かぐや姫の結婚

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  • PHP研究所
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569702889

作品紹介・あらすじ

平安朝をうつす日記『小右記』を綴った藤原実資。かの藤原道長のライバルと言われた実資には、"千歳まで生きてほしい"との願いをこめて、千古と名づけた娘がいた。王朝貴族として幾多の縁談に翻弄される姫君、藤原千古の運命とは…。

感想・レビュー・書評

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  • 同氏の著作『殴り合う貴族たち』に続いて2作目の本です。

    今回は道長のライバルで「小右記」の作者である藤原実資の娘、千古の生涯を辿る内容となっています。

    「かぐや姫」と呼ばれていたそうです。

    どの辺りでかぐや姫と呼ばれたのかという好奇心からひたすらに読み続けましたが、最後までよく分かりませんでした。

    当時の最上流貴族のお姫様の暮らしぶりが描かれていて、好奇心はそれなりには満足させられたのですが。

    王朝貴族に対する先入観を覆すという著者の試みは充分達成されたと思われますが、もう少々知的に描かれているとなお良かったです。

    やはり女性は、貴公子達に夢を観たいものなのです。

  • 平安時代にかぐや姫と呼ばれた貴族の娘がいたという。
    こまかい記録の残っているお姫様のことを書いた珍しい本。
    父の藤原実資は、小野宮右大臣という号があり、紫式部と交流もあった人物。
    「小右記」という詳細な日記をつけていた。
    一部欠けているそうなのが惜しいが、遅くできた末娘・千古を溺愛したという。

  • 藤原道長のライバルであった藤原実資の娘、千古(ちふる)。家柄もよく、申し分ない結婚をしてしかるべき姫であったが、そう簡単にことは運ばなかった。実資の日記『小右記』から平安時代の姫君たちの真の姿に迫る。現代の話なら、スキャンダラスで生臭くなりそうなところ、王朝の話となると何だか学術的な感じになってしまうのはちょっと不思議。まあ、あまりわかりやすくちゃおもしろみがないよ、というところだろうか?

  • かぐや姫とタイトルにあるので物語かと思ったら、実在の人物の話でした。平安時代随一の知識人と呼ばれた藤原実資の残した日記をもとに、彼の娘藤原千古の結婚にまつわる出来事をまとめてあります。また、千古だけでなく当時の貴族の姫君たちの結婚事情についても知る事ができます。興味深くて一気に読んでしまいました。権力と資産を持った父に溺愛され、ちょっとわがままに、快活に成長していく千古が見えるようでした。

  • 『小右記』でしられる実資の末娘はかぐや姫と呼ばれていたそう。当時の貴族の娘の結婚事情がよくわかり興味深かった。

  • 治安三年(1023)の六月、世に「かぐや姫」と呼ばれる姫君が13歳のころ、初めての縁談が持ち上がるが・・・


    ここに語られているのはおとぎ話の『かぐや姫』ではなく、王朝時代にそう呼ばれていた『藤原千古』という姫君。王朝時代研究の第一級の資料として利用されている「小右記」を綴った『藤原実資』の娘である。
    小難しい話は置いておいて、昔も今も、年老いてできた子を溺愛することや、女性が行き遅れると大変だと言うのは変わらないらしい。特にこの時代、高貴な生まれであっても、後ろ盾がなくては女房勤めに身を落とすようになったりと、気の毒な立場になったりする。
    かぐや姫の婚活も中々上手くいかなかったらしい。せっかくの良縁には逃げられるは、横やりは入るは・・・で、行き遅れに差し掛かるころにそこそこの相手と結婚はしたものの、二七、八の若さで亡くなってしまったらしい。なんだか悲哀を感じさせられた。

  • かぐや姫は架空の人物ではなかった!!『小右記』で有名な藤原実資の娘は王朝時代、"かぐや姫"と呼ばれていたそうだ。その中で愛娘の縁談について綴られている。平安時代の女性の成長が分かる貴重な資料であるとともに、いつの時代も変わらない、娘の幸せを求めてやまない父親の記録でもあるのだ。

  • 副題は「日記が語る平安姫君の縁談事情」。
    平安時代の大貴族、藤原実資の日記『小右記』から、彼の末娘・千古(ちふる・愛称「かぐや姫」)の結婚をめぐるあれこれを読み解きながら、平安時代の「姫君たち」の結婚事情を探ります。

    謹厳な政治家であり、道長らの実力者からも一目おかれていた実資ですが、晩年に儲けた末娘には目じりが下がりっぱなし(笑)肝心の「娘の結婚」に関しては2度の破談の末、なんとか「そこそこ」の相手と結ばれることに。娘の縁談に一喜一憂する実資パパの姿が目に浮かぶようでなんともほほえましいです。それでも、貴族の娘とはいえ、頼りになる保護者を失えば結婚どころか零落を余儀なくされることもあった時代。まだしも千古の結婚は幸せであったといえるでしょう。

    藤原千古という、歴史の表舞台には決して現れない一女性の生涯を、現代の私たちが垣間見ることが出来るのは、父親の遺した『小右記』があったればこそ。千年の昔も、わが子への愛情には変わりがないのですね。

  • 本当は面白い本のはずなのです。史料も少なく注目も今まで余りされていなかった平安の姫君の人生や、それにまつわる危うさなどを紹介してくれていて。読者が感じているよりもずっと、「かぐや姫」を作者が好きになりすぎてしまっている。読後に感じる違和感は、それだと思います。自分には全く関係ない人ののろけを聞かされているような。かぐや姫に対して魅力を感じられないので、「他にも良い人はいるでしょうに」と言いたくなってしまうのです。

  • タイトルだけであの物語のかぐや姫かと思ってたら、こちらは実在のお姫さまだったのですね!
    娘への父親の溺愛ぶりがなんともね。

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著者プロフィール

1997年東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。2003年神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科博士後期課程修了、博士(歴史民俗資料学)。神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、同大学外国語学部非常勤講師。著書に『陰陽師』(中央公論社)、『平安貴族と陰陽師』『呪いの都 平安京』(以上、吉川弘文館)、『殴り合う貴族たち』『王朝貴族の悪だくみ』(以上、柏書房)、『天皇たちの孤独』(角川書店)などがある。

「2008年 『王朝貴族のおまじない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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