書店ガール 3 託された一冊 (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所 (2014年5月12日発売)
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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784569761848

作品紹介・あらすじ

「私、亜紀さんみたいになりたい!」きらきらした目で新人バイトの愛奈に告げられ、困惑する亜紀。子育てに疲れ、不慣れな経済書担当として失敗を重ね、自信を失いかけていたからだ。一方、仙台の老舗書店のリニューアルを任された理子は、沢村店長との出会いを通し、被災地の現状を知る。そんな亜紀と理子が、気持ちを一つにした目標とは!?▼書店を舞台としたお仕事エンタテインメント第三弾。▼文庫書き下ろし。

感想・レビュー・書評

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  • 亜紀の従姉妹の舞のような優秀な人が仕事を続けられる社会にしたい。でもどうすればいいのだろう。現場の現実解は難しい。

    東日本橋大震災が残した心の傷は、当事者でない私には計り知れない。10年以上経った今、どのような支援が出来るのかも分からない。ただ、こうして時々本を読んで思いを馳せることしか出来ない。

  • 碧野圭さん著『書店ガール3』の概要と感想になります。

    概要です。
    年齢は一回り違うけれども、お互いを戦友とリスペクトする理子と亜紀。吉祥寺店で働く亜紀は子育てと仕事の両立に悩みを抱え、一方の理子は、かつて日本を揺るがせた彼の地を訪れ、様々な悩みを消化しきれずにいた。そんな葛藤の末に開かれた企画は、どんな展開になるのだろうか?

    感想です。
    3作目ですが『ガール』と言うより『レディ』ですよね?と思うほど、理子と亜紀の成長が早いなと感じました。1作目の勢いは2作目では続いていたものの、本作は大人の女性視点で描かれる場面が多く、『ガール』と呼ぶのは失礼に感じ始めています。はたして4作目はどんな展開が待ち受けているのでしょうかね(^^)

  • 変わらず好きなシリーズ。
    主人公の二人とも、大人になってきた(生意気な表現だけど)ってことなんだろうなぁ。
    もちろん元々大人なんだけど、さらに。
    離れ離れになってしまうのは少し淋しいな。
    まだシリーズ7まであるから、きっとまた一緒に働ける!

  • この小説にはいろんな本が紹介されている。
    私の目に止まったのは
    光秀の定理
    以前に信長の原理を読んで、パレートの法則が
    載っていて心に残った。
    今度書店へ行ったら探してみようと思う。
    この本で印象に残ったところは
    亜紀が本社異動になる時に
    一歩踏みだす勇気
    いくつになっても大事だなぁと思う。

  • 本屋の意義、それぞれの家庭や職場での立場に、震災に合った人達との本を通じての関わり。
    本屋さんの仕事の奥深さと登場人物の抱える悩みに惹き込まれてしまう。
    単純な感想だけれども自分も一緒に働いている職場のような気にもなる、本当に面白い小説。

  • 3巻は『震災』がテーマ。
    震災から何年、、、と毎年特集が組まれますが、実際に被災の真ん中にいた方達はその度どう思っているのだろう?と思っていました。風化させたくない、思い出したくない、いろんな考えがあると思います。読み終わって、被災者も被災しなかった人もみんな前を向いて歩いているんだよなと改めて実感しました。

  • 今回は1,2作目に比べると毛色が違うように感じた。いつものドタバタ感がなく、少しおとなしめな感じかな。
    というのもこの物語のムードメーカー的な存在であるいつも元気いっぱいの亜季が何やら悩んでいるのと東日本大震災がメインのテーマというのもあるからだろう。

    亜季の悩みは子育てと仕事の両立。亜季の気持ちすごい分かる。やっぱり家から近いほうが安心だよね。震災の時、子供を迎えに行ったの最後の方で寂しい思いをさせてしまい罪悪感と悲しい気持ちになったのを憶えている。子供はあっけらかんとしてたけど。
    あと、亜季の良いところはポジティブな考え方と他人を巻きこむパワー! 
    「楽しくなるように自分が動かなきゃダメだ!」分かっててもなかなか出来ないよね。理子も何回も助けられているし。亜季は部署異動になっちゃったけどパワーアップして帰ってくるのが楽しみです。

