ぼくと英語とニワトリと (PHP創作シリーズ)

  • PHP研究所 (2002年2月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (200ページ) / ISBN・EAN: 9784569683201

作品紹介・あらすじ

養鶏を営む近郊農家のひとり息子・洋介が、町の中学校に入学して、新しい生活に戸惑い悩みなから成長していく姿を、生活感あふれる描写で追った青春ストーリー。▼洋介は、中学になって、勉強ことに英語ができない自分に焦りを感じる。授業についていけないだけではなく、毎日の学校生活の中でことあるごとに、小学生の頃には感じなかったサラリーマン家庭との生活感の違いも痛切に感じていた。そんな落ちこぼれかけた洋介を見かねて、クラスメイトの智子が「英語を教えてあげる」と手をさしのべてくれる。半信半疑のまま始めた英語の特訓だったが、智子のおかげでなんとか英語は克服できた。しかしその一方で、農家としてどう生き残っていったらいいか……という難問をも、両親と共に考えざるを得ない現実が洋介にのしかかっていた。▼現代の農業の問題や、中学生の勉強の悩み、いじめ、恋などをうきぼりにした作者渾身の感動作。

感想・レビュー・書評

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  • Z会小学生国語の読み取り問題で一部を抜粋されており、続きが気になって図書館で借りて読んだ。
    Z会の国語は、良問が多いとの評判だが、よくこれだけ興味深い話を探してくるなーと先生方に感心してしまう。子供の勉強の時間に、一緒に読み取り問題を読むのが実は楽しみだったりする。

    さて、本題。読み始めたら、一気読みだった。
    思春期特有の他者と比較することによる自己肯定感の低さ、他人との距離感のつかみにくさ(親切を素直に受け取れない、感謝を表現できない、歩み寄れない等)、子供故の残酷なからかいや嘲笑を受け流せずに手をだしてしまう、家業の特殊性ゆえ、臭気や貧しさに恥ずかしさを感じてしまう等、主人公が感じる思春期特有のいろんなイライラが懐かしく、切なく感じた。

    主人公の洋介君は、とても頑張っている。家業も文句言わずに大人並みの労働力として働き、経済状況を考えてわがままも言わない。
    学校からまっすぐ帰って家業を手伝い、一時、自暴自棄になるが持ち直して、勉強も必死で頑張る素晴らしい少年なのだ。
    でも、本人はその素晴らしさに気づいていないし、いろんな意味で自己嫌悪でいっぱい。
    そんなとき、友人や親以外の大人達とのかかわりで、彼の視点が変わっていく。
    親以外の大人の言葉の影響力のすごさを感じた。
    親の後ろ姿を見せることも大切だが、我が子にも素晴らしい影響を与えてくれる友人や大人と出会ってほしいと願うばかり。
    自分が中学生くらいの時に読んだらどんな気持ちになるのか、過去に戻って聞きたい。(発売されていないけど)

    今後の洋介君の姿(恋路も含めて)を見守っていきたいと思わせてくれるお話だった。
    最後に気になるのは、途中から出てこなくなった信一くんがどうなったのか、行く末が心配だった。

  • 僕がよく書くことだけど、中学生向けのこういう小説って、出来がいいのが多いんだよね。
    本書もよくできている。終わり方もなんかいいしね。
    しかしあんな女の子、願望の中にしかいないよなあと思うが、まあ小説だし。

  • 物語全体に暗さを感じた。環境の過酷さがそうさせるのかな。希望も描かれているのに。読了後も考えさせられる。

  • 勉強と友情と、恋とも言えないような女の子との関わりあい。そんなごく普通の日常に、養鶏農家に生まれた苦労というエッセンスを、見事に織り交ぜてきたな、と。

    飛び抜けてカッコイイ主人公でもないのに、不思議とヒーロー感がある。
    物語も、一見淡々としているようで、読んでいくと、じわじわと隠れた闘志みたいな熱いものが伝わってくる。
    中学生って、確かにいろいろごったがえしてるよなー。
    この本を読み終わって感じる余韻というか、余白みたいな部分は、そのまんま中学生たちが持ってる可能性なんじゃないか、という気がした。

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