四色(よしき)の藍(あい) (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569762586

作品紹介・あらすじ

夫を何者かに殺された藍染屋の女将は、同じ事情を抱える女たちと出会い、仇討に挑む。女四人の活躍と心情を気鋭が描く痛快時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • 捕物だったんだ。自分でも最初から東雲屋が下手人だろうな、どうやって解決するのかといたって単純に読み進める。カラクリがガッチリと組み合い、まさかの許嫁が兄を殺すとか、養父が黒幕とか、なんにせよ山根さんが仏の様な人が犯人だったなんて意外だよ。四人の背負う重石も大変かと思いますが、紙一重。実の息子が人殺しなのにおかみさんと結婚させたいとか、殺してしまう許嫁が兄殺しだったとか、でも幸せな未来が目の前にある。なんとでも、真実は何かと考えさせられる読み物だった。東雲屋が捕まり山根さんと結婚して兄の仇をしてたら?

  • 異なる背景を持つ女性4人が、それぞれの恨みを晴らすべく女将環の下、協力し合い犯人を追及していく。そしてその中で各々は自分の愛がどこに向かっているのかを認識する、四色の藍ならぬ四色の愛の話

  • 江戸時代の話を読むと、昔はこの道を江戸の人も歩いていたんだよな〜とか想像して生活ができて楽しい。
    登場人物たちもそれぞれ強い女性たちでみんな好きになった。

  • 初めての西條奈加さんの作品。話自体はよくあるパターンだが、藍を巡る町人・商人中心の話から某藩の陰謀まで迫る展開は意外で十分に楽しめた。キャラの描写が非常に丁寧だと思う。強烈なキャラクターを描かなくても魅力が出ている作品は非常に好きだ。

  • 2021/12/15
    普通に面白い人情噺。
    でもとびぬけてではなかった。
    東雲屋をもうちょっと見せてくれたらとびぬけたかも。

  • 紺屋の主人が殺害された事件の裏には、藩の有力者が糸を引く真相が隠されていた。
    全く個性が異なる4人の女性の関係性が非常に好ましく、悲惨な事件が重なる割に雰囲気が暗くならず、むしろ微笑ましいのは作者のバランス感覚の為せる技か。

  • 時代小説に慣れていないので、読み始めは抵抗のある文体でしたが、内容にだんだん引き込まれ途中からどんどん進みました。
    どの登場人物の人柄もとてもいきいきと描かれているところにも引き込まれました。

  • 各々の仇討ちが微妙に縺れ合うお話。
    最後のどんでん返し、ちょっと不意打ちだった。
    昨日の敵が今日の味方に、また逆もあり。おくめ婆さん哀れ...
    ハッピーエンドではないものの、それなりの落ち着き処に落ち着くのは江戸庶民の日常だったのかも知れない。

  • いいのか。こんな結末で。

  • 亭主を殺された紫屋環、遊女のお唄、剣士姿の伊織、洗濯婆のおくめの4人が、事件の真相をあばくために動き出す。
    まさにミステリーの要素、人情噺の要素も加わったエンターテイメント時代小説ですね。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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