鶴川日記 (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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本棚登録 : 82
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569677828

作品紹介・あらすじ

「農村の生活は、何もかも珍しく、どこから手をつけていいか、はじめのうちは見当もつかなかった」――。▼本書は、名随筆家・当代一の目利きとして今なお多くのファンを持つ著者が、30年余り前に綴った知性と感性が光る珠玉の随筆集の復刻版である。▼第二次世界大戦が始まると同時に移った往時の町田市鶴川に今も残る藁葺き屋根の農家「武相荘」。そこでの幸福な日々やそこを訪れる人々との交流を描いた「鶴川日記」。山の手育ちの著者が、永田町・麹町・赤坂・麻布など憶い出に残る坂を再訪し、その場所にまつわるエピソードや現在の姿を綴った「東京の坂道」。長い人生の中で出逢った梅原龍三郎・熊谷守一・芹沢銈介・荒川豊蔵ら文化人との心に残るエピソードや、祖父母など肉親と過ごした日々をまとめた「心に残る人々」の3篇を収録する。▼何気ない日常に温かな目を向け、人々との交流や毎日を丁寧に生きることの大切さ、本物の豊かさとは何かを思い出させてくれる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 白洲正子のごった煮の随筆集

  • 鶴川日記と東京の坂道に深く感銘。ご本人は研究や考証は苦手と書かれているが、結構fieldworker的側面があったのではないだろうか。東京の坂道の自分の実体験(半径500m的な)を含めた地誌に、ほかの東京本・坂道本に比すべき物があるように感じた。

  • 2015/9/12

  • 武相荘での生活を描いた鶴川日記、東京の坂道、心に残る人々、の3篇から抜粋されたエッセイ集。
    白洲正子の文章に初めて触れるには良い本かと思われます。
    何冊か読んでいると、重複している部分もあるし、白洲氏や家族のことを知りたいとか、お能について知りたいとかであれば、ちょっと違うかなという感じ。

    私は、鶴川の周辺の歴史も興味深かったし、東京生まれで東京の坂道について書かれた文章が好きだし、大好きな画家である熊谷守一について書かれた一文も良かったので、充分に楽しめました。

  • 鶴川といっても東京の人でも何処だか判らない人は多いのでは。戦争中に白州夫妻が引っ越してきた頃は、鶴川村だったとのこと。現在は町田市に編入されている。ちょっと北や東に移動すれば、川崎市麻生区だし、南に動けば、横浜市青葉区。川崎、横浜と云っても海にはよっぽど遠い。武蔵と相模の国境だから武相荘(ぶあいそう)と名付ける。

    GWに妻と行ってきました。思ったより瀟洒な茅葺の家。元々の農家を改造。次郎さんは吉田茂の懐刀、そして財界でも活躍した人なのに、豪邸というにはほど遠いので、ちょっと意外だった。

    このエッセイでは空襲をきっかけに疎開したとある。畑や田んぼで農業をしていたらしい。鶴川から北の丘の中腹で、どこに田や畑があったのやら。呼ばれれば、中央に出て行ったということらしいが、どうしたって隠棲の二文字が頭に浮かぶ。
    その武相荘にはソファーの置かれた居間があり、2つの和室を挟んだ半間の廊下の奥に本棚と書斎があった。その和室には正子さんの和服や収集した骨董品が飾ってあった。

    正子さんは伯爵のオヒイサマだと思っていたが、このエッセイ読むと誰にでも噛みつくと云われたとか、韋駄天お正とか、意外な風貌を知ることになった。扉の開いたままで走る小田急で身を乗り出しながら喚く文士を後ろからしがみついていたなど、え~っと思う話もあった。骨董や取材で急に遠くに飛び出していく話もあり。

    次郎さんはエライなあ。そんな酔っ払い達と付き合うなとか、また書斎に籠ってるとか、また骨董や着物を買いこんで俺の居る場所が無いとか、また家を空けるのかとか、僕なら絶対文句タラタラだろうな。

    正子さんの人付合いの広さが印象強かった。織部を継ぎ接ぎした茶碗で陶芸家がお茶をたててくれた。名品ではないが、胸のすくような逸品との評。この人なら判ると相手も思うんでしょうね。物凄く面白いエッセイというわけではないけれど、ジワジワ一流の人の交わりを垣間見たような気分。
    一流の夫妻の家。そのうち、また武相荘に行ってみようと思う。

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著者プロフィール

1910(明治43)年、東京生れ。実家は薩摩出身の樺山伯爵家。学習院女子部初等科卒業後、渡米。ハートリッジ・スクールを卒業して帰国。翌1929年、白洲次郎と結婚。1964年『能面』で、1972年『かくれ里』で、読売文学賞を受賞。他に『お能の見方』『明恵上人』『近江山河抄』『十一面観音巡礼』『西行』『いまなぜ青山二郎なのか』『白洲正子自伝』など多数の著作がある。

「2018年 『たしなみについて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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