一行怪談 (PHP文芸文庫)

著者 : 吉田悠軌
  • PHP研究所 (2017年7月11日発売)
3.19
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  • 本棚登録 :195
  • レビュー :16
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569767369

作品紹介・あらすじ

「公園に垂れ下がる色とりどりの鯉のぼりに、一つだけ人間が混じっている。」一行のみで綴られる、奇妙で恐ろしい珠玉の怪談小説集。

一行怪談 (PHP文芸文庫)の感想・レビュー・書評

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  • これはすごい。たった一行でこんなに恐怖の世界に連れて行ってくれるなんて!
    ショートショートの極み!!
    ギュッとギュギュっと濃縮された言葉のひとつひとつにの向こう側に真っ暗な恐怖が広がっている。そこをこそりと覗き見る醍醐味。うーむ。これからこの「一行怪談」ってのが1つのジャンルになったりして。

  •  「罰として永遠の眠りにつく呪いをかけられた男が極稀に目を覚ました際、それまでの期間に見た悪夢を一行で書き記したもの」という前提のもとに(もしかすればこの「前提」すらも怪談の一篇に過ぎないのかも知れない)展開される一文きりの物語。
     想像力を働かせれば働かせるほど描き出される光景の異様さに気付く短文集。

     「怪談」と銘打ってはいるものの、どちらかといえばシュルレアリスム的絵画の文字起こし版という印象が強いか。たとえばルネ・マグリットの描き出すあの得も言われぬ不可解な景色が好きな人間なんかには馴染みやすい気がする(と言ってみたものの私がマグリットの絵画が好きなだけです)。
     シュルレアリスム的な光景、日常の中にある非日常、純粋に「わけのわからない」類の話等々、ページを捲るごとに様々な「不気味さ」「薄気味の悪さ」を体験出来る一方で、構成の性質上一気に読むと途中で中弛みを感じる(どうしても単調さは拭えないものね)ので、或いはその日の気分で適当なページを開いて読む、いう読み方もあるかも知れません。

     最後にお気に入りの一篇を。
     「幾度も地上が焼け野原となり、全ての死者が復活してまた滅んだ後もなお、あの人と墓の下で待ち合わせるという約束を、私は頑なに守り続けている。」(本文150頁)
     怪談的要素もシュルレアリスム的要素も無い一篇ですが不思議な切なさがある「悪夢」です。

  • 意味の分からない怖さがある本。
    解説を読んで納得な話も

    最初の子供2人、行方不明になってしまったのね・・

  • 現実の夢もなんら繋がりもなく、ただ場面を組み合わせただけのような内容で、ストーリー性のあるものの方が珍しい。この小説はそんな現実の夢を一部切り取って書き写したようなリアリティがあり、内容が不思議かつ不気味なものでも現実のどこかにあるんじゃないかなという気になれる

  • 2018年02月11日に紹介されました!

  • さくさく読めるが余白を埋め出すとキリがない。

  • 「彼に与えられた罰は、永遠に眠り続けるという呪いだったが、ごくたまに目を覚まし、それまで見た悪夢を一行で書き記すことだけは許されている。」という体裁で綴られた、ごくごく短い怪談集。
    探しているうちに私の中で期待値が上がりすぎてしまっていたようで、少し物足りない…というか、期待値云々以前に、割と玉石混淆な感は否めないのですが、全体的に、想像力に訴えてくる怖さだな、と思います。淡々とした文体なのに、文章を脳内映像に変換するのがとても苦手な私でも、すんなりと脳裏に情景が浮かんできました。

    以下、お気に入り。
    「公園に垂れ下がる色とりどりの鯉のぼりに、一つだけ人間が混じっている。」
    「世界中あらゆる料理を食べても、いまだ思い出の味に辿りつけない彼には、産まれなかった双子の片割れがいるそうだ。」
    「このあいだ山奥に捨てた知り合いが、五箱の宅配便で届いた。」
    それと、猛毒の涙を持つ殺人鬼の話も好きです。

  • 不安の種だなぁ。雰囲気だそうとするならもっと装丁とかちゃんとしてほしい。
    コスパ悪めなので星ひいときます。

  • 一行の中に織り込まれた日常とそこから数歩離れた異界とが溶け合って、驚くほどの密度で物語が存在している。
    暇つぶしに買ったのだけど、とても面白かった。
    ページを次々捲りたいのだけれど、今の一行をもう一回読みふけりたい。そんな気持ちで読了。
    最後のページの一行が一番怖い。

  • 一ページにたった一行、奇怪な言葉が書かれています。不気味だったり滑稽でニヤリと笑ってしまったり、一つ一つはさほど怖く感じないのに、纏めて読んだ後に部屋の空気が微妙に不穏になっているような作品集です。でもこういうこと、子どもの頃考えていたなあ。日常の中でふと想像してしまう、あり得ない世界。そんな曖昧な物に恐怖していた記憶があるから、この作品の一文一文に背筋が凍る追体験をするのでしょう。りんたろうの『ラビリンス・ラビリントス』を連想する世界観でした。面白かった。

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