インターネット的 (PHP文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569762463

作品紹介・あらすじ

どうやら、十年以上経って話題になっているらしい。
じぶんで言うのもおかしいですが、読んだ方によれば
「いまの時代が予見されている」そうです。
「ぜんぶ、ここに書いてるじゃないか」なんていう
声もいただきました。 ――糸井重里

本書は、発刊から十年を経て、「まるで、予言の書! 」と
再評価の声が高まっている名著に、書き下ろしの
「続・インターネット的」を加筆し、文庫化したものである。
もとは、『ほぼ日刊イトイ新聞』を始めた当時の著者が、
インターネット登場後の世界について考察したものだが、
読む者は、この十年間に起きた変化の本質を、
そしてこれからのことまでをも、十年前のこの本によって
知ることになるだろう。

また本書で綴られる言葉は、パソコンすらいらない、
「消費者」なんていない、自分を他人にするゲーム、寝返り理論、
消費のクリエイティブ、妥協の素晴らしさ……など、普遍的価値を持つ。
糸井重里の予言的、そして普遍的なメッセージが詰まった一冊である。

感想・レビュー・書評

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  • 糸井さんの考え方は本当に面白い。

    予言の書!と言われるように、今の世を表しているような本。2001年に書かれたとは思えない、先を見据えた本でした。

    インターネット的という考えは面白く、そういう発想があるのかと。
    言語化出来ないようなイメージをインターネット的という言葉で表現するところが流石なんだよなぁ…と。

  • さすが糸井重里の文章。ひらがなが多く、優しく、読みやすく、その上、極めて本質的なことが書かれている。言葉のチョイスのセンスが抜群によい。

    糸井重里主宰のWEBサイト「ほぼ日」の偉いところは、視点が「生活者」であるところだ。生活を豊かにするための充実したコンテンツや商品の販売。『暮らしの手帖』の花森安治に通ずる素晴らしい態度です。経済性を優先する前に、真に人々が喜ぶためがコンセプトになっていて、通信技術の最先端を行く割には、背丈が庶民的というか、地に足がついているというか、流されていない感じが、本当に素晴らしい。しかもこの本の発行が2001年という、インターネット黎明期に書かれているのがすごい。まさに予言の書。

    リンク・シェア・フラット・グローバルという考え方。
    20世紀的工業化社会から21世紀的情報化社会へのパラダイムシフト。
    モノやカネからコトやヒトへ。

    インターネット的に生きるということは決して、インターネットを駆使して得意になるということではなく、インターネット的に人々とかかわりあうことを言うのであって、インターネットの最低限必要なアイテムはコンピュータではない、という衝撃的な、おバカでしかし真面目な逆説を、糸井自身が語っている。

    「クリエイティブに消費する」なんて、まさに糸井的表現だし。それが的を射ててすごい!

    インターネットは、楽しくて便利な道具。それにすぎない。それを使う人間のリテラシーが問われています、

  •  
    ── 糸井 重里《インターネット的 2001‥‥ 20141106 PHP研究所》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4569762468
     
    (20230523)
     

  • インターネット的、とは
    インターネットという、フィルターで、
    物事がどう変わるかを書いた本。

    秀逸なタイトル。

    低く価値を見積もられていたモノが発掘されたり、
    多様性や、勢いが重視されたり、
    色々なもの見つかるパンドラの箱と表現されたり。

    でも、インターネットを使うハードは、
    結局は人のからだ。

    本当の意味での豊かさは、体が資本であることには変わり無いだろう。

    コンテンツが増えるので、消費する側にも優先度を意識する必要がでたり、消費者にもセンスが求められる。

    古い本とは思えないほど、インターネットを言い当てている本でした。

    糸井重里さんの、他の本も読みたくなりました。



  • 20年以上前にネットに関して、これだけのことを見抜いていたのは、さすがです。
    この本に書かれている「クリエイティブな消費」は、現在では、より進んで現実化してきているように思います。

  • 消費のクリエイティブのはなしは特に印象的
    ポンペイの豊かさとっても魅力的

  • まさに予言の書。今読んでも新鮮で一つ一つが納得させられます。

  • インターネットそのものについてよりも、インターネットをめぐって広がりつつある「インターネット的」な思考の様式や社会のあり方、人間関係について語った本。
    読み始めたとき、これはマクルーハンの言う「メディアはメッセージである」の糸井重里ヴァージョンなのかなと予想した。始めの方で、インターネットと「インターネット的」の違いを、モーターとモータリゼーションの違いになぞらえて説明しているところがあって、そうそう、マクルーハンも蒸気機関車の例を出して、メッセージを運ぶメディアがそもそもメッセージでもあると述べていたな、なんて思い出していた。
    でもこの本はマクルーハンの主張とは違う。「インターネット的」はじつはインターネットがなくても成立する、というのが、思わず膝を打つ、糸井氏のユニークでオリジナルな指摘。つまり、情報社会に親和性の高い、「インターネット的」なものの考え方や仕事のやり方というのは、じつはインターネット以前にもあって、それがインターネットの普及とともに顕在化したり、促進されたりして、今という時代、これからの時代が、できている、できつつある、ということ。
    キーワードは、リンク、シェア、フラット、グローバル。それを糸井流に要約すれば、“Only is not lonely”。
    情報社会の文化を考えるうえで示唆に富む1冊。

  • コピーライターとして超有名な糸井重里さんが『ほぼ日刊イトイ新聞』をインターネットで始めて、従来のメディアとインターネットの違いをわかりやすく書いた本。
    オリジナルの新書版は2001年の出版だが、2014年に文庫化された際に、『続・インターネット的』が追加されている。
    人々の暮らしに欠かせないインターネットの特性とその在り方を、稀代のクリエーターがいち早く言及し、警告した良書。

  • 20年前にPHP新書で出した本をPHP文庫で出すとは、糸井重里ともあろうものが残念だ。さらに読んだと思ったのにまだ新書を読んでいないというオチまでついて本棚に探しに行ってくる。

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著者プロフィール

1948年群馬県生まれ。株式会社ほぼ日代表取締役社長。71年にコピーライターとしてデビュー。「不思議、大好き。」「おいしい生活。」などの広告で一躍有名に。また、作詞、文筆、ゲーム制作など幅広い分野で活躍。98年にウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」を立ち上げてからは、同サイトでの活動に全力を傾けている。近著に『かならず先に好きになるどうぶつ。』『みっつめのボールのようなことば。』『他人だったのに。』(ほぼ日)などがある。聞き手・川島蓉子さんによる『すいません、ほぼ日の経営。』(日経BP)では「ほぼ日」の経営について明かしている。

「2020年 『いつか来る死』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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