日本人が知らない世界と日本の見方 本当の国際政治学とは (PHP文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569761671

作品紹介・あらすじ

「戦争」「革命」「世界秩序」とは何か?――国際政治のリアリズムから日本の国家像と戦略を説いた、人気の“京大講義録”を書籍化!

感想・レビュー・書評

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  • 意外だったのは、
    戦争を憎み、軍縮を正義とする日本の反戦教育は、幼稚な精神論で危険だという批判と、
    一国の超大国、二番手グループ、その他大勢の第三グループの3層構造になったとき、世界に安定が訪れる、という点。

    反戦教育がどういう背景で生まれたものなのか、今の時代に照らして、どういう議論が足りてないのかを考えないといけない。

    第一次世界大戦は国家が国民を騙す戦争だった。
    そこから、アナーキズムや社会主義、共産主義が出てくるわけだが、それも20世紀末に頓挫し、国際政治の秩序は崩壊し、次なる秩序が生み出される時代だが、その答えは明示されていない。

    グローバリズムとナショナリズムは繰り返す。
    グローバル化が終わりを見せたとき、どの国に属しているかが大事。環境、金融などの危機に財力を持って対処できるのが国家の強み。

    国家や政府の批判ばかりではなく、国家とその要素である私たちに何ができるのか考えさせられる本。

  • もう少しいい題名を付けられなかったか? と思う。
    題名から想像する中身よりも相当濃い内容。2008年に行われた京大での国際政治学の講義を本にしたものらしいが、国際政治学がどうあるべきかを語る本でもないし、他国の考え方を紹介するだけのものでもない。歴史的にパックス・ブリタニカ、パックス・アメリカーナの時代が既に200年くらい続いている現在、各国、特に国連安全保障理事会常任理事国がどういう関係性を持ってどのように考え、何を目指そうとしているか、について文明、地域国家連合、国という単位で説明している。その単位の重要性がこれまでどう変わってきて、今後どうなっていくのか、についても触れ、日本は何でもアメリカに追従するのではなく、そういうことを独自に考えていかなければいけない、としている。長期的視点を失わずに物事を見て、何を目指していくか考える。そして実践・努力する。
    自分も一人の日本人として、ノンポリではいられない。本を読んで考え、自分なりの意見を持っておきたいと思う。

    この人の別の本も読んでみたいし、中で引用されていたサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」も読んでみたいと思った。

  • 最後の方で「日本は大国側の国」という記載がある。
    たしかに過去の歴史では大国としての尊厳を持っていたような気がする。
    でも今はなぜ「大国」でないといけないのかすらわからなくなっている。アメリカの指示に従うことに何の不満も感じていない人も多いのでは?
    他国に侵略されても生きていればいいって平気で言うよね?
    そもそも何故2位じゃダメなんですか?
    何故第3グループじゃダメなんですか?
    もうみんなわからないんじゃない?
    本当に悲しいけど。

    でもやっぱり誇れる国であって欲しいよ。

  • サミュエル・ハンチンソン「文明の衝突」

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】
    ・図書館を斬るblog

    【ノート】

  • "近代の国際社会では、どんなことが起こってきたのかを、アングロサクソン的な思想体系から読み解く。
    自分の中で、良い気付きとなったところをメモしておく。

    「現実主義」とは、「自分はあえてそれを選ぶという姿勢」であり、起きてしまった出来事を容認するものではない。

    共産党宣言
    国家と革命
    ソンムの戦い
    西洋の没落
    構造革命
    大東亜戦争肯定論
    文明の衝突
    国家の主権とは?
    パクス・ブリタニカ
    パクス・アメリカーナ
    坂の上の雲
    歴史の終わり"

  • 中西輝政の筆体じゃないなと思ったら講義録だった。普段の中西輝政よりはるかに読みやすい。聴講生に向けてのメッセージが臨場感があり、読みながら気持ちが熱くなってくる。志もって国際社会を学ぶべき。

  • 日本の開国後から、日露戦争までを一括の時代として扱う話は、興味深かった。
    日本の外交は、その場のご機嫌取りで、国益になることを行えない政治家ばかりになっているのは嘆かわしい。

    天皇を戦後残すか残さないかにこれだけ各国の思惑があったのも興味深かった。

  • これから国際関係を学ぶ上で、とても良い本と巡り合えたと思います。
    グローバルとナショナリズムは繰り返され、今あるグローバル化もいずれは国家にもどっていくとゆう考えには思い至らなかったので、すごく勉強になりました。

    これからの世界で起こる様々なことを、この本で書かれていたことを思い出して見てゆきたいと思います。

  • 大局的な見地から国際情勢をつかむのに最適な1冊です.素晴らしい!

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著者プロフィール

1947年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授、京都大学教授を歴任。石橋湛山賞(1990年)、毎日出版文化賞・山本七平賞(1997年)、正論大賞(2002年)、文藝春秋読者賞(1999年、2005年)受賞。専門は国際政治学、国際関係史、文明史。主な著書に『帝国としての中国――覇権の論理と現実』(東洋経済新報社)、『アメリカ外交の魂』(文藝春秋)、『大英帝国衰亡史』(PHP文庫)、『なぜ国家は衰亡するのか』(PHP新書)、『国民の文明史』(扶桑社)。


<第2巻執筆者>
小山俊樹(帝京大学教授)
森田吉彦(大阪観光大学教授)
川島真(東京大学教授)
石 平(評論家)
平野聡(東京大学教授)
木村幹(神戸大学教授)
坂元一哉(大阪大学名誉教授)
佐々木正明(大和大学教授)

「2023年 『シリーズ日本人のための文明学2 外交と歴史から見る中国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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