ひみつのひきだしあけた? (PHPにこにこえほん)

  • PHP研究所 (2008年2月5日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (32ページ) / ISBN・EAN: 9784569687469

作品紹介・あらすじ

おしいれのすみっこからさくら色の毛糸玉がでてきました。それを見たチイばあちゃんは、すてきなベレー帽を編もうと、かぎばりを探し始めました。すると、寝ていたとらねこのとらたが起きてきて、一緒にかぎばりを探してくれました。▼チイばあちゃんは、古い机のひきだしの中を探してみました。でも、かぎばりは見つかりません。「奥の奥まで探してみたの?」と、とらたに言われて、ひきだしをもっと引っぱってみると、どんどんひきだしが出てきました。▼ひきだしの中は、貝殻に時計、きれいな小石、千代紙、チョコレートの空き缶……など、チイばあちゃんのものでいっぱい。ひきだしは引っぱれば引っぱるほど、するするすると出てきます。部屋いっぱいにひきだしが伸びると、チイばあちゃんは壁に穴をあけてしまいました。さらに庭にでてひきだしを引っぱると……。▼あまんきみことやまわきゆりこの人気コンビが描くほのぼのとしたお話です。<新装改訂版>

感想・レビュー・書評

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  • 「あまんきみこ」さんは、数々の素晴らしい絵本画家との共作によって、さらにお話の魅力が増す方で、ざっと挙げるだけでも、酒井駒子さんとの「きつねのかみさま」、上野紀子さんとの「ちいちゃんのかげおくり」、いわさきちひろさんとの「おにたのぼうし」、岡田千晶さんとの「あそびたい もの よっといで」等々、枚挙に暇がありません。

    そして、本書は、「ぐりとぐら」等での姉妹の共作が有名な、中川李枝子さんの妹である、「山脇百合子」さんの絵ということで、もう表紙を見るだけで、その優しく穏やかな人柄が窺えそうな、派手さは無くても、ひとつひとつ心を込めて、じっくりと丁寧に描いている、そんな印象を与えてくれますし、それは、タイトル文字のフォントからも感じさせられて、見ているだけで心が和んできます(更に、絵の片隅に画家のサインとして書かれた「ゆりこ」にも)。

    物語は、押し入れの隅っこから桜色の毛糸玉がころりと出てきたのを見た、「チイばあちゃん」が、見返しの色のようなベレー帽を編もうと思い、かぎ針を探し始めるが、これが中々見つからず、その音で昼寝から目覚めた、トラ猫の「とらた」が鼻をぴくぴくさせると、どうやら、あの古机の一番下の引き出しにあるらしいが、チイばあちゃんは、そこは一度見て、無かったと言う。

    「おくの おくまで みたの?」

    「あたしが みたのは、ただのおく。
    ふうん。おくの おくが あるのかあ。
    もう いちど みてみよう」

    そして、改めて、引き出しの取っ手を引っ張ってみると、引き出しは、するすると出てきて、そこにあったのは、これまでチイばあちゃんが集めて仕舞っておいた、貝殻に化石、動かない時計、きれいな小石、千代紙、包装紙、飴の紙にチョコレートの空き缶と、まあ、出てくる、出てくる。

    そのあまりの多さにびっくりだが、こうした物たちって、一見すると、他の人にとっては、たわいも無い物に見えるのだろうけれど、きっと本人の中では、とても愛着のある物なんだろうなというのが、ちょうど、表紙のチイばあちゃんととらたを囲んでいる物たちのように、ひとつひとつ丁寧に描いている山脇さんの絵からも分かる。

    そして、この後の展開ですが・・・
    このシンプルながらも、素敵で楽しい魔法のギミックには、きっと子どもたちも夢中になるであろう、あまんさんの、見事なアイデアの素晴らしさがあり、また、それはチイばあちゃんのこれまで歩んできた人生に於ける、思い出の素晴らしさでもあるところに、あまんさんの、チイばあちゃんへの愛情を感じさせられて、微笑ましい気持ちになる。

