書店ガール 2 最強のふたり (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569679648

作品紹介・あらすじ

吉祥寺に出店する大手書店チェーンに転職を果たした理子と亜紀。しかし、大型書店の店長という、いままでと違う職責に理子は戸惑っていた。一方、文芸書担当として活躍する亜紀にも問題が。妊娠をきっかけに起こった夫との確執、書籍の回収騒動-。そんな忙しい日々の中、本と本屋の力を信じる二人が考え出した新たな挑戦とは?書店を舞台とした痛快お仕事エンタテインメント第二弾。

感想・レビュー・書評

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  • 2作目も面白い。

    亜希の夫、伸光が印象的だった。

    自分が会社で順調に出世していると思っている時は妻に対して傲慢で、社内闘争に破れて心が折れると妻を気遣えるようになる。

    心の向きが社内から妻に向いたからだろうか。心を向けるキャパシティには限界があるんだろう。

  • 恋と仕事にばく進する西岡理子の奮闘の物語です。

    西岡理子(りこ)は、東京都武蔵野市、吉祥寺駅に新しくできた新興堂書店へ店長としてスカウトされる。新興堂書店は、九州は福岡に本店がある企業です。理子が、店長として勤めていたペガサス書房吉祥寺店は、300坪の中型書店ですが、新興堂書店吉祥寺店は、1000坪の大型書店です。理子は、閉店したペガサス書房吉祥寺店から6人の仲間と一緒に移って精力的に数々イベントを仕掛けて業績を上げていきます。

    ただ、新会社での人間関係に悩むなかで副店長として福岡の本店から来た田代俊介が、気を配りサポートします。この有能な田代のおかげで理子は、のびのびと仕事ができます。そして田代との恋が芽生えていきます。が、田代は、福岡の本店へ転勤になり……。

    【読後】
    字が小さいので読むのに大変苦労しました。10ページ読んでは休みをくり返して読み続ける。が、途中で疲れて寝てしまいます。恋はするが結婚まで行かず独身の理子42才は、業界で知られた女傑です。今作は、仕事に恋にと大変熱い物語になっています。

    「購入」
    最強のふたり ー 書店ガールシリーズ2作目《文庫本》
    2013.04発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
    2023.11.02~04読了。★★★★★
    ブックオフWebで発注、110円で購入2023.10.11
    ~~~~~~~~~~~~~~~~
    書店ガールシリーズ一覧
    07.旅立ち
    06.遅れて来た客
    05.ラノベとブンガク
    04.パンと就活
    03.託された一冊
    02.最強のふたり 2023.11.04読了
    01.書店ガール  2023.09.17読了
    ~~~~~~~~~~~~~~~~

  • 前回とはまた違った面白さ。
    亜紀の夫への印象が変わったなー。
    正直、女は家庭におさまり、子供の面倒や自分の面倒みてよってタイプがやだなーって思ってたんだけど。
    今までの人の上に立っていた立場が変わると、妻にも優しくなれるんだなーと。
    そのまま優しくいてほしい。

    理子さんのロマンスはうまくいかないのは分かっていたけど、ちょっと切なかったなぁ。
    理子さんを支えてくれる男の人がいても良いと思うんだよね。
    今後に期待かな。
    さ、シリーズ3を読もう!

  • いつもは解説も必ず読むのに面白すぎて読まずに2を読みすすめてしまった。
    2は、女性が働く事、職場での人間関係の難しさが本の事よりやや強調されているような気もしたけれども本屋さんの素敵なイベントや知らなかった本も知れてやっぱり読んでいて面白い。
    帯に書かれているようにリアルと本音がつまっている。
    まだ3、4と続くのに今から話が終わらなければ良いのにと思ってしまう。

  • "書店ガール"の第2巻。前巻でペガサス書房を辞め、新たに吉祥寺に進出する"新興堂書店"の店長としてリクルートされた理子が、新店舗の店長として奮闘する様子を描いている。

    本屋だけでなく、同じショッピングビルに入っている他業種の店舗ともコラボしたブックフェアを企画し、成功を納めるなど、働くこと、チャレンジすることの楽しさが伝わってくると同時に、そこで紹介されているいろんな本を読みたくなった。
    一方、理子に副店長の田代に対する好意以上の感情が芽生えるという新展開を期待させつつも、田代の異動により、プラトニックな関係のまま終わる。でも、田代がブックフェアのために選んだ本についてのPOPに残した言葉は、理子への思いを綴ったメッセージそのもので、少し気持ちが暖まった。

