書店ガール 7 旅立ち (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
3.76
  • (31)
  • (91)
  • (71)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 619
感想 : 93
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768540

作品紹介・あらすじ

理子、亜紀、彩加、愛奈。4人の書店ガールたちが、葛藤と奮闘の末に見出したそれぞれの道とは。大人気シリーズ、堂々の完結編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • "書店ガール"シリーズの最終巻。これまでに出てきた4人の女性店員たちのその後を描いている。

    中学校の司書になった愛奈は、生徒のビブリオバトル開催を手伝うが、子どもたちが周囲から浮かないよう気を使いながら暮らす様子は少し痛々しい気がした。
    取手駅の書店閉店後、彩加は地元の沼津に戻り、その地に馴染もうとする。
    新興堂チェーンの東日本地区のエリアマネージャー、理子は、仙台店である櫂文堂のさらなる合併を聞き、社員たちの新店舗での雇用に心を砕くが、社員の多くや地元の住民たちは書店名が変わることに最後まで抵抗する。
    大型店舗ばかりが増え、特徴のある書店が消えていく今の流れは、本好きにとっては残念なことだが、働く人たちが誇りと自信を持って働ける職場は素敵だと思った。そして、櫂文堂の沢村店長は辞職し、理子の淡い恋心も終わる。
    そして、育休後、本部で働いていた亜紀は、吉祥寺店に店長として戻る。

    それぞれが新しい場所で、前を向いて進もうとする姿に、少し元気をもらえた。

  • 題の通り、書店で働く女性たちの話。
    理子、亜紀、彩加、愛奈の生きる道は‥それぞれの奮闘と成長を描く完結編。

    バイトだった愛奈は、中学の司書教諭に。
    中高一貫の私立校で、恵まれた環境だが、ほとんど本を読まない子も多い。
    文化祭で生徒たちのビブリオバトルという企画にがんばります。

    彩加は取手の駅ナカ書店が閉店となり、故郷の沼津へ戻る。
    おばの書店を継ぐことになり、ブックカフェを併設しようと決める。
    地元の友達と久しぶりに会ったら、思わぬ批判もされることになるが‥?

    西岡理子は出世してエリア長となっているが、重圧のかかる立場。
    仙台で古くからある店を閉じ、合併先に移転する話で板挟みに。
    福岡支店に飛ばされるが、そこもまた新天地に‥

    シリーズ1作めで理子の部下だった小幡亜紀は、古巣の吉祥寺店の店長に。
    町の本屋さんがどんどん減っていく時代、苦しい中を生き延びる大変さが胸に迫りますが。
    工夫と元気と‥
    希望を捨てたくないですね。

  • このシリーズも、遂に完結。
    最終巻として、これまで活躍してきたメンバーのそれぞれを4章に分けて描いている。その中で、一番ページ数を占めており、読み応えのあるのは第3章の理子編。
    99年の歴史がある老舗書店を、合理化の名のもとに閉店移転する方針の本部に対し、現場の書店員が抗う。その狭間で苦悩するエリアマネージャーの理子。
    書店と書店員が苦慮している現状がリアルに映し出される。
    各地での書店の閉店は、出版不況の現代日本の深刻な問題となっている。
    そんな現状を少しでも歯止めとなるよう、電子書籍ではなく、町の本屋さんで本を買おう。図書館はなるべく使わず、財布の許す限り、できるだけ新刊を買おう。
    読み終わって、そんな思いを新たにした。

  • とうとう最後、面白かったです。
    登場人物4人の今。
    愛菜の司書としての学校でのビブリオバトル。私も読みたくなったし。
    彩加の昔の友人たちとの交流も、なんとなくわかる。
    亜紀も5年ぶりに店長として吉祥寺の店に復活する嬉しさも伝わってきた。

    そしてやっぱり私は理子が好きかな。
    彼女の章が1番長くて本部と店との間に挟まれる苦悩。
    読み応えがあって、心打たれました。
    解説にも書かれてるように理子の10年後、気になりますね。
    亜紀と同じように、田代さんとうまくいったらいいな。

  • お気に入りの『書店ガール』シリーズも第7弾。
    そして、ついに完結編。

    あぁ…、とうとうこの日がやって来たのね。
    と、大げさに言いたくなってしまうくらい、好きなシリーズ。

    『書店ガール』との出会いは2014年6月のこと。
    碧野圭さんとも初めましてでした。
    何んとな~く、古本屋さんで手にした本でした。

    ”書店で働く女性たちの物語”ということで、読む前から期待値が高かったせいもあるのでしょうが
    シリーズ第1弾の私の評価は☆3つ。

    特に前半は恋愛、妬み、嫉み等々、ドロドロ。
    店長と女性スタッフの関係が最悪なのが、極端すぎて違和感を覚え…
    第2弾に期待!
    という感じでした。

    そしてシリーズ第2弾。
    ペガサス書房から新興堂書店・吉祥寺店店長となった西岡理子。
    部下の亜紀も新興堂に移り、二人が奮闘する姿。
    この本を通じて、書店の厳しさを教えられました。
    そして、書店の楽しみ方、棚への興味等々。
    ますます書店に行くのが楽しみになりました。

    シリーズが進むにつれ、どんどん「書店ガール」が好きになり、シリーズ5・6・7弾は発売日を待って購入するほど(笑)

    出版不況のなか、書店の生き残りは本当に厳しい。
    それを教えてくれたのはこのシリーズ。

    好きな作家さんは応援したい!
    なので、好きな作家さんの本は新刊で購入します。

    そして、もうひとつの私の小さな野望 (笑)
    日本に帰国したら、近所にお気に入りの書店を見つけたい。
    大型書店ではなく、地域に根付いている本屋さん。
    書店員さんと挨拶できるぐらいの距離感で…
    店内の棚を楽しみに、足しげく通いたくなるような…
    たまにはおススメの本を紹介してもらえるような…
    散歩の途中、買い物のついで、なんとなく足を運びたくなる。
    そんな本屋さんを見つけたい!