    更に、この後の子どもたちの登場には、「おお、こうきたか」と思わせる、意外性の中にも、世代を超えて受け継がれていくような、人から人へと巡り巡って受け渡される事の大切さと、大袈裟な書き方をすれば、この世に無駄な物など一つも無いといった、循環型社会の先取りとも思われて(本書は1996年の作品)、またそれと、引き出しのギミックが、上手いこと噛み合っている構成の素晴らしさと、ベレー帽だけではない、たくさんの良いことがチイばあちゃんに起こった、その物語の素敵な内容も、引き出しのアイデア一つで、よくぞここまで広げられたものだと、その奥の深さに感嘆させられずにはいられません。

    あっ、もちろん、チイばあちゃんだけじゃなくて、とらたにも、良いことあったんだよね。
    そんな嬉しさが、裏表紙でちゃんと描かれているのも、最後のチイばあちゃんととらたの、どこか飄々としたやり取りの中にも、あまんさん、山脇さん、それぞれの二人の物語に対する愛情を感じさせられて、また温かい気持ちにさせられます。

    それにしても、「チイばあちゃん」の名前、ひらがなとカタカナで違うけど、どうしても私は、「ちいちゃんのかげおくり」のちいちゃんを思い出してしまい、「もし、ちいちゃんがおばあちゃんになったら、きっと、こんな素敵なおばあちゃんになるんじゃないかな?」と思わせる、そんな愛らしさがとても印象的で、それは山脇さんの絵だったからこそ、そう感じられたのかもしれないと思うと、改めて、見事なコンビによる、決して派手さは無くとも、丁寧な物語と絵の面白さで充分伝わる、世代を超えた温かい交友も魅力の、これぞ絵本の醍醐味といった、絵本の一つの完成形を見た思いがいたしました。


    祝! 初の読書メモコピーによる投稿です(^^)v
    (なんのはなし?)

    • Macomi55さん
      たださん
      読書メモコピーデビューおめでとうございまーす♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪
      たださん
      読書メモコピーデビューおめでとうございまーす♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪
      2023/07/17
    • たださん
      まこみさん
      ありがとうございまーす
      ヾ(o´∀`o)ノ

      一度、この快適さを知ると、二度と過去のやり方に戻れないくらい、ストレスフリーで良い...
      まこみさん
      ありがとうございまーす
      ヾ(o´∀`o)ノ

      一度、この快適さを知ると、二度と過去のやり方に戻れないくらい、ストレスフリーで良いですね(๑'ᴗ'๑)
      2023/07/17
  • かぎ針を探すチイばあちゃん。猫のとらたに促され、引き出しの“奥の奥”を探すことに。

    長い長い!まだ伸びる!あ~あ、まさかこんな展開とは(笑)始めはビックリしていた子どもたちも、途中から大笑い。

  • どんどん伸びるおばあさんの引き出し。中にはたくさんの宝物ちっくなものたち。それを見て集まってくるこどもたち。こりゃ楽しい。ごちゃごちゃ感がたまらない。何でもかんでもスッキリ断捨離するのがいいってものでもない。ひとつくらい自分でもこういう引き出しを持っていたいと思った。ものと記憶はつながっているからね。

  • 「おしいれの すみっこから、さくらいろのけいとだまが ころりとでてきた。」

    季節は、春でしょうか。チィばあちゃんとトラタの掛け合いもとても可愛らしく、どうなるんだろう、、、とワクワクして来ます。

    『きょうと きまった ホウ』
    子供達も好きな、フレーズです。

  • 可愛い❤
    おばあちゃんと、ねこと、子どもたち
    不思議な引き出し

  • 内容は面白かったです。ただ、子供の反応はそこそこでした。、

  • 引き出しに入れたはずのものがない!
    奥にいってしまったのかな?

    ここまでは「ああ、わかるわかる」。
    そこから先が「え~っ???」という展開でした。
    不思議系というのか、ファンタジーなのか。

    ほのぼのできる絵本です。

  • しばらく絵本から遠ざかっていたであろう小学校高学年の子どもが珍しく食いついてきた本。
    ある日、押し入れの隅っこから転がり出てきた毛糸玉でチイばあちゃんがベレー帽を編もうとかぎ針を探すが見つからない。

    猫のとらたが「机の一番下の引き出しは探した?」と訪ねます。
    「奥まで探した」とチイばあちゃんは言うのですが、とらたは奥の奥まで探したのかと聞きます。
    そこで奥の奥までもう一度探そうと引き出しを開けると…?

