日本の曖昧(あいまい)力 融合する文化が世界を動かす (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569708294

作品紹介・あらすじ

日本人は「物事をはっきり言わない」「自主性がない」などと非難されることが多い。だが韓国出身の比較文化学者である著者はいう。むしろ曖昧だからこそ、日本は世界有数の安全で豊かな国になれたのだ。これからは世界全体に、調和がとれた人間関係、環境への順応性を生み出す「曖昧力」が求められる時代になるだろう。▼では、日本人の曖昧さはなぜ生まれたのか? 微妙な歪(ゆが)みを愛する美意識の源泉とは? 本書では日本文化、日本人の精神性の本質に迫り、以下のようなテーマをとりあげる。▼◎日本人はなぜ旅に出るのか ◎「美の大国」日本はいかにして生まれたか ◎なぜ日本人は穏やかなのか ◎なぜ日本庭園にいると想像が膨らむのか ◎なぜ日本には武士が生まれたのか ◎天皇はいかにして日本社会に平等をもたらしたのかetc.▼拓殖大学で超人気の多国籍講義を紙上再現! 日本の強さと美しさの謎を明かす知的興奮の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 日本人のふわっとしてるような感覚。その背景は、自然に囲まれ、そして歴史からくる流れということを学んだ。

  • 社会

  • 2017年2月12日紹介されました!

  • この作者のニュースを見たときにびっくりした。
    著書が一冊、手元にあったからだ。
    ただしこのレビューでは日韓関係にはあんまり触れずに…書く。

    この本では呉さんが拓殖大学で行った講義を元にまとめられている。
    「はじめに」に書かれている、この講義を受けた学生のことばはまんまわたしの思ったことだった。「高校では日本の悪いところばかり教わってきた」わたしにも覚えがあるなあ。不況のなか育ち、日本は世界に嫌われていると聞き、卑屈だった。最近はそれを覆すような本を見かけることが多い。いいことだと思う。私は日本史が好きなので、日本悪しと教わってもどこか「日本だってすてきな国だ」となんとなく思えていたからいいものの、日本のいいところを見つけられずに育ったひとたちには、この本はいい教科書だと思う。

    タイトルがイイ。
    おそらく「悩む力」とか、「~力」というタイトルの新書が多かったのかな。
    でもいい。
    「曖昧」というのはよく日本人が言われる「嫌な」形容詞だろう。
    この本ではそれがむしろいいという。なんだかうれしい。
    他にも、いろいろ日本人からはそうなの?ということが書かれていてなかなか面白い。
    講義をまとめたものだかか、ですます調なのだけど、そこに慣れると面白さが見えてくる。
    個人的に面白かったのは「外国人の2,3年問題」かな。1年目は「日本いいね」、「2,3年になるとちょっと嫌になる」著者は言う。ここで諦めず5年いてみると、日本が大好きになっていると。なるほど。

    忘れているところもあるから、これから再読しよっと。
    このレビューは未完成です。
    再読後、たぶん付け足すことが増えるんじゃないかな…。

  • 君を恋する、君に恋する

  • 日本留学より30年、よくぞここまで、という感動すら覚える。日本文化論入門書として日本人がきちんと読み、そして考えるべき書。こういう人は10年に一人の存在であるから、珍重し、尊重すべき。日本人は本著を読んで「誇り」など持つ必要はない、自らの持するものの歴史に一端は驚き、そして静かに感動してほしい。

  • 日本文化を研究している韓国人研究者が、日本文化を肯定的に紹介する。
    拓殖大学で行われている授業の講義録的な本。

    日本の伝統文化…というか、日本人の考え方や宗教観がいかに日々の生活や造形に表れているのかということを解説した本。
    日本人であり、日本文化が結構好きな自分でも知らないことが多く書かれており、日本人以上に日本文化を良く知っているなぁと思った。
    やっぱり研究者はすごい。
    さらに、内容も包括的で確かに日本文化に自信を持てるような内容になっており、日本人の曖昧さが世界的に必要とされているという主張は、ある程度理解できるし、支持できる。

    ただ…本書があまりにも日本文化を肯定しすぎていて、なんとなく危うさを感じる。
    著者が日本文化を肯定的に受け取るのはわかる。なぜなら、この本は日本文化を肯定的に受けとめようという趣旨のもとに書かれた本なのだから、日本文化のネガティブな面を主張する必要はない。

    しかし、同時に本書に書かれている学生の反応がなんだか…危うさをはらんでいる気がする。
    授業を受け終わって両親に感謝した?
    日本人に生まれてきたことを誇りに思う?
    そういう素直すぎるところが日本人の、日本文化の危うさであることに学生は気がつかないのか?

    もちろん、日本文化に対して失っていた自信を取り戻すのはいいことである。
    けれど、私たちは日本人だからこそ、日本文化の”曖昧さ”ゆえに起きたネガティブな影響をもしらなければならない。
    はっきりと主張すべき場で主張できなくて困ったことはないのか。
    曖昧さゆえに流されて後から後悔したことはないのか。

    大学教授の授業を肯定的に受け止めすぎるのもいかがなものかと思う。
    もしかしたら、本当の授業はここまですんなりと進んでおらず、いったりきたりしているのかもしれない。
    しかし、その授業風景ををきれいに整えて日本人と留学生という二項に対立させわかりやすく提示してしまう点に、著者の韓国人としての気質を垣間見た気がする。

  • 普段生きているだけでは教えて貰えないことが書かれてある。日本人の言う所の日本観は少なからず反日思想が含んでおり、結果として「日本人はおかしい」「海外を見習わなければ」と考えさせられるが、この本では特に著者の出身国である韓国から見た日本という視点で書かれており、著者が親日であるからこそばゆくも感じるが内容は非常に興味深い。

  • まず著者の方が、年月を経て日本に対してとても良い印象を持つようになったことが始めにあり、日本人が気付かない外国人ならではの見方で書かれている。
    「曖昧さ」「受け身」は良くないことだと、なぜか根拠はないけれどそういう認識がある私たち。
    でもその根にあったものは、非難されるようなものではなかった。
    日本の原動力がそこにあるのなら、私は日本人だけのその長所を大切にしていきたい。

  • 人倫の道 儒教の興隆でもなく老荘思想 道教思想.....人間の意思を超越した自然意思を中心にした考え方

    ソフトアニミズムが日本

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著者プロフィール

韓国・済州島生まれ。1983年に来日、大東文化大学(英語学専攻)の留学生となる。その後、東京外国語大学大学院修士課程修了(北米地域研究)を経て、現在は拓殖大学国際学部教授、東京国際大学国際関係学部教授。評論家としても活躍中。1998年に日本国籍取得済み。
主な著書に、『攘夷の韓国・開国の日本』(文藝春秋、第5回山本七平賞受賞)、『スカートの風』(三交社・角川文庫)、『韓国を蝕む儒教の怨念』(小学館新書)、『韓国「反日民族主義」の奈落』(文春新書)、『日本にしかない「商いの心」の謎を解く』 (PHP新書)、『反目する日本人と韓国人』(ビジネス社)など多数。2021年から「呉善花チャンネル」を開設、「相反する日韓学」を配信中。

「2023年 『日本のどこが好きですか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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