封建制の文明史観 (PHP新書)

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  • PHP研究所
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569704708

作品紹介・あらすじ

封建制は民主制の反対概念として、悪しきものの形容詞にされてきた。しかし、歴史学的に検証すれば、正しい評価といえるのだろうか?十三世紀、蒙古軍の侵略をはね返した日本、西欧、エジプトでは、いずれも封建制が確立していた。また、近代化、産業資本主義も、封建制が根づいた地域から発展している。私たちは、封建制なる事象をどう考えてゆけばよいのか。福沢諭吉、梅棹忠夫、網野善彦、ウィットフォーゲルなど諸先学の学説を丹念に追いながら、歴史遺産としての封建制に光をあてた真摯な論考。

感想・レビュー・書評

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  • 「封建制」の内実研究史として有益かつ面白い本と思う一方、何とも微妙な読後感。前者に関し、①引用付きで学説を上手く拾い上げて簡明に研究史を解説、②大隈重信や島崎藤村の認識を利用し、史学研究者目線からだけの封建制解説としない点、③ウイットホーゲル、上原専禄、牧健二等一般に知られていないが、示唆に富む研究者を上手く紹介。後者に関し、本論と関係のない蒙古侵略実相を解説(ただし、これ自体は面白い。ドイツは氷結解け大河と城壁・籠城戦術が奏功。日本は神風ではなく、技術面で蒙古兵総数の上陸困難+防塁施設、水際戦が奏功)。
    2008年刊行。著者は都留文科大学学長。

  • 『封建制』。学校の授業では教わったが、実は解釈が様々あり学会では定義されていない言葉。前半では本書の定義を提示し活力ある時代であったことを示し、後半では、この言葉をめぐる政治学史が示されている。何気なく教わった言葉でも、持てる歴史と意味は深い。

  • 09/01/23 前半は興味深く読むことができたが、後半は封建制論の論争史的になり興味が殺がれた。
         しかし、今谷さんの本は知的刺激に溢れてる。

  • イマイチ。ただの学説の抜粋と羅列じゃん!
    ただウィットフォーゲルに興味を持てました。

    しかし、この本読むなら「文明の生態史観」を読むほうがよほどいいです。

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著者プロフィール

今谷 明(いまたに・あきら)
1942年京都生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得。文学博士。日本中世史専攻。横浜市立大学教授、国際日本文化研究センター教授を経て都留文科大学学長、現在、国際日本文化研究センター名誉教授。主著『室町の王権』(中公新書)、『武家と天皇』(岩波新書)、『象徴天皇の源流』(新人物往来社)、『近江から日本史を読み直す』(講談社現代新書)、『戦国期の室町幕府』(講談社学術文庫)、『日本中世の謎に挑む』(NTT出版)、『象徴天皇の発見』(文春新書)ほか多数。

「2019年 『文庫 中世奇人列伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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