- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569768373
作品紹介・あらすじ
おかしな日常風景から、鋭い書評、迸る相撲愛、そして貴重な短編小説まで、心底「笑える」と評判のエッセイストの全てが詰まった一冊。
感想・レビュー・書評
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北大路公子『すべて忘れて生きていく』PHP文芸文庫。
これまでの酒まみれ、相撲まみれのぐーたらエッセイとは一味違う作品集。全部で4章で構成されているのだが、章を重ねる毎にテンションが下がるのだ(決して面白くないということではない)。そして、これまで余り描かれなかった自身のことに触れている点が興味深かった。
第一章は頑張らない理由を正当化しようという、いつもの北大路公子のぐーたらエッセイ。第二章は相撲好きを前面に押し出した、これもいつもの北大路公子らしいエッセイ。
第三章は一転して『北海道新聞』に掲載された書評エッセイと他の作家の文庫解説となる。時折、北大路公子らしさも垣間見えるものの、その真面目な書評と読書の幅に驚いた。
そして何と第四章は奇談集と題した創作短編となる。個人的には第四章はオマケみたいなもので、無い方が良かったかなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第三章 呑んで読んで、呑まれて読んで からがとても印象に残った。文庫本の見開き2ページで一冊の本を紹介しているのが、第三章だ。
北大路さんが、読んだ本を紹介してくれるのだが、彼女でしかできない方法で表現して、思わず読んでみたくなるのだが、ある程度の覚悟が必要な気がする。
第四章 奇談集 は、不思議な余韻を残す2作品を堪能できる。 -
エッセイ+書評+短編小説。
エッセイは安定の面白さ。
「日記エッセーの流儀」1〜4は読売新聞掲載。そう言えば、夕刊に月替わりのミニコーナーがあったけど、当時は全然気づいてなかった。北大路さんが世に出たきっかけが書かれていたのに。
北海道新聞の読書エッセイ(?)は必ずしも新刊について書かれたものではないが、それがいい。
後半の2篇は文庫の解説だが、椰月美智子の「純愛モラトリアム」原田ひ香「三人屋」どちらも読みたくなった。
奇談2篇、どちらもコワイ。 -
定期的に読みたくなる北大路さん。なんといつもの緩い日常のエッセイだけではなく、相撲雑誌に掲載された笑える相撲愛を感じるものや書評、短編小説まで収録している1冊だった。中でも書評で取り上げた数冊の小説が面白そうで読みたくなった。奇談集と纏められた小説2編はその通り奇妙なお話。ホラー味も奇妙さや悲しみもほどほどの按配でした。
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北大路さんの本何冊目だろう、、覚えてないがやっと免疫もできてきて、公共機関で読んでも吹き出すことはしなくなった
今回も面白い
まさか道新に連載されていたなんて
北大路さんのおすすめ本も読んでみようと思いました!
本を読んでいると、本を紹介されることが多くて、どんどん読みたい本が増えていきます -
掲載誌が違うとこうも違った文章になるのかと驚きの一冊。
勿論、エッセイにおいては「らしさ」がちらほら見えているんだけど、第二章の相撲誌掲載文は更に控えめ。そんでも面白く読ませるんだからすごいもんだ。
以前に読んだ短編は合わなかったけど、今回のは大人の暗い御伽噺といった体で、思わずゾクリ。怖いのが苦手と公言していて、良く書けたもんだ。 -
少しずつ綻んでいた桜並木の花の蕾が、ある日、気づいた時には満開になっている。陽射しは温かく、風は柔らか。すべてが白く霞み匂いたつ。空を覆うように咲く視界に入りきらない桜。春は穏やかにやってくる。いつの間にか近づいてきて、そっと隣に寄り添っている。感情的にもイベント的にも起伏の少ない生活の中、それでも春はやってくる。いやなことはすっぱり忘れ今日一日を新たなスタートとして力強く生きていきたい。
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なんか力が抜けてて、それがすごく心地よい面白さ。
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公子作品の中でひたすら相撲愛がにじみ出た一冊
読んでるうちにわたしも相撲見ないといかんかな、って気持ちにさせられました