ネットいじめ (PHP新書)

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  • PHP研究所
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レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569701141

感想・レビュー・書評

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  • ○批評家、ブロガーで社会問題に詳しい、荻上チキ氏の著作。
    ○中高生の間で、ネットを利用したいじめが問題とされているとの報道が多いが、本当にネットが原因なのか。それらの点を悪名高い「裏掲示板」とはなにか、昔と何が違っているのかについて、取材の上考察したもの。
    ○結局、ネットが悪者の様に言われているが、実際の「いじめ」の内容は、むかしから変わっていないのが実際のよう(無視とか物を隠すとか・・・)。単純にネットを規制すれば良いというものではないということが、改めて分かった。
    ○そもそも、大人だって、掲示板でのヒドイ罵詈雑言を書き込む人がたくさんいるんだから、これは子どもの問題だけではなさそう。
    ○ネットリテラシーが何よりも大事だ。

  •  インターネットが各家庭に普及を始めて、10年以上が経過をしました。それでなくとも、「iモード」がサービスを開始したのが1999年2月ですから、やっぱり既に10年以上、僕たちはウェブとともにあるわけです。広末涼子さんがドコモのCMをしていたころが懐かしい☆

     インターネットというメディアに対し、拒絶反応を示す時期はもう過ぎたのだと思います。しかし、その一方で旧体制を形成する人たちには相変わらず、「新たなメディア」であるインターネットを否定しようとする動きも見られるようで。本書の中でも下田博次さんや尾木直樹さんのそういった考えが批判の対象とされていますが、やはり時代はインターネットとともに、どう生きるかを考えるところに来ているようです。
     この本に書かれていることは、思春期のころからインターネットが身近にあった僕にとっては当たり前としか思えないことも多くあった。しかし、考えてみると、その「当たり前」とテレビを初めとする既存のメディアで語られるインターネット像には、大きからずとも乖離があったように思う。僕も、何の気なしにそれを受け入れていた。自分は中毒とも言えるほど、インターネットにどっぷりなのに、テレビを見ながら「うわー、インターネットって怖いなあ」と思ってしまう。でもそれって、ある意味では「ファンタジー」なインターネットを怖がっていたに過ぎなかったのだと気付かされましたな、この本によって。

     インターネットに関する様々な言説が見られる本書は間違いなく「良書」と呼ばれる類のものであり、その一つ一つの言説を取り上げることはここではしないが、そのどれもがナルホドと思わせるものだった! もちろん、本書にだって異論が向けられることはあるのでしょうが、「賛」も「否」もある状態でインターネットについて議論するのって大切なことだ。


    【目次】
    はじめに
    第1章 つくられた「学校裏サイト」不安
    第2章 学校勝手サイトの真実
    第3章 見えるようになった陰口―「ネットいじめ」はなぜ起きるのか?
    第4章 ネットいじめの時代と終わりなきキャラ戦争
    第5章 ウェブ・コミュニケーションの未来
    おわりに

  • [ 内容 ]
    インターネットはいじめの温床、匿名ゆえに陰湿な誹謗中傷の嵐。
    「子どもたちを守れ!」を合言葉に、ネットやケータイの使用規制が叫ばれる。
    はたしてこれで、いじめは減るのか?
    「学校裏サイト」を利用する子どもたちの生の声を分析すると、ネット空間は現実の人間関係の延長にあり、要は使う人間の質と環境が問題だとわかる。
    そしてそこには、空気を読まなければ叩かれる現代の若者事情が見え隠れする。
    学校でも、職場でも簡単に見えるようになった“陰口”。
    この息苦しさの正体が明らかになる。

    [ 目次 ]
    第1章 つくられた「学校裏サイト」不安(「みんなのもの」になったネットとケータイ 「みんな」のなかに入った子どもたち ほか)
    第2章 学校勝手サイトの真実(「学校裏サイト」ではなく「学校勝手サイト」 牧歌的な書き込みが占める日常風景 ほか)
    第3章 見えるようになった陰口―「ネットいじめ」はなぜ起きるのか?(「ネットいじめ」はネットのせいなのか ネットによって可視化される陰口 ほか)
    第4章 ネットいじめ時代と終わりなきキャラ戦争(学校文化とウェブ社会の遭遇 ケータイは自分を着飾るためのファッション ほか)
    第5章 ウェブ・コミュニケーションの未来(「ウェブ社会」のほんとうの意味 物理的なゾーニングとは何か ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • ツールと世代に関係なく、いじめの芽は昔から偏在している。
    必死で「キャラ」を着せ替えながら世渡りをしていくしんどさはピンとこないが、
    「自分」を持ってる方が珍しいのかしらね。
    以前読んだ『キャラ化するニッポン』という能天気な本よりも
    ずっと深刻な処世術。
    http://takoashiattack.blog8.fc2.com/blog-entry-1427.html

  • 「学校裏サイト」に関する報道には,やや疑問を感じていた。さらに,携帯禁止の議論にも,本質を見失う危険を感じていた。本書は,それらに対して,順序立てた説明を加えてくれる。
    著者自身がネットを活用する人であり,ネット擁護にかたよっているのではないかという見方もある。しかし,冷静に世の中の議論を聞けば,その疑いも消えるだろう。
    ネットによるいじめは,ネットを規制すれば減るだろう。でも,それでいじめがなくなるのか。携帯サイトは出会い系という発想はあまりに幼稚だ。知らないものはこわいものという,無知をさらけ出した議論はもういらない。新しいメディアが生まれるたびに繰り返されてきた危険論。その歴史を振り返ってみることも大切だろう。
    また,いまのマスコミは,新しいメディアである「ネット」の台頭を脅威に感じているはず。そのようなマスコミの言説にこそ,偏見があると疑うことも必要だろう。
    ただ,いまのネットの問題を無視しているわけではない。問題点を冷静に見つめて,きちんとした解決をはかることこそ,いま求められていることなのだろう。特に,いじめの問題をネットの問題にすり替えた議論は,本質的な問題の解決を遠ざけてしまう危険がある。

著者プロフィール

特定非営利活動法人「ストップいじめ!ナビ」代表理事

「2018年 『ソーシャル・マジョリティ研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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