なぞとき 〈捕物〉時代小説傑作選 (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所
3.27
  • (0)
  • (4)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 49
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569767963

作品紹介・あらすじ

いま大人気の女性時代作家による、アンソロジー第二弾。親子の切ない秘密や江戸の料理にまつわる謎を解く、時代小説ミステリ傑作選。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • <捕物>時代小説、六編。
    本作はどれも初見。
    シリーズ含め、全ての作品に初めて出会ったが、どれもこれもシリーズ丸ごと読んでみたい作品ばかり。
    また読みたい本リストが増えていく。
    おかげで全く減らない。

    澤田瞳子、宮部みゆきは面白いに違いない、と初めからハードルを上げていたが、そのハードルを難なくクリア。
    さすがだ。

    『うき世小町』中島要
    女が一度はぶつかるであろう、どうして女なのか、どうして私じゃなくてあの子なのか、その疑問が物語の鍵となる。
    この疑問が何度も私の心に波を立たせた。
    結末の、「あんたなんかに、あたしの気持ちがわかるもんですか」で、波は高く時化た。
    悲しみにくれ、叫ぶ女の声は、私と同じ声をしていた。

    『煙に巻く』『鰹千両』
    同じ題材を扱っているが、果たして気づけるだろうか?
    昔は忌み嫌われていても、今はそうではないもの。
    だからなかなか難しい謎解きを迫られる。
    どちらも少し痛みが残る。

    時代物というと、とっつきにくいイメージがあるかもしれないが読み続けていると、同心、手代、いとはん、そんな独特の言葉にも慣れ、魅力になってくる。
    でも、初めはねえ、なんていう方にも、短編集はオススメだ。
    ダメなら、はい次、それでいいのだ。

  • 最近時代小説が好きになってきたので、手に取ってみた。元々は宮部みゆきさん目当てだったが、澤田瞳子さんの本も読んでみたいと思った。澤田瞳子さんのお話しは、初めは漢字が多いというか、ちょっと文章が重い印象を受けたが、読み進めていくうちに主人公の魅力に惹きつけられた。これまで読んだことのない作家さんに出会えてよかった。

  • 2018年1月PHP文芸文庫刊。江戸の時代小説6編を収録したアンソロジー。宮部みゆきさんが好みなので、しかも、回向院の茂七ファンなので、どうしてもそこに興味が向きます。和田はつ子さん、澤田瞳子さんも好みなので、そこへも。既読をもう一度読む楽しみも、アンソロジーの楽しみの一つです。

  • 和田はつ子さん、宮部みゆきさんが、やはり面白かった。
    今回は追いかけたいお初の作家さんがなくてちょっと残念。
    でも、2作のだんとつの面白さで満足。

  • 時代小説 捕物を主としたもので、女性作家の活躍の素晴らしさを感じる1冊である。

    和田はつ子の「さつき菓子」
    先日、宮部みゆきの「リバース」で、蕎麦アレルギーの本を読んだばかり。
    この「さつき菓子」は、カステラの小麦粉アレルギー、、どちらも、良いと思ってしたことが裏目になり、取り返しのつかないことになってしまった事件である。

    梶よう子の「煙に巻く」
    たばこ屋の看板娘でなく、イケメン双子の兄弟。
    双子の将来夢を叶えるには、親に内緒で入れ替わることに、、。
    双子の事を知っている産婆のお辰の死に関係はなく、ほっとしたのだが、お辰に惚れていた源太郎は、自分の妾腹からの子という立場から僻んでしまって、突き飛ばして、死なせてしまう。
    老後2人で、暮らしたいと、思っていた源太郎も、少し可哀相であった。
    しかし、タバコ屋だけ、最後のオチが、「煙に巻く」が題名なのが、面白い。

    浮穴みみの「六花の涼」
    「こらしめ屋お蝶花暦 寒中の花」を読んでいたので、知っていたのだが、、再度、読んで、健気な少年が、女の子の格好をしている理由と、白い朝顔を、継母と一緒に見つめる姿が、とても良かった。

    澤田瞳子の「人待ちの冬」
    薬草栽培の腕を持つ真葛に、評判の悪い薬種屋「成田屋」の
    内情に絡んで、お香津が、婿養子した夫の不誠実さと店へ証人としても道を外したことを悩み、亡き父の盆栽の福寿壮の花の毒で、惨事を引き起こす。
    現代も、ニラと、スイセンとの違いで、食中毒を起こすというニューズが、昨年あたりから出ているが、、、
    フキノトウと福寿草も同様なのだと、知った。
    しかし、このような、店を乗っ取られるような事態になったお香津は、こうする他なかったのであろうか?
    そして、お雪は、自分の身に起こった事態にこれから、どう生きていくのだろうか?

