鯖猫長屋ふしぎ草紙(四) (PHP文芸文庫)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768175

作品紹介・あらすじ

ある大店の内儀が命を落とす。猫又の仕業だという噂が……。長屋で起きた夫婦喧嘩と噂の関係は? 大好評「鯖猫長屋」シリーズ第四弾!

感想・レビュー・書評

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  • 鯖猫長屋ふしぎ草紙、4作目。
    お江戸のとある長屋で、一番偉いのは猫のサバ。
    賢い猫に見透かされながら、いちおう飼い主の絵師・拾楽も活躍します。

    鯖猫長屋で派手な夫婦げんかが。その理由とは。
    サバの妹分の可愛い猫・さくらに、化け猫疑惑が持ち上がる?
    ほうってはおけない拾楽と、成田屋こと掛井同心。

    助けられた狐が恩を返そうとしてとり憑くという怪異。
    こんな話が出てくるのがさすが「ふしぎ草紙」です。
    怖さがあっても、人情話。
    軽やかなサバのカッコよさ、一見へにゃへにゃしているが腕には覚えがある拾楽。
    そして、存在感は濃く熱いが腕はからっきしの掛井の旦那。そこに意外な特技が‥! 笑えます。
    大店の娘の暗い気持ちからの行動や、哀しい展開もありつつ。

    様々な要素を取り入れ、お気楽すぎないが、重すぎもしない、ちょっときゅんとしたり、ほっとしたりするような。
    気分よく読めるシリーズです。

  • 妖の風味もほどほど、主人公と懇意な妖怪が事件解決や大立ち回りするわけでもない。謎解きをし動くのも「人」だ。その指図をするのが猫というのも面白い。
    まあ、だから「ふしぎ草紙」なのか。

  • さくらに化け猫の嫌疑。続いて差配の磯兵衛にも殺しの嫌疑⁉
    成田屋の旦那と子分のように使われ始めた拾楽が事件を解決していきます

    拾楽のが拾楽の言葉の裏に隠れている優しさ。これは分かる人もいるけれど、分からない人には分からない優しさ(成田屋の旦那、ご隠居、智子、おはまは分かっているらしい)このシリーズで作者が伝えたいことはもしかしたらそこかもしれない

  • 鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
    人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第四弾。
    其の一 包丁騒動・・・利助とおきねの大喧嘩。兄弟子を助ける
           ためだったが、実は怪しげな呪い師の存在が・・・。
    其の二 猫又志願・・・足にケガをして帰ってきた子猫のさくら。
             巷では、さくらが猫又志願ではとの噂に。
             真相を暴くため、成田屋と拾楽が動く。
    其の三 磯の鮑・・・きにかけていた犬が蓑吉の部屋へ来てしまう。
             犬の想い、人の想いはそれぞれに通じるのか。
             そして、それがきっかけに事件が目覚める。
    其の四 新たな子分・・・形見分けで貰った小箱には毒が。磯兵衛が
              捕まり、拾楽は真相探るために河内屋へ。
    冒頭に、根津・上野・池之端の絵図、鯖猫長屋をめぐる人々、
    鯖猫長屋<見取図>有り。
    画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の4冊目。
    其の一が発端なのですが、実は更に仕込みがあったとは!
    各話の冒頭は“1人娘の胸の裡”で、この娘の存在が鍵となります。
    狐の恩が違う方向に行ってしまう。だが・・・サバの存在、恐るべし。
    その怪異が拾楽を襲いますが、意外な能力で退ける成田屋。
    暑苦しいほどの生命力の成せる技というか、
    素手で捉えちゃうなんて、男っぷりが上がりましたなぁ。
    そして今回は様々な人情が心を癒します。おきねの涙ながらの話は、
    父娘の蟠りを解くきっかけになれば良いと、思いました。
    其の三は、今回も犬の話でした。これが定番になるのかな?

  • 4巻にもなると飽きそう。
    でも、少しづつキャラ関係が変わってきているので、
    飽きずに楽しめる。

  • 町で起こる猫又が犯人と思われる事件。
    鯖猫長屋の店子が怪しげな呪い師に騙されているかもしてない疑惑。
    牛若が突然長屋を訪れたりしたので怪しいとか思っていましたが違いました。
    成田屋の旦那の特性は今後も生かされていくのでしょうか。何かあった場合には無敵なのでは。
    でも味方にいてくれるなら頼もしいです。

  • 内容(ブックデータベースより)

    この猫、江戸で最強!? ただものではないぞと思わせるエピソードが今回も――。
    気まぐれな美猫サバが暮らす「鯖猫長屋」で、利助・おきね夫婦が大喧嘩。その裏に怪しげな呪い師の影が……。
    そんな折、サバの妹分さくらに化け猫疑惑が持ち上がる。続けて起きた「赤子の顔の傷」事件や、とある大店の内儀の死も、化け猫の仕業だというのだ。この騒ぎと怪しげな呪い師に関係はあるのか。
    さくらの疑いを晴らそうと、飼い主の拾楽、そして長屋の面々が動き出す。存在感たっぷりの同心・掛井も駆けつける。しかしサバにはどうも気になることがあるようで――。
    キュートなサバの一挙手一投足に首っ丈。猫好きにはたまりません。
    根津宮永町が舞台の「大江戸謎解き人情ばなし」。累計10万部突破の人気シリーズ第四弾。文庫書き下ろし。

    令和5年4月28日~30日

  • 今回は怪しげな呪い師との対決!

    利助の兄さんや河内屋のお嬢さんのように、人間って現実が厳しいと耳障りのいいことを盲信するようになるんだよね。それがどこか怪しいとはわかっていても、現実と向き合うくらいなら、自分に都合のいいことだけを信じるようになる。

    現代もそれは変わらないと感じる。むしろ、それは加速しているんじゃないかな。ネットで自分に都合のいい情報だけに触れて、それが真理だと考えてしまう。
    なんだか怖いな。

    磯の鮑 牛若の寂しさと真っ直ぐな忠義心が切なかった。犬系の話は涙腺緩む。

  • 大好きなシリーズです。
    今回も、鯖猫長屋の世界を堪能させて頂きました。

  • 今回は、助けた狐が恩返しにと占い師に憑いて、、、。
    それが大騒動に。
    虐げられた元大きな商家の一人娘の怨念に振り回される。

    今回も拾楽はサバの助けを借りていくつもの事件を解決する。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『鯖猫長屋ふしぎ草紙(十) 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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