世にもふしぎな動物園 (PHP文芸文庫)

  • PHP研究所
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本棚登録 : 106
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768625

作品紹介・あらすじ

動物がペンネームに隠れている作家が、その動物たちをテーマに短編小説を書いたら……。ミステリーから泣ける作品まで5作品を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 馬の耳に殺人(東川篤哉)、幸運の足跡を追って(白河三兎)、キョンちゃん(鹿島田真希)、蹴る鶏の夏休み(似鳥鶏)、黒子羊はどこへ(小川洋子)の5つの短編を「どうぶつたちの贈り物」として2016年2月にPHP研究所から刊行。2018年11月「世にもふしぎな動物園」に改題してPHP文芸文庫化。全編に落ちがあり、楽しめました。作家さんの選択が面白い。

  • 名前に動物が入ってる作家がその動物の短編を書くというアンソロジー。アイデア自体は面白いと思うけれど、ちょっとこじつけっぽいというか、その縛りのせいで選択範囲が狭いせいか作家の組み合わせが微妙、良くいえばバラエティに富んでいるけれど、悪くいえば統一感がない。収録作品は↓

    東川篤哉「馬の耳に殺人」
    白河三兎「幸運の足跡を追って」
    鹿島田真希「キョンちゃん」
    似鳥鶏「蹴る鶏の夏休み」
    小川洋子「黒子羊はどこへ」

    ライトなミステリーが好きな層には鹿島田真希は意味がわからないだろうし、逆に小川洋子のような幻想系純文学好き読者からしたらラノベはいらんねん、となるだろう。どちらが良いとかじゃなくて単に「食べ合わせが悪い」という印象。1作1作は悪くなくてもアンソロジーとしての完成度となると首をひねってしまう。

    個人的にはやはりもともと好きな小川洋子と鹿島田真希目当てで読んだので、それ以外の5分の3が似たような、ティーンエイジャーが推理する軽いミステリーだったのには若干閉口しました。面白くなくはないけど、いずれの登場人物も本人は普通だと思っているがちょっと変人、無駄な軽口やツッコミなどのスタイル、全体的なテイストが類似していて、違う作家の作品を読んだ気がしなかった。

    鹿島田真希「キョンちゃん」は、大学生の合コン話という軽い調子で始まったので他作家のテイストに合わせたのかな?程度に思っていたら、終盤で一気に作者の悪意が噴出、色んな意味で、やられた~という感じ。そりゃ『来たれ、野球部』なんてアニメ絵表紙のラノベまがいのタイトルで悪意のラノベパロディをやり、『選ばれし壊れ屋たち』ではBL文化をシニカルに笑い飛ばした鹿島田真希だもの、一筋縄ではいきませんよね(※褒め言葉)

    小川洋子「黒子羊はどこへ」だけは流石の完成度。海辺の町の寡婦、難破船から救われた羊たちから生まれた黒い子羊、羊を見に集まる子供たち、いつのまにか寡婦は託児所の園長として生きることになる。小川洋子さんらしい静謐な世界での残酷だけど優しい喪失の物語。

  • +++
    ペンネームの一部に「動物」が隠れた人気作家による、それぞれの動物をテーマとした異色の短編集。
    不吉とされる黒子羊を飼う、村で唯一の託児所(小川洋子「黒子羊はどこへ」)、牧場の経営者が亡くなった。犯人を推理するのは馬!?(東川篤哉「馬の耳に殺人」)、高校の新聞部の友人と共に白いカラスの謎を探っていたはずが……(似鳥鶏「蹴る鶏の夏休み」)等、バラエティに富んだ五作を収録。
    +++

    面白い趣向である。そして内容紹介の通り、物語のテイストもバラエティに富んでいて、ぐいぐい引っ張られる。それぞれにブラックな要素が盛り込まれているのも魅力である。小川洋子氏はことに著者らしく、やわらかなひつじのイメージとは全く違う秘密めいた雰囲気がたまらない。愉しめる一冊だった。

  • 小川洋子「黒子羊はどこへ」がちょっと印象的。
    年取ったからだな。

  • 小川洋子さんは、格別ですな!!

  • 例え,ペンネームに隠れた動物をテーマに一本短編が描かれても,決して自らの筆致を覆すことなく,かつ各人に通底するテーマが紡がれる.それを確認するための一冊.

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著者プロフィール

一九六二年岡山県生まれ。早稲田大学
第一文学部卒。八八年「揚羽蝶が壊れ
る時」で海燕新人文学賞を受賞。九一
年「妊娠カレンダー」で芥川賞受賞。
二〇〇四年『博士の愛した数式』で読
売文学賞、本屋大賞を受賞。同年『ブ
ラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、〇
六年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎
賞、一三年『ことり』で芸術選奨文部
科学大臣賞を受賞。

「2020年 『口笛の上手な白雪姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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