    中島要の「うき世小町」
    着物のシミ抜き等の悉皆屋で、色々調べたりしてる時に、この作者の「着物始末暦」シリーズで、好きになった作者である。
    「六尺文治捕物控」だったか、、、この本の話。
    お加代3人の幼馴染の 自分に持って無い輝きを妬み、そして、それを持っている者は、その輝きに気が付かず、反対に、友を傷つけていたことに、、、、
    哀れな事件である。

    宮部みゆき「鰹千両」
    昔は、初ガツオが、とても高価なものであったのと、アシが早いので、それも人気だったのかも、、、、
    鮪の方が、外道の物とされていたのだから、、、今の食文化も変わって来たのだと思う。
    話は、ぼて振りの角次郎から、ある商人から、鰹を千両で、購入したいという奇妙な相談を回向院の茂七が、受けることになるのだが、、、
    それは、双子の一人が捨て子で、角次郎たちの子として可愛く育って入たことが原因であった。
    大店の伊勢屋が、お店さんから忌み嫌われないように、双子を一人だけ残して、捨てたのに、我が娘の方が、死んでしまった。それを小細工して、鰹に千両出すと、、、、
    茂七が、口止め料として、伊勢屋に要求した金を、反対に、角次郎家族や他の者たちに口外するなとの口止め料だと言って、伊勢屋へ突き返すところが、いい!

    剣豪たちが、成敗するわけでもないのだが、普通の生活をしている市井人々を取り巻く事件に、これほどに面白く描くことができる女性作家達の活躍で、本の楽しみが、又増える事になった。

  • 六人の女性作家による六つのなぞとき。心の奥の謎を解くと何だか明るくなった気がする。明日が少し広がるからだろうか

  • 【収録作品】「五月菓子」 和田はつ子/「煙に巻く」 梶よう子/「六花の涼」 浮穴みみ/「人待ちの冬」 澤田瞳子/「うき世小町」 中島要/「鰹千両」 宮部みゆき

  • 女性作家のみの時代小説アンソロジーで、「あやかし」に続くシリーズ第2弾。今度は捕物帳系。

    どれも佳作なのだが、宮部みゆき作品がちょっと群を抜いてたように思う。

    以下は読書メモ:

    五月菓子 和田はつ子
    五月の菓子である柏餅は関東の、粽(ちまき)は関西が主流とのこと。美味そうな料理もいろいろ出てくる。
    そして、なぞときの鍵はカステーラだった。

    煙に巻く 梶よう子
    煙草の葉を刻む双子の兄弟。櫓炬燵屋。産婆。
    話がちょっとわかりにくかったのは、本来は前の話があり人物紹介が省かれてるからだろうか。

    六花の涼 浮穴みみ
    女装の少年。
    継母と子。
    六花は雪のことで、雪の結晶を6枚の花弁に例えている。その六花を育てた白い朝顔の名にしたのだった。

    人待ちの冬 澤田瞳子
    薬草を巡る人々。
    福寿草は怖い。
    人待ちとはそうゆうことだった。

    うき世小町 中島要
    貧乏で美人、裕福で不細工、一番美人だけどそれが嫌で男に生まれたかった娘、三人の幼馴染の切ない事件。

    鰹千両 宮部みゆき
    これだけは読んだことがある、初ものがたりの一編。
    茂七親分が頬をぶたれるシーンは秀逸、それに絡めた
    最後の一行が粋。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

作家


「2018年 『なぞとき <捕物>時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

和田はつ子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
東野 圭吾
宮下 奈都
宮部 みゆき
宮部 みゆき
宮部 みゆき
宮部 みゆき
辻村 深月
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする