鯖猫長屋ふしぎ草紙 (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569766447

感想・レビュー・書評

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  • 江戸の人情物が好きです。そして猫好きなのでついタイトルに惹かれて買ってしまいました。シリーズがこんなに続いているとは。一巻だけでも楽しめましたよ。

  • 三十半ば、青白い瓜実顔に目尻の下がった糸目、紅を差したような唇は目と同じに上も下も細い。売れない絵師の拾楽。
    今日も彼の手の甲に、ぐいと食い込む小さな牙。
    拾楽が世話をする雄の三毛猫サバが、朝飯の催促をする。
    なんて事のないような長屋の風景だけど、サバの大将が幅を利かす「鯖猫長屋」に何やら不穏な出来事が。
    三角関係から逃げてきた気の強いお嬢さん。
    温和な態度とは裏腹に隙のない浪人。
    「鯖猫長屋」の秘密とは。

    猫に長屋にふしぎ草紙、ほっこりした人情話と思ったら、のっけから義賊の語りに死人の伝言。
    微笑ましいサバとのやりとりに、ほっこりする長屋の面々、なのにだんだんと緊張感が増してくる。
    拾楽さんはどうするのか、サバの大将の活躍は?
    もう少しのんびりしたお話を期待していたので、びっくりしたけど、最後もほっこりと終わって一件落着!

  • 面白くなるのかなと思いつつ読み進め、途中からグッと気になり出した。
    長屋の人たちがイメージできてくるあたりから、読みたかったのはコレコレ、と楽しく読めた。
    猫好きならさらにはまるのかも。
    シリーズらしいので、続きを読もうと思う。

  • 時代劇の2時間ドラマを見ているようなお話です。
    義理と人情、江戸っ子万歳!
    最初はなかなか話が動かずじれったいですが、重要人物たちの独白が要所で出てきて、その度にお話が大きく動いていきます。
    つまんないなー、と思っても2章くらいまでは頑張ってみて。


  • おもしろかった!縞柄三毛猫がオスという珍しい猫がいる鯖猫長屋のお話。
    とにかくキャラがめちゃくちゃイキイキしていて良し!三毛猫オスの名前はサバ(笑)そのサバがめちゃ威張りんぼで、長屋で1番偉い☆
    サバの飼い主の拾楽さんは訳ありで…これ本当どうやってまとめるんだろって感じでどんどん読めます。
    仕切り屋おてるさんや差配の磯兵衛さん、長屋のおはまちゃんやお智さんみんな良い!
    サバも変に擬人化してないのも好みでした。
    続編も機会があれば読んでみたいです。
    主人公の拾楽は松山ケンイチさん、おてるさんは黒沢あすかさん、差配の磯兵衛は武田鉄矢さん、掛井の旦那は竹財輝之助さんで脳内再生されました☆

  • 一匹の猫がヒエラルキーの頂点に立つとある長屋の人情時代小説。謎解き要素もある連作短編でもあります。
    面白かった・・・けど、なんか妙に読みづらさを感じた。なぜだろう?話というか会話のテンポやリズムみたいなものだろうか?
    あと登場人物が全体的に嫌な感じか駄目な感じが漂っていてあんまり好きになれないな、と。長屋のまとめ役おてるさんあたりが顕著。お節介焼きの善人だと書かれているけど、作中ではやたらとげとげと周りを責めるシーンしかないのでいい人っぽさを感じにくい。語り手である拾楽もひたすら周りを冷めた目で観察してばかりだし。
    そんな中、唯一悪い印象があまり描かれてない人物がいて・・・・逆にもうあからさまにこいつが「実は悪者」じゃん。と思ったらその通りだったし。
    結構シリーズ続編あるみたいだけど、読むかどうか悩むなあ。最初だから粗削りなだけでここからだんだんと面白くなっていくのかな?

  • 図書館で借りたもの。
    なぜか鯖縞模様の猫が一番いばっている「鯖猫長屋」には、なにやら「わけあり」な住人たちが。そんな長屋で次々と起こるふしぎな事件。謎解きと人情ばなしが楽しめる時代小説。
    初読みの作家さん。

    私にはテンポが合わなかったな~。
    時々状況がわからない所があったりして。
    後半は話が面白くなってきた。

  • 20210414 読了
    ☆3.4で四捨五入☆3つ評価
    覚書
    其の一 猫描き拾楽
    其の二 開運うちわ
    其の三 いたずら幽霊
    其の四 猫を欲しがる客
    其の五 アジの人探し
    其の六 俄か差配
    其の七 その男の正体

    犬派なのに、本は猫が登場する物語が好き。
    猫奥とか白猫侍とか、江戸に生きるお猫様に夢中。
    これはちょっと小狡い設定かな?と思いながら、
    移動時間&待ち時間を利用して読了。
    わんこアジ、偉かったね^^
    よしよし♪ヾ(・ω・*)なでなで~

  • サバのツンデレっぷりが絶妙。
    3年前の大晦日の朝、現れた泥まみれの小さな塊だったサバが、炊き立ての白飯しか食べないという設定がしがない猫描きでできるのが気になるが、短編のつながりもいいし、読みやすい。

  • 31年3月13日読了。
    珍しい三毛の雄猫サバが長屋の住人以上に威張っていて、その上人間様以上に偉いときたら、なんだこの設定は、となるのだけれど。
    ここ何年か江戸の市政物を読んで思うことは、楽しいなぁって事。江戸人の明るく快活で、粋でいなせで、涙脆くてお節介で。なんで江戸時代の江戸人に生まれなかったのかなぁって事。
    狭い長屋でも、プライバシーゼロでも、火事が多くても、白米が御膳のほとんどを占める食事でも、オイラ、やっていけるよ。こんな小説の世界なら。
    読み進むうちに、登場人物に肩入れしている自分がいた。シリーズ、読むな、これは。

著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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