     本書では、被災地の町の本屋での話で、どこまでがフィクションなのか分からないけど、他県の本屋が「同じ本屋だから何かやりたい」ということで支援や協力してくれた話とか、本屋が「町のカウンセラー」としていろんな人の話の聞き役になっていたとか、心あたたまる話が描かれている。きっと碧野さんが被災地へ自分の足で訪れ見て聞いて来たものだと思う。
     解説に「めざせ! 書店訪問100店舗」という作者のブログがあるのを知って、気になったので覗いて見ました。
    なんと、めざすは200店舗に変わっていて九州から北海道まで149店舗まであったのには驚きです。現地で理子や亜季のような書店員の生の声を聞いて「書店ガール」という傑作が生まれたのだろう。
     また、普段何気なく見ている書店の棚も書店員一人一人の想いや個性があると思うと書店に行く楽しみも増えるし、本書のようなドタバタ劇が裏ではあるのかな?と想像すると面白い。
     次作は、何となく波乱の予感!理子が何か腹に一物抱えてそうな感じがしたからだ。

    「目指せ! 書店訪問100店舗」のブログに自分が良く行く本屋あるかな?と覗いてみたら、ありました!碧野圭さんに会いたかったなぁ。
    あと前作にも出てきた「一伸堂書店」実在した書店のようですね。碧野圭さんの住んでいた近くにあったそうですが閉店してしまって大変衝撃を受けたようです。気になったら碧野圭さんのブログ見てください。

  • 吉祥寺の本屋、新興堂書店の店長として働いていた理子が、この巻では、エリア・マネージャーに昇格し、東日本の店全部を担当することになっていた。
    そして、新たに新興堂書店に統合された、仙台の櫂文堂書店を訪れ、その店の看板スタッフの沢村に会う。仕事はできるが無愛想な沢村は、実は東日本大震災で元妻を亡くし、今でも被災地の図書館にボランティアに行く度に義母を訪ねていた。
    理子は、沢村に被災地を案内され、震災後3年経って震災が忘れられかけていること、被災した人たちは、複雑な思いを抱きつつも前向きに生きようとしてしていることに気づく。
    そして、その春のフェアを"震災フェア"として仕掛けたところ、関東の他の支店も同時開催することとなり、震災関係の本の紹介とともに、沢村の義母たちが手作りしている雑貨を書店で販売し、好評を得る。
    今年が被災から10年ということもあり、震災の記憶が語られるシーンには一層涙を誘われた。

    また、母になった亜紀は、職場に復帰してからも、新しい部署で戸惑いつつ、仕事と育児の狭間で悩み、子供の麻疹をきっかけに、しばらくは書店の現場より新宿本店で事務をする決心をする。

    震災3周年が主題ながら、書店ガールたちは着実に成長していた。

  • ’25年2月25日、読了。シリーズ、3作目。

    今作は、前作と比べると、ちょっと重い話でした。震災から2年が過ぎて、東京では記憶が薄れてきて…という時期の、新たな立場になった2人の奮闘のお話。
    亜紀は仕事と子育ての両立に、そして理子は、新たな相手、沢村と店舗リニューアルに挑戦する…。

    あまりにも真っ直ぐな亜紀の眼差しに、自分の曲がった背中を真っ直ぐにされました。そして、理子…幸せになってもらいたいなぁಥ⁠‿⁠ಥ

    今作も、楽しんで読み終えました。

  • 東日本大震災のことについて詳しく書かれている小説を読むのは初めてでした。

    どんなときも自分たちに一体何が出来るかを考え動き続ける理子や亜紀がとっても眩しく憧れます。

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著者プロフィール

愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年『辞めない理由』で作家デビュー。ドラマ化もされた、累計57万部を超えるベストセラー「書店ガール」シリーズや、同じく累計10万部を超す「菜の花食堂のささやかな事件簿」シリーズ、その他「銀盤のトレース」シリーズ、「凛として弓を引く」シリーズ、『スケートボーイズ』『1939年のアロハシャツ』『書店員と二つの罪』『駒子さんは出世なんてしたくなかった』『跳べ、栄光のクワド』等、多数の著書がある。

「2024年 『レイアウトは期日までに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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