに感謝、両親に感謝。愚痴もこぼさず、ひたすら感謝する姿は気持ちがいい。

  • 2020年11月6日
    佐渡裕指揮のコンサートに絶対行きたい。
    音を聞いてみなくちゃ。
    子どもの頃から1人でコンサートに行くなんて、ずいぶん贅沢な話。
    だからこそすごい耳が育った。そして母親のDNAもしっかり受け継いでいる
    バーンスタインや小澤征爾に師事するのも贅沢な話
    ブツソン音楽コンクールはまるでのだめの世界だ

  • 201508読了
    2011年出版。1997年から2001年にかけての連載を編集したもの。●ベルリン・ドイツ交響楽団をフィルハーモニーで振ってベルリンデビューしたときのエピソードが好き。聴衆の反応でコケたのか感動したのか分からないときはどきどきものなんだろうなー。

  • 【最終レビュー 2015・8・19】

    図書館貸出。三冊を既読した当時、時間の都合上、レビューが書けなかったんですが、今

    『題名のない音楽会』卒業と共に、改めて、こうして、地元に根付いて支えて頂いた佐渡さんご自身の[原点]

    ここまで、既読してきた『三冊』を通して伝わってくることを、書いていきつつ、自分の中で、そう実感しています…。

    至ってシンプルですが、このレビューをもって

    〈三冊を通してのレビュー〉とさせていただけたらと思います。

    ありがとうございました。

  • 佐渡先生のポジティブなエネルギーがびしばし伝わってくる良書。オーケストラは生で聴いてなんぼですよ。もっともっと日本人はコンサートに足を運ぶべき!

  • 以前に読んだ「僕いか」が面白かったので
    手にとってみました

    佐渡さんが、まだ若かった頃に
    雑誌連載していたものだそうです

    自分は、以前合唱団に所属していたのですが
    指揮者に佐渡さんが来てくださって
    お世話になったことがあるんですよね (・ω<)
    この連載が始まったのは…その頃よりちょっと後くらいかな

    若い頃の佐渡さん( ´艸`)が
    手紙を書いてくれているような
    マエストロって感じじゃないんだな
    「チャイ5好きなんだよね~、そうそう、ボレロよかったよ
    あんまりデンンジャラスな食事しちゃだめだよ~」なんて
    返事書きたくなるような感じ
    ヨーロッパを旅してる気分にもなれました

  • 音楽家なのに身近

  • まるで佐渡さんと喋ったように、佐渡裕という人がどういう人なのか、がよくわかる1冊だった。
    思っていたとおりパワフルで、エネルギッシュで、好奇心旺盛で、人生をめちゃくちゃ楽しんでいる人!
    クラシックについてあまり詳しくない私でも、佐渡さんが指揮をするコンサートに行ってみたい、この人が作り上げた音楽を聴いてみたいと思いました。
    そして、カツカレーの話、わかるなぁ~!

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著者プロフィール

指揮者、トーンキュンストラー管弦楽団音楽監督

「2017年 『棒を振る人生 指揮者は時間を彫刻する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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