    また、店員の亜紀が妊娠、育児に対して保守的だった夫が、自分の左遷もあり、育児に協力的な姿勢を見せるようになる様子は、働く女性が妊娠、育児をしながら働くことのハードルの高さを示していると思うが、
    待遇面では必ずしも恵まれているとは言えないのに、それでも働きたいと思える書店いんという仕事に惹かれる。

  • 自分も緑のエプロンをつけて、黒のレギパンとスニーカーで書店員になった気で読んでいます。
    書店に足を踏み入れる時、フェアの一角を見つけた時、平積みされたどれも面白そうな本を見たときのワクワク感がよみがえり、理子をはじめとする書店と書店員さん、紙の本を応援したくなります。
    今日の午後、子供の習い事の合間に書店に行こうと思います。

  • 大型書店に転載し店長になった理子さんの奮闘記。今や片腕になった亜紀さんの妊娠で、仕事を辞めさせようとする夫との共働きの子育て問題や地域の書店との連携イベントで吐露される中小書店の悩みを描いたり、等々、相変わらず細部の描写がリアル。理子に想いを寄せる田代の存在で理子の女心は揺れます。後半は今回も都合良く進みますが、書店愛や書店員魂に一本筋が通っていて、心地よく読めました。

  • 本屋に勤める女性二人の奮闘を描いたシリーズ2作目。
    本屋大賞の生中継が行われているところから始まります。

    西岡理子は新興堂書店の店長、42歳。
    前に勤めていたペガサス書房は理子たちの奮闘も空しく吉祥寺店は閉店となりましたが、そのときの頑張りを買われてスカウトされたのです。
    新興堂は福岡が本店で、副店長の田代は本店から派遣されている。理子より年下の感じのいい男性で、仕事は出来るし穏やかで、理子のことも認めてくれているのがありあり。
    一作目では失恋して苛立っていた理子も店長として落ち着いた生活になり、田代とはほのかな思いを交わすことに。心通う様子にちょっとほっとします。
    残念ながら妻子ありの単身赴任ですが‥

    部下の小幡亜紀とも、いぜんの険悪さは嘘のように信頼できるパートナーとなっています。
    亜紀は妊娠しているとわかり、仕事を中断することに不安と迷いを覚えます。
    それどころか、当然のように仕事を辞めろと言い出す夫と姑と戦う羽目に。
    その夫の伸光はマンガの編集者で、仕事上のトラブルが持ち上がります。責任を取らされてやりたくない仕事に回され‥?
    揺れ動きつつ、協力し合おうとする夫婦。

    商業施設全体で協力し合ったり、吉祥寺の書店全体による町おこしを考えたり。
    紙の本が売れなくなる時代を生き抜こうと策を練る理子や亜紀たち。
    「50年後にも残したい本」という企画、思わず考え始めちゃいますよね。
    読みたくなる本の名前もずらりと‥
    働く女性の直面する問題、本屋をめぐるさまざまな情報も盛り込まれ、興味が尽きない面白さでした。
    作者は出版社に勤務していたことがあり、全国の書店を100店以上回ってブログに発表しているとか。
    なるほど!

  • いやぁ~、ドラマ化も決まり
    ノリに乗ってますね~♪
    (キャストはかなり不安だけど…)

    苦楽を共にしたペガサス書房が閉店となり、吉祥寺に出店する大手書店チェーンに転職を果たした理子と亜紀を待ち受ける様々な苦難や苦悩。
    大型書店ゆえの問題点を浮き彫りにしながら、本と本屋の力を信じる二人が考え出した新たな挑戦は果たして成功するのか?
    書店を舞台とした痛快お仕事エンタテインメントの待望の続編。

    水と油のように正反対な性格ながら本や書店への愛で固く繋がる、
    あの最強のコンビが帰ってきました!

