書店ガール 3 託された一冊 (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 246
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569761848

作品紹介・あらすじ

東日本エリア長となった理子が東北の書店で見たものとは。一方亜紀は出産後、慣れない経済書の担当となり……。大ヒットシリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 吉祥寺の本屋、新興堂書店の店長として働いていた理子が、この巻では、エリア・マネージャーに昇格し、東日本の店全部を担当することになっていた。
    そして、新たに新興堂書店に統合された、仙台の櫂文堂書店を訪れ、その店の看板スタッフの沢村に会う。仕事はできるが無愛想な沢村は、実は東日本大震災で元妻を亡くし、今でも被災地の図書館にボランティアに行く度に義母を訪ねていた。
    理子は、沢村に被災地を案内され、震災後3年経って震災が忘れられかけていること、被災した人たちは、複雑な思いを抱きつつも前向きに生きようとしてしていることに気づく。
    そして、その春のフェアを"震災フェア"として仕掛けたところ、関東の他の支店も同時開催することとなり、震災関係の本の紹介とともに、沢村の義母たちが手作りしている雑貨を書店で販売し、好評を得る。
    今年が被災から10年ということもあり、震災の記憶が語られるシーンには一層涙を誘われた。

    また、母になった亜紀は、職場に復帰してからも、新しい部署で戸惑いつつ、仕事と育児の狭間で悩み、子供の麻疹をきっかけに、しばらくは書店の現場より新宿本店で事務をする決心をする。

    震災3周年が主題ながら、書店ガールたちは着実に成長していた。

  • シリーズ第三弾。

    子育てと仕事への意欲の間で悩む亜紀。
    出世して仙台の書店リニューアルを任された理子。

    あいかわらず読みやすくて良かったんですが、
    今回は理子と亜紀の周囲の人達がとても魅力的でした。

    仙台の店長・沢村が強く印象に残りました。
    大切なお客様にハガキを送った熱意もさることながら、
    震災後、一度も泣けなかったという苦しみの深さを思います。
    震災のお話はやはり胸が締め付けられます。
    「仙台の人間はとりあえず前を向いて歩こうとしている。
    いつまでも被災地扱いされたいとは思っていない。」
    という言葉が印象的でした。

    他にも、
    亜紀に憧れてバイトを始めた愛奈。
    偏屈だけど、案外亜紀を気に入っていたおじいさん・広瀬。
    次は愛奈におちょっかいを出すのね(笑)

  • 理子と亜紀の関係がとても素敵。1巻では距離があって意見が合わない者同士だったはずが、いろんな困難を乗り越えて信頼できる関係になっている。
    そういった書店員の成長過程がとても面白いし、今回は震災の事も絡めてとても読み応えがありました。
    「愛のゆくえ」いつか読んでみよう。

  • 好評の「書店ガール」シリーズも3作目。
    このシリーズ、いいですね。
    もうすぐドラマ化されるのも楽しみ☆

    書店員の若手で目立つ存在だった小幡亜紀も今や30歳。
    産休が開けて半年後という。
    新興堂書店・吉祥寺店の朝礼から始まります。
    決まっている挨拶を皆で唱和するのですね。
    ささやかなようでも、大事なことをさりげなく。

    一方、店長の西岡理子は、昇格して、東日本地区を統括するエリア・マネージャーを兼任しています。
    仙台の櫂文堂が吸収合併されたため、店名はそのままだけれど、そちらの指導へも出かけなければならない。
    こちらを敵視しているかもしれない店員たちの中に乗り込む難しさ。
    しかも、カリスマ的なほど有名な副店長・沢村稔もいた。
    最初はよそよそしい沢村だが、実は互いに会う前から認めている存在だったとわかってきます。
    震災の影響が大きかった仙台で、理子が見聞きしたこととは‥

    亜紀は担当が替わって、知識のないジャンルの質問にも答えなければならないが、自信喪失気味。
    働く母親としての悩みもリアルです。
    幼い子供がいて働くのは大変なこと。
    保育園に預けていても、ちょっと熱が出ればすぐ呼び出され、引き取りに行かなくてはならない。
    夫は協力する気が全くないわけではないけれど、仕事が忙しくて結局頼りにはならない。実家が近くて、母親が協力的だから成り立っているとはいうものの‥
    定時には帰り、遅番も固定と、何かと優遇されている亜紀に対して、冷たい視線もあるとは大変ですねー。

    震災後3年がたち、離れているところではやや風化しかかっているかもしれない。
    書店で何が出来るのか?
    理子たちの企画に、亜紀や、後輩のバイト生・愛奈が協力し、書店の一角に特集コーナーを設けることに。

    日常的だけど決して離れられないリアルな悩みにあくせくする日々に、震災という大きな出来事が突きつけられます。
    自分たちのささやかな体験を振り返るのも大事なことだという気がしました。
    おそらく綿密な取材から選び抜いた表現であるのでしょう。
    震災を扱った本が多数上げられているのも、参考になると思います。
    震災は今後日本のどこで起きるかわからない、どこで起きてもおかしくないのだから‥
    小さなことでも何かを心がけていかなければ。