    書店ガールは本を読む楽しみだけでなく、自分が手にしている本の重みを実感させてくれました。
    たくさんの人たちの思いが詰まった本。
    このシリーズに出会って、新たな読書の楽しみ方を知りました。

    このシリーズに登場する4人の女性。
    理子、亜紀、彩加、愛奈。
    たくさんの困難を乗り越えて、それでも本と関わりのある仕事で奮闘中。
    勇気をもらえます。

  • 「書店ガール」シリーズ第7弾にして完結編。
    理子と亜紀の対決(?)から始まった書店ガールシリーズ。
    (なぜか、亜紀の引き出物のバカラのグラスをゴミ箱に叩き込む理子の姿が最初の印象に残っている)

    これでシリーズは「完結」するが、「解決」ではない。
    本屋を取り巻く状況は、簡単に答えが出せる問題ではないからだ。

    最新刊が出れば必ず読む、というシリーズがひとつ減ってしまうのは寂しいが、だらだら続けることをせず、出せば必ず喜ばれることが分かっていながら一度〆るというのは英断とも思える。

    タイトルに『書店』と入っているのだから、本屋の存続の問題が大きく取り上げられているが、「いかに本を売るか」だけでは正直、つまらない作品になっていただろう。
    書店員から始まって、もっと大きな世界、「本好き」のために何ができるのか、本好きの仲間をどう育てるのか。
    今までもたくさん描かれてきたけれど、次々と羽ばたいていく彼女たちを見送るのが、この完結編だ。

    第1章 愛奈
    高梨愛奈(たかなしまな)は、私立の中高一貫校である中学の司書教諭で、読書クラブの顧問をしている。
    「ビブリオバトル」で描かれる、生徒たちの生き方と本の存在。

    第2章 彩加
    宮崎彩加(みやざきあやか)は、吉祥寺の書店で働いていたが、故郷沼津の叔母の古い書店を改装してブックカフェを開く決意をする。
    都会では流行りのブックカフェだが、新しい文化を故郷に持ち帰ることに対する地元の意識は…?

    第3章 理子
    「書店ガール」といえば、西岡理子(にしおかりこ)
    書店の終焉に立ち会う苦労を一身に背負って、もはや「受難の人」である。
    初心に戻って、彼女の頑張りにとことん付き合う。

    第4章 亜紀
    久しぶりに現場に戻る、小幡亜紀(おばたあき)。
    さわやかな幕開けでもあるが、理子のバトンを、本当の意味で亜紀が受け取った瞬間でもあるのだろう。
    これから様々な洗礼を受けて、彼女も成長していくのだろう。
    しかし、今は輝かしい瞬間である。

  • ここまで書かなくてはならなかったのでしょうか。
    シリーズ最初のころも 書店員の人間関係や
    仕事そのものの報われなさに しんどくなることが
    多かったですが…最後には痛快さに胸のすく思いを
    感じていたのです。

    最近は少しずつ…救われない感じが色濃くなってきて。。
    この最終巻では まるで中年サラリーマンの疲労を
    背負わされたような気怠さと無力感にさいなまれました。

    もがいてももがいても 書店には明るい未来はないのだな。。
    そう感じてしまった私はひねくれているのでしょうか。

  • まさかシリーズ最終巻とは!
    今までのことを思い返しながら、じっくり読みました。電子書籍に手を出してはいるけれど、やっぱりページをめくる感覚がとても好きです。
    そして、勝手におすすめの本を表示してくるネット書店より、棚を見て自分で選ぶ時間が好きです。

  • シリーズ最終巻
    書店に関わる人の交流だけでなく、会社組織の中の書店運営まで描かれている
    その描写は部外者の自分には非常に生々しくも感じられ、綿密な取材を元に書かれたのではないかと想像する
    エンターテイメントとしても完成度が高く、終わりというのが残念でもあるが、終わる事で質が担保されると考えれば、良い締めくくりだったと言える

  • 「本と本屋を愛する全ての人に」
    この物語に出てくる女性は、強く優しい。
    真面目で想像力もあり、他人のことを思いやれる。
    そんな女性(ガール)たちの、それぞれ選んだ道が輝くものでありますように。

全93件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年愛知県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。フリーライター、出版社勤務を経て、2006年ワーキングマザーの挫折と再生を描いた『辞めない理由』(PARCO出版)にて作家デビュー。昇進に伴う女性の葛藤を描いた『駒子さんは出世なんてしたくなかった』(キノブックス)、ベストセラーとなりドラマ化された『書店ガール』シリーズ(PHP研究所)など著書多数。

碧野圭の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする
×