なぜ人を殺してはいけないのか (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569762036

作品紹介・あらすじ

殺人、自殺、売買春、国民主権……。人間の根源に迫る難問と向き合った、倫理学の新しい試み。大ベストセラーを大幅加筆して文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • なぜ殺してはいけないのか、だけではなく、不倫はなぜ悪いか、とか天皇に戦争責任はあるのか、など様々な根本的命題に対して非常に理性的に筆者の意見を述べている。倫理学がベースではあるものの議論の進め方が数学的で感情的になっておらず、戦争責任論あたりはギリギリのテーマなのだがまあ楽しんで読めた。

  • まず、質問の意味がそれで本当に的確なのかを掘り下げる。その発想が目からウロコだった。そこから派生して別の疑問が浮き上がり、興味が広がっていく様子が面白かった。子供に訊かれても明確に答えられない、自分に密接な疑問ほど興味深く読めたし[疑問に思う必要性][その疑問に答えられなくとも、人は生きていける]あたりがとても納得できた。

  • わかりやすく字の大きさも適度。読みやすい。問いのたて方については参考になる。
    たびたび意見の根拠が提示されていないために、なぜそのようにいえるのか、その前提は本当に確かなのかと読んでいて腹が立つことが複数回あった。

  • ①何故自分がその問いに捕まってしまったのか、その動機を考える。②簡単な解答は有り得ないと覚悟する。③問いそのものにまずい点はないかどうかを検討し、まずければ、もっとよい問い方を編み出す工夫をする。口角(こうかく)泡(あわ)を飛ば・す 興奮して口からつばきを飛ばす。激しく議論するさまにいう。包括ほうかつ ひれき【披瀝】心の中を包み隠さずに打ち明けること 生きよ、何かをなせと命じている 幼い子どもの自然な生き方 あらゆる恋愛はどんなに霊妙さを装っていても、性本能の特殊化され、個別化された姿にすぎない 次の時代の構成に他ならない 思想家ショーペンハウアー 獣姦やフェティシズム倒錯的な形態 相手を所有し、相手に所有されたと感じること 間男された亭主 大衆の屈性した嫉妬と羨望 売買春 猥談的な笑い 猥褻わいせつ 同胞の再生産 秘匿ひとく 職業に貴賎きせん有り 軽視される現実 山田太一 西オーストラリア 永遠しかないとおもうような、全く何もないところ 立ち戻って思い出す値打ちのある光景 実存的な渇き 情緒が論理を支える 毀損きそん 想像力の欠落した、偽善的な物言い 親鸞 罪と罰 ラスコリーニコフ 人は人を殺すのである 個人感情の高揚 荒ぶる攻撃本能の発露 プリンシプル(principle)1 原理。原則。根本。2 主義。信条。逆臣の粛清 英雄神話被害者側の遺恨感情を放置すれば、報復の繰り返しが無限に続く可能性がある。 無規定の自由はかえって人間を行動不能にする
    プラクティカル(practical)実際に役立つさま。実用的。実践的。「―な訓練」「―な学問」
    けいじじょう形而上1 形をもっていないもの。2 哲学で、時間・空間の形式を制約とする感性を介した経験によっては認識できないもの。超自然的、理念的なもの。⇔形而下。
    それまで生を支えていた物語に対する崩壊感 日常が断ち切られた事に対する驚愕 乖離
    戦後レジーム(せんごレジーム)とは戦後に出来上がった政府の体制や制度。現代の日本では主に、太平洋戦争での日本の降伏後、GHQ下で出来上がった日本国憲法を始めとする法令等を意味する言葉として使われている。
    理性的で人格の高潔な軍人というのはちゃんと存在する ペンディング=保留 殊勝しゅしょう 逡巡しゅんじゅん 問題の輪郭が俄かに鮮明になってきた

  •  人生における根本的な疑問を突き詰めて考えたい人にとって、大いに考えの助けになる。同意できない記述ももちろん一部にはあったが、それに対する反論を考えることを含め、根本問題についての思考の訓練になる。非常に良い本だった。

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著者プロフィール

1947年、横浜市生まれ。
批評家、国士舘大学客員教授。
『日本の七大思想家』(幻冬舎)『13人の誤解された思想家』(PHP研究所)、『時の黙示』(學藝書林)、『大人への条件』(ちくま新書)、『日本語は哲学する言語である』(徳間書店)など著書多数。自身のブログ「ことばの闘い」においても、思想、哲学など幅広く批評活動を展開している。(https://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo)

「2019年 『倫理の起源』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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