[証言録]海軍反省会

著者 :
制作 : 戸高 一成 
  • PHP研究所
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本棚登録 : 81
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569709703

作品紹介・あらすじ

秘蔵されていた日本海軍中堅幹部の肉声。

感想・レビュー・書評

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  • テープ起こしなので、話の脈絡などグダグダなのだが、場の雰囲気が分かると言う意味では面白い。だが、構成がまとまっていないだけに索引は欲しかった。

    人事の話が一番盛り上がったりサラリーマン的だなぁという感想。

  •  先の戦争については、「なぜあんな無謀な戦争に突入したのか」との疑問をつねづね持っていたが、本書を読んで、専門家である「海軍士官」たちが当時どのように考え、どういう問題意識を持っていたのかがよくわかる思いがした。
     本書の内容は、さすが大官庁「日本海軍」であるだけに、内容は多岐にわたっている。
     しかし、「反省会」と名付けられた会議での詳細な論議を読むと、海軍の多くのシステムが多くの問題点を内包しつつ、情勢に押し流された様子は伺えるものの、戦後出席者たちが「失敗の原因」を真剣に追求し、認識を共有していたようには思えない。
     彼ら「海軍」の専門家において、「戦争へと向かった道」や「海軍のありかた」についての深刻な反省は、この会議までほとんどなされていなかったのだろうか。
     少なくとも本書の内容は、「多くの意見」が出ているといえば聞こえはいいが、「敗北へ至った道」への考察を全員が共有しているようには思えなかった。
     本書は、旧海軍士官による迫真の「反省会」であると思うし、よくこの資料が残っていたとも感嘆するが、同時に「戦前・戦中」の日本をどう捉えたらよいのかという「時代の認識」が当事者「海軍士官」でさえ、戦後の長い期間を過ぎても成熟していなかったということではないかと思えた。
     専門家ですらこうなのだから、現在の日本において「先の戦争とその時代」への「歴史認識」が成熟していないと言われるのも無理もない。
     それでも、「陸軍と右翼による内乱を避けるために海軍は開戦に応じた」とか「軍令承行令」という日本海軍のシステムの問題点とかの多くの知見は実に興味深い。
     本書は、現在第4巻まで発行されているが、次巻以降を読むのが楽しみである。本書を、歴史を知ることができる本であると高く評価したい。

  • 海軍の『大東亜戦争』後の話。反省会とされてますが非常に白熱してます。
    戦後の日本の立て直し、海軍のこれから、開戦の是非、何故負けたのか、教育とはどうするべきか、人選はどうだったのか 等々。
    10回分を載せてあります。

    後半の頁でかなり『関連資料』が載せられています。
    コレには脱帽。

    反省会当時85歳にしてこの記憶やスゴイと思わせてくれます。

    この本自体が 資料 となる。

    私は背景がシッカリしてないのでわからない単語を調べながら読み進めるという時間のかかりよう。
    それでも勉強できます。

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著者プロフィール

呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)館長。日本海軍史研究家。1948年、宮崎県生まれ。多摩美術大学美術学部卒業。1992年、(財)史料調査会の司書として、海軍反省会にも関わり、特に海軍の将校・下士官兵の証言を数多く聞いてきた。92年に理事就任。99年、厚生省(現厚生労働省)所管「昭和館」図書情報部長就任。2005年より現職。19年、『[証言録]海軍反省会』(PHP研究所)全11巻の業績により第67回菊池寛賞を受賞。著書に『戦艦大和復元プロジェクト』(角川新書)、『帝国軍人』(大木毅氏との共著)などがある。

「2022年 『海軍戦争検討会議記録 太平洋戦争開戦の経緯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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