    子育てをしながら仕事を継続することの辛さや苦労、表現の自由と規制、それを逸脱した雑誌の回収問題、トークショーや展示、古本市などのブックイベントの効能や意味合い、大型書店に客を奪われた個人商店の衰退化、編集者と作家との間にあるビジネスを越えた同胞意識、ミリオンセラーになるよりロングセラーになる方がはるかに難しい本の消費の不思議などなど、
    いやはや今回も書店や出版業界の実情が盛り沢山で、
    よく調べてあるなぁ~と感心します。

    そういった本にまつわるウンチクや出版業界の問題点を随所に盛り込みながら、
    今回はお嬢と呼ばれていた亜紀の妊娠と亜紀の夫である伸光の左遷問題、
    そしてついに春が来るのかと読んでるこちらも力が入った(笑)店長の理子と右腕である田代の恋など、
    終盤以外は盛り上がりに欠けた一作目よりかなり充実したストーリー展開になっています。

    本文中の言葉で印象的だったのは、母親が仕事を続けることは子供への悪影響に繋がるのでは?といった論争に対して、
    「母親が働く働かないは大きな問題じゃない。自分が自分に誇れる生き方をしているか、それを子供に伝えられるかが大事」だという言葉には、個人的に共感同感だったし、グッときました。

    そして「何がその人にとって大切な本であるかなんて、その人じゃなきゃわからない。例え軽く見られがちな携帯小説やラノベであろうと大事に思う人はいるし、その本に出会うことで心が慰められたり、人生が変わったりすることだってあるのだ。お客様がその一冊に出会うための手助けを、我々書店員はしているのだ。」
    に代表される本好きなら思わず頷いてしまう、
    そこに愛があるからこその熱い名言の数々も盛り沢山で、
    心のメモ帳にストックしておきたくなるほど。

    そして、書店員が選ぶ「50年後も残したい本」の企画いいですよね!
    古いというだけで敬遠され、なかなか動かなかった良書の掘り起こしにも繋がるし、
    一生付き合う大事な本、人生の節目節目に読み返したい本、この本がなければ今の自分はないと言える、
    「自分」を構成する核になった本を改めて考えるいい機会にもなるし。

    ちなみに僕なら何を選ぶかな~。
    佐野洋子の絵本で『100万回生きたねこ』、向田邦子の『思い出トランプ 』、吉本ばななの『TUGUMI』『キッチン』、村上春樹の『カンガルー日和』『ねじまき鳥クロニクル』、川上弘美の『古道具中野商店』、西加奈子の『さくら』、辻村深月の『凍りのくじら』、桜庭一樹の『少女七竈と七人の可愛そうな大人』、森見登美彦の『夜は短し歩けよ乙女』、金城一紀の『GO』『映画篇』、瀬尾まいこの『卵の緒』、山田詠美の『ぼくは勉強ができない』、東野圭吾の『白夜行』、宮部みゆきの『火車』『理由』、佐藤多佳子の『黄色い目の魚』、花村萬月の『ブルース』、吉田篤弘の『それからはスープのことばかり考えて暮らした』、角田光代の『キッドナップ・ツアー』、いしいしんじの『トリツカレ男』、チャンドラーの『長いお別れ』『さらば愛しき女よ』、クラムリーの『さらば甘き口づけ』、パーカーの『初秋』、オースターの『ムーン・パレス』、アーヴィングの『ホテル・ニューハンプシャー』…。他にもあるけど、
    うーん、キリないなぁ~(>o<)

    人は面白い作品に出会うと今まで未読だったことを大いに悔やんだりしがちだ。でもこれからはこう思うことにしよう。
    この世にまだ読んだことのない作品が沢山あるということはなんて幸せなことなんだろうと。
    読みきれないほどの本のある空間、それを提供する書店という場所は僕にとって宝の山であり、永遠が買える魔法のお店だ。
    売り上げランキングなんて気にせず、自由に本の海の中をこれからも泳いでいきたいなぁ~。

  • シリーズものは、なんとなく1作目が説明っぽくてストーリー的にはちょっと入り込めないなあと常々思うのですが...。

    最近、本屋図書館繋がりの本を何作か読んでいて、どの本もイマイチですなあ..と思っていたところのこのシリーズ。一番良かった。
    でもどうしよう、2巻読むほどかどうか....結構躊躇しましたが、結果読んでよかった!

    本を売る人がいて、本好きが集まり、本好きの熱がビシビシ伝わってきた。本読んでるのに、もっと本が読みたくなったよ。さっそく続き3巻も読もう!

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著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。大人気シリーズ作品「書店ガール」は2014年度の静岡書店大賞「映像化したい文庫部門」を受賞し、翌年「戦う!書店ガール」としてテレビドラマ化され、2016年度吉川英治文庫賞にもノミネートされた。他の著作に「銀盤のトレース」シリーズ、「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』などがある。

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