利休にたずねよ

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569702766

作品紹介・あらすじ

おのれの美学だけで天下人・秀吉と対峙した男・千利休の鮮烈なる恋、そして死。

感想・レビュー・書評

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  • おもろい

  • 昔、一時裏千家の盆略手前をならいました。茶杓の持ち方、ふくさの捌きかたを思い出して読みました。秀吉は、頭が良く、尋常でない、嫌みなどにゾッとしました。

  • 利休と茶道を取り巻く作中での空気感がなんともいえない。これが侘び寂びか、と納得しました。実際に利休の茶室を見たことが無いので、インターネットで茶室や茶器を見ながら読み進めると一層静寂な侘び寂びのイメージが膨らみます。
    実のところ直木賞受賞作としてリアルタイムに購入してから今までずっと積んでて読んでませんでした。利休や戦国時代が好みではないことがその理由だったのですが、今期の大河ドラマがその時代で結構面白かったのと、本作が海老蔵が主演で映画化されたこともあって、ついに読み始めました。大河ドラマ軍師勘兵衛を見て多少の予備知識を得たのが良かったみたいで、淡々と物語に引き込まれました。ぐいぐい来るわけではなく、淡々と。
    そして何よりも利休の人間性が海老蔵っぽく・・・作者が海老蔵を強く推した理由は読んで得心がいきました。美への執着が異常。今でいうカリスマデザイナーみたいなものでしょうか。茶道ってもっと格式高いイメージがあったのですが本作を読んで印象が変わりました。良い意味で。大茶会とかお祭りみたいだし。ようはお茶のエキスポですよね。
    ただ女子としては利休の女性への扱いはムカつきます。緑釉の香合を大事に大事にしてるところとかはかなり女々しい。それを欲しがる秀吉も、それにまつわる女の話を無理に引き出そうとするところも下品な殿様だな、と思わずにいられません。
    でも最後のシーンが良かった。利休の奥さんの心情がリアルに伝わる名シーンでした。ぜひ映画も見たい。
    山本兼一さんの本はずっと気になってたのですが、著作を調べたら最近亡くなられたのですね。とても残念ですがぜひ他の作品を読んでみようと思います。

  • もっと歴史を勉強しておくんだった((-ω-。)(。-ω-))

    茶道は実に奥深い!ぐらいで許してくださいm(__)m

    お茶をたてて飲みたくなったんでやっぱり茶筅買いに行こっと♪

  •  久しぶりに素晴らしい時代小説を堪能することができた。この小説は、ミステリーの謎解きを縦糸に、利休が茶聖としてまた美の具現者として現代まで影響を与え続けるようになった出来事を、時代ごとに織り込んでいる。小説の出来としては、最高のものではないだろうか。
     利休は、俳句を完成させた芭蕉と共に、日本人の心を今も強く揺さぶり続けている英傑だと思います。

  • 千利休ってすごいなぁ。
    気にくわないだけで簡単に命を落とされる戦国の時代に、ひたすら『美』を追求し続けて生きる。
    目に見えぬ『美』も含めて・・・

  • 物語の構成の妙もさることながら、描かれる秀吉像が意外と真に迫っているようで惹き込まれる。いかにも人間臭いこの利休に、何をたずねるべきか。

  •  映画化されたので、原作を読んでみた。
     利休切腹から始まり、時系列とは逆に進行。前半は利休の大切にしている「緑釉の香合」を巡る、秀吉など歴史上の人物や茶人達の心の動き。後半は「緑釉の香合」の謎解きと高麗の女との恋。

     しかし、利休は昔の恋を糧に絶対的な「美」を成したけれど、陰で泣いてる女性がいる…というのがテーマだったんでしょうか。ちょっと後を引く感じ。
     他の茶人や、茶道の道具あるいは道具組、茶室のしつらえの話なども興味深く読みました。

     最後後味は悪かったけれど、フィクションとして、大変面白かったです。茶道に「むくげ」の花が使われるのに、こういう意味があっても面白いのかもしれません。

  • 千利休にも茶の湯にも 今まで興味も関心もなかったが、
    利休切腹の日から 時を遡っていくという構成の妙もあって、なかなか面白かったです。
    茶道の知識が無くても 茶室での振る舞いが目に見えるようで、「たかが茶を飲むだけ」に ここまで心を砕く、ふむ、これが「おもてなし」なのだなあ・・と しみじみ感じいった次第。でも、知識があったらもっと楽しめただろうな。

    侘びのなかに生命の艶やかさを秘めた、研ぎ澄まされた美意識を持った茶人として描かれた利休。なかなか魅力的であります。

    しかし、若き日の恋(しかも相手は既に亡くなっている)を いつまでも心に秘めてるっていうのは、男にとってはロマンかもしれないが、妻にとってはこれほど苦しいことは無いですよ。あの香合を割った 宗恩の気持ち、痛いほどよくわかります。

  • 異国の女性への冷たい焔の様な恋心も
    茶道に対しての美の追求も決して
    揺らがない絶対が利休の中に見える
    それは、もしかしたらとても脆いもの
    かもしれない。
    秘して守り通す事で利休の目指した
    完璧であろうとしたのか…。
    答えは誰も知らない。
    あとひとつ、強く思ったのは、利休の
    妻は気の遠く成る程えらいと言う事。
    神経が何千本あっても足りそうにないもの(笑)

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著者プロフィール

歴史・時代小説作家。1956年京都生まれ。同志社大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターとなる。88年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞、2001年『火天の城』で松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞。

「2022年 『夫婦商売 時代小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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