    引き出しには、自分の大切なものや、ちょっとしまっておきたい細々したものを入れたりしますよね。
    引き出し一つでこんなに夢のある世界が広がるなんて、なんて不思議で素敵なんだろう!とワクワクしてしまいます。

    さすが、あまんきみこさん。そしてやまわきゆりこさんの絵がほんわかとその世界観を伝えています。
    最強のタッグですね。

  • 収納たくさん!いいね!

  • 2019.7

  • いろいろでてくるひきだしの奥。
    なんてたくさんためたんでしょうってほほえましいです。

  • たのしい

  • 素敵で心あたたまる話しでした。

  • 不思議な…ひきだし。
    なんか…不思議なポケット的な?!
    モノが増えるわけじゃないのだけど…
    引き出しがね、スゴイのよ。
    不思議な引き出し。
    でも、もしかしたら自分の家にもありそうな…
    いやあったらいいなぁの引き出しかも。

    結構、好みの作品でした。

  • 押入れから桜色の毛糸玉は出てきた。
    チイばあちゃんはそれで桜色のベレー帽を編もうとするけれど、かぎ針が見つからない。
    あちこち探してどたばたしていると、昼寝をしていた猫のとらたがうるさくて起きてしまう。
    とらたにかぎ針を知らないか聞いてみると、机の一番下の引き出しは探したか、引き出しの奥の奥まで探したか、と言われる。
    なんでもその引き出しにしまう癖のあったチイばあちゃんは引き出しの中ももちろん見ていた。
    でも奥の奥?
    ちゃんと全部見たはずだけれど、ともう一度引き出しを今度は引っ張り出してみると、いろいろなものが見つかる。
    ところが、引き出しは引っ張っても引っ張ってもどんどん続いている。
    とうとう、壁のところまで引き出してしまった。
    とらたに壁に引き出しの分だけの穴を空けるといいと言われ、空けることに。
    外に出てもまだまだ伸びる引き出し。
    家の門を出て、原っぱまでも出て行く。
    と、そこでやっとかぎ針が見つかった。
    原っぱでは子供たちが遊んでいて集まってくる。
    チイばあちゃんの長い引き出しの中を覗くとすてきなものがいっぱい。
    貝殻、時計、化石、千代紙…。
    チイばあちゃんは子供たちに好きなものをもらっていいと、言う。
    みんながそれぞれ取ると、そのたびに引き出しはどんどん短くなり、ついにはあの机に収まるまでになる。
    そして、あとに残った壁の穴はとらた専用の出入り口になるのだ。
    チイばあちゃんは無事桜色のベレー帽を作ることが出来たのだった。
    思いがけず、みんな、欲しいものが手に入ったのだった。

    引き出しの奥の奥。
    素敵な発想。
    何でも入っている引き出した本人も忘れたものが入っていそうでまさに宝の山。

    かぎ針探しがついでで、とらた専用の出入り口を作るためにとらたが仕組んだことが計画通り運んだように思える。
    やり手のねこちゃんに思えて仕方がない。

    なんでもしまうのではなく、きちんと整理しましょう、という趣旨だろうけれど、それとは別にこんな何でも入る引き出しがほしい…。

  • 二回目。
    のびーーるひきだし☆

  • おばあちゃん、かわいいです。

  • 探し物がないときってありますねー
    でも、こんなに引き出しは出ないでしょー
    こんな引き出しあったら、大変なことになりそうです

  • こんなひきだし欲しいなあとおもってしまう本。いいなあ。

  • (3歳5ヶ月)

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著者プロフィール

1931年生まれ。児童文学作家。1968年にデビュー作品集『車のいろは空のいろ』が日本児童文学者協会新人賞および野間児童文芸推奨作品賞を受賞。以降、いくつもの文学賞を受け、多くの作品が小学国語の教科書に掲載されている。2001年に紫綬褒章受章。京都在住。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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