「漢字廃止」で韓国に何が起きたか

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569695181

感想・レビュー・書評

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  • 前半でタイトル回収。後半はことわざじてん。
    本文中にあるように将来宇宙人との交信に役立つ可能性、初期人口知能との親和性など、漢字を失うことによる今だと想像できないメリットが生まれるかも。

  • お互いに得るものあるものの見方、後半は不要かな

  •  韓国が漢字を捨てた弊害は、①抽象度の高い漢字語由来のボキャブラリーを喪失した、②同音異義語を区別できないため「肌感覚」の口語表現でしか文章を書けなくなった、③それゆえに抽象的で高度な思想文化が育まれなくなった、④1970年以前に書かれた文献を読めなくなり文化の断絶が起こった、の4点に集約できる。
     その処方箋として漢字復活だけでなく、訓読み導入を提言しており、どちらも十分可能だと言う。でもどうかな?漢字の復活は日帝支配の記憶を呼び起こすから簡単ではないし、訓読みも日本人は1000年以上も漢籍を訓読みする文化を脈々と受け継ぎ、その教養の土台の上に日本語、日本文化が成立している。付け焼刃の猿真似で模倣できるとは思えない。中国でさえ西洋由来の抽象概念は日本語を借用しているのだ。
     あと英語やロシア語など表音文字しかない言語はどうなのかとの意見が散見されるが、それらの言語はもともと表音文字に対応するようにできている。具体的に言えば母音や子音の種類が多く同音異義語が少ない。韓国が問題なのは漢字圏言語であるにも関わらず漢字を捨てたことなのだ。ミソもクソも一緒にしてはいけない。

  • 2009/8/30 図書館で目についたので借りてくる。

    最近、韓国・朝鮮の歴史の本を読んだり、韓国語の勉強を始めました。
    いろんな確執がある韓国・朝鮮と日本ですが、何か引っかかる疑問が・・・。
    ひとつは、ハングル文字。
    以前は漢字とハングル文字混在だったのが、今はハングル文字だけになっているそうですが、
    これって 日本なら 「ひらがな」だけでかかれているということかしら?
    不便じゃないのかなぁ?
    最初に韓国語を学ぶときに、漢字からはいれば取っつきやすいという本を数冊読んだのだけれど・・。

    作者の、他の本にも興味があります。

    内容 :
    「竹島問題」で気勢を上げる韓国の足もとに「文化崩壊」の危機が忍び寄っている。
    漢字を廃止した韓国語にもたらされた大いなる弊害と、
    習慣的な言い回しやことわざなどの伝統的な韓国語表現を、日本語との比較を通じて論じる。

    著者 :
    1956年韓国生まれ。東京外国語大学大学院修士課程(北米地域研究)修了。
    評論家。拓殖大学国際学部教授。
    「攘夷の韓国開国の日本」で第5回山本七平賞受賞。他の著書に「日本語の心」など。

  • <blockquote>私の知る韓国のご老人の中には、「韓国語では難しいことは考えられない。考えようとすればどうしても日本語になる」といわれる方が何人もいる。</blockquote>

    <blockquote>韓国人は教育熱心で知的レベルの高い人たちだといわれることがよくあるが、それはまったくあたっていない。私は日本に来てからも韓国で出版される書物や雑誌の文章をことあるごとに読んできているが、そのほとんどが「足が地についていない」おのばかりだというしかない。それらの典型は、叙述は現実から遊離して具現性に乏しく、主張はあきらかに何かの共同の幻想に酔っていることを感じさせる、といったものだ。</blockquote>

  • 韓国では漢字文化が一部の教養のある層に独占されていたということ、日本語で使われている「訓読み」が無い=漢字を見たときに意味を類推できない、というただでさえいびつな状況だったのにもかかわらず、「漢字廃止」なんてしちゃったもんだから、抽象的議論ができなくなり表現の幅もどんどんと狭まっていっている、といい、日本語をひらがなだけで書くようになったら…と想像すると空恐ろしいことだと思う。後半の韓国でのことわざとか言い回しとかは別に興味がなくページを闇雲に埋めてるだけに感じた。

  • 漢字文化をもって思考の内容についてを論じる事については、少し危険なもののように思う。英語やロシア語を同じ論理で否定できないし、日本語のほうが思考に深みがうまれるというのも、ある種の個性に関わってくるような気がする。

  • [ 内容 ]
    韓国が失ったもの、失ってはいけないもの。

    [ 目次 ]
    1 漢字廃止・ハングル専用政策の災禍(漢字を廃止した韓国人が失ったもの;韓国漢字復活の難関;韓国語に漢字訓読みの導入を)
    2 韓国の言い回し―生活感覚・社会感覚の日常性(ユニークな表現の数々;擬音;内臓ことば;身体ことば)
    3 韓国のことわざ―価値観と人生観の伝統(男女にまつわることわざ;動物が登場することわざ;その他のことわざ)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 日本語に於いて、漢語に対する大和言葉、及び訓読みの存在意義を痛感した。

  •  三章構成になっています。タイトルに関係あるのは、第一章だけです。二、三章は、日本語と韓国語の言い回しの違いや、韓国語独特のことわざについて述べられています。
     参考になるのは、一章のみで、韓国語にまったく関心のない私には知ったこっちゃない、って感じでした。

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著者プロフィール

韓国・済州島生まれ。1983年に来日、大東文化大学(英語学専攻)の留学生となる。その後、東京外国語大学大学院修士課程修了(北米地域研究)を経て、現在は拓殖大学国際学部教授、東京国際大学国際関係学部教授。評論家としても活躍中。1998年に日本国籍取得済み。
主な著書に、『攘夷の韓国・開国の日本』(文藝春秋、第5回山本七平賞受賞)、『スカートの風』(三交社・角川文庫)、『韓国を蝕む儒教の怨念』(小学館新書)、『韓国「反日民族主義」の奈落』(文春新書)、『日本にしかない「商いの心」の謎を解く』 (PHP新書)、『反目する日本人と韓国人』(ビジネス社)など多数。2021年から「呉善花チャンネル」を開設、「相反する日韓学」を配信中。

「2023年 『日本のどこが好きですか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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