異邦人(いりびと) (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768168

作品紹介・あらすじ

京都の移ろう四季を背景に、若き画家の才能をめぐる人々の「業」を描いた著者新境地のアート小説にして衝撃作。待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • かつてキュレーターの経験を持つ、著者ならではの美術小説。
    さらに、京都の風物詩、京都言葉が随所に綴られ、居ながらにして京都情緒を堪能できる京都小説ともいえる。
    そんな京都らしさをゆったりと味わえる前半から一転して、後半はミステリーもかくやとの怒涛の展開になって行く。
    主人公菜緒の心を奪う一枚の絵と、京都への彼女の執拗なまでの執念。
    強烈な彼女の個性に、周りの人々とともに読者も振り回される。結末はどうなるのかと、頁を繰る手も急かされる。
    やがて明らかにされる真実は、恰も何枚もの緞帳が続けて巻き上げられる舞台を観ているかの様。
    京都を訪れる人は、何度訪れようと京都にとって永遠の異邦人であるように、菜緒は読者にとって永遠の異邦人かも。

  • 2018.6.2
    画商の一輝と、審美眼をもつ良家のお嬢様菜穂。
    両者の目線から描かれている本作、さらさらと一気読み。
    マハさんの作品は、美術に疎い私でもいつも面白い。
    今回の作品は、あとがきにあるように、マハさんのインタビューに凝縮されている。

  • ホント好き♡原田マハさん(*^^*)

    裏表紙の内容抜粋をみて
    夫が画家といろいろあるのかとおもいきや
    画家と色々あるのは妻の方で。

    まー読み応えありました。
    楽しかった。

    ただ伏線のない大どんでん返しってどうなのかなー
    とはちょっと思ったのですがw

    次回作も期待です!

  • 美をすべてに優先させる、美に取り憑かれた人。財力があったら、こんな風に追求できるのかと、少し羨ましく、空恐ろしい。わくわく読み進めて楽しかったのだけど、こういうミステリー要素もあってドラマチックなお話より、何でもない日々の積み重ねや、人生を描きつつ、人間の本質にじーんする、みたいな話が好みだなぁ。

  • 発売された当初は読む気がなかったのだけど、文庫化されたのを機に読んでみることに。
    基本、この作者は海外の芸術作品や芸術家にまつわる作品しか読まないので、今作の舞台が京都であることが、何となく新鮮に感じた。
    時は東日本大震災の起きた2011年。
    原発の被害が東京にまで及ぶと、とんでもないデマがまかり通ってた頃。
    都内で画廊を経営する篁一樹も、身ごもっていた妻・菜穂を京都に避難させる。
    当初は騒ぎが収まるまでの短期間のはずだったが、京都で出会った名もない画家の出現で二人の運命は大きく変わる。
    章ごとに一樹と菜穂の二人の目線が入れ替わる。
    京都で出会った樹と言う画家はきれいな女性で、一樹が惑わされる展開になると思いきや、全く違う展開に、少しだけ何が本当に描きたかったのか、中盤は分からなくなる。
    ラストまで読んで、「そういうことか」とはなるけど、メインとなる菜穂の強い思いは伝わるが、一樹の目線は必要だったのか、その辺が微妙。いっそ菜穂の物語として、一貫していた方がもっと面白かったような気がする。
    背景に描かれる京都の四季の描写は、とても美しかっただけに少し残念。

  • 泉の底に沈む滑らかな石のように、しんと落ち着き払っている老書家の態度

  • 「楽園のカンヴァス」や「暗幕のゲルニカ」のように、原田マハさんの作品には心打たれる面白さがある。
    本作は、絵画そのものに秘められた謎解きでなく、絵画しかも日本画を巡る人間関係を京都を舞台に上手く表現されて、ラストストーリーの急転換には、流石は原田さん!と驚愕。
    一味違った原田マハさんの1冊でした!
    お薦めの1冊!

  • まあ面白かったし、信念を貫く姿はスカッとはしますが、共感できない部分も多くモヤつきました。

  • 楽園のカンヴァスでは、ルソー。
    たゆたえども沈まずでは、ゴッホ。
    暗幕のゲルニカではピカソと、今まで読んだ原田マハ作品ではそれぞれアーティストに焦点あて、フランスを舞台に半生を描いていた。
    だが、この作品では画商をテーマに、京都という街と文化を描いている。
    絵画を通じて様々な人々の思惑が交錯し、夏の京都の湿度を感じるほどに生々しい文章が、物語をさらに妖しく引き立てる。
    今までの原田マハ作品とは雰囲気が違うが、人間の業を上手く描き出したとてもいい作品だった。

  • 京都の四季折々の生活とアートがとても美しいです。現実逃避したいときに入り込むとグッと美しい世界が迫るような感覚です。京都を旅したくなる大人の小説です。

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著者プロフィール

原田 マハ(はらだ まは)
1962年東京都生まれ。小6から高校卒業まで岡山で育つ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部美術史学専修卒業。
馬里邑美術館、伊藤忠商事株式会社、森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館での勤務を経て、2002年よりフリーのキュレーターとなる。
2005年小説化デビュー作の『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞、『キネマの神様』で第8回酒飲み書店員大賞をそれぞれ受賞。2013年には『ジヴェルニーの食卓』で第149回直木賞候補、2016年『暗幕のゲルニカ』で第155回直木賞候補となる。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞受賞となり話題になった。

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