    言葉の力、それをまとめておくことのできる本の力。
    非常時にも人は本を必要としたという。
    本を人に届けようとするさまざまな努力に胸を打たれる心地がしました。
    最後はいつもの仕事場で、晴れ晴れと挨拶するシーンで、よかったです☆

  • 大好きなシリーズ、第三弾。
    震災をテーマにした事に賛否あるようだが、私はそれもひとつの形としてアリだと思う。

    あくまで碧野さんの描く物語のお話なのだけれど、読めば読むほどリアルに感じる。
    シリーズ1作目、2作目は書店で奮闘する模様が印象強かったけれど、今回は人との関わりが大きな支柱になっていた気がする。
    いろんな角度から人と出会い、関わり、言葉を交わし、感情を抱く。
    そして自身の書店員としての在り方を悩み考える。

    震災に遭われた方がこの本を読んだらどう思われるだろうか。
    もしかしたら不快に感じる方もいるかもしれない。
    でも、私はこの一冊を大事にしたいと思う。

    やっぱり好きです、書店ガール。

  • 図書館より。
    ようやく借りてこれた。
    私的にがっつり頷きながら読む本。

    理子さん、ステキ!(笑)
    亜紀ちゃんの気持ち、スゲーわかる!
    今は働いてないけど、ワーキングマザーの立場はまさにそれ。
    決して明るい一面だけではなく、心配や不安な気持ちも描かれていて読んでいて納得。
    東日本大震災後の話を含めて、これがフィクションなのかと思うほど内容の濃い小説。
    お仕事エンタテイメントは伊達じゃないんだね。

  • 東日本大震災と、働く女性(特に子を持つ母親)との、二つの大きなテーマで、展開する第3作。
    大きなテーマではあるが、相変わらずの小気味よいコンビの、理子と亜紀の活躍が、絶好調。
    そして、新しいメンバーも加わり、先行き、ますます楽しみなシリーズ。
    次回作も楽しみ。

  • 今回は東日本大震災のあった東北の本屋さんとの関わりがテーマになっている。
    そこで理子はとても辛い経験をした
    書店店長沢村さんと出会い
    東京でイベントを企画する。
    とても重いテーマだけど
    みんなきちんと向き合って
    真剣に取り組む姿に
    やっぱり彼女たちは素晴らしいと思った。

    他にも亜紀の子育てとお仕事のことや
    元気なバイトちゃんが登場したり
    3巻もいろんなお話がうまく同時進行して
    読み応えがありました。

    書店ガールが7巻まであることを知り
    びっくりするとともに
    「しゃばけ」の次は
    書店ガール読破だな、と
    また楽しみが増えました。
    頑張りまーす♪

  • あきがお客さんからの質問に答えられなくて自分の知識の無さに落ち込むところがすごくリアルで共感した。
    実際は知識や経験よりも素直さや仕事に対する姿勢の方が大事だっていうことも。
    仕事って自分との戦いと人間関係でできていると感じた。
    社会人だから仕事というものがわかった上で読んでいるけど学生時代に読んでいたらまた別の面白さがあっただろうなと思う。

  • 書店ガール第3弾。
    第1弾、第2弾、そして第3弾とどんどん好きになっています。
    シリーズの中ではこの本が一番良かった!
    毎日、いろんな事件が起こって、東日本大震災の記憶が薄れていくのが恐ろしい…
    この本を読むと、やっぱり本屋さんに行きたくなる!

    • hongoh-遊民さん
      今回、9個もの「これいいね」ありがとうございます。
      「この本を読むと、やっぱり本屋さんへ行きたくなる!」同感です。本屋では何気に本棚を眺め...
      今回、9個もの「これいいね」ありがとうございます。
      「この本を読むと、やっぱり本屋さんへ行きたくなる!」同感です。本屋では何気に本棚を眺めていますが、その裏では書店員がどんなに苦労しているか、『書店ガール』を読むとわかりますね。
      2015/08/18
    • azu-azumyさん
      hongho-遊民さん
      こちらこそ、「いいね」とコメントをありがとうございます!
      本当に!『書店ガール』で初めて、書店員さんの大変さがわ...
      hongho-遊民さん
      こちらこそ、「いいね」とコメントをありがとうございます!
      本当に!『書店ガール』で初めて、書店員さんの大変さがわかりました。
      最近は、ちょっと違った意味で書店に行くのが楽しみになっています。
      シリーズ4もぜひ読んでみたいと思います。
      2015/08/27
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著者プロフィール

1959年愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年ワーキングマザーの挫折と再生を描いた『辞めない理由』(PARCO出版)にて作家デビュー。昇進に伴う女性の葛藤を描いた『駒子さんは出世なんてしたくなかった』(キノブックス)、ベストセラーとなりドラマ化された『書店ガール』シリーズ(PHP研究所)など著書多数。

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