桜風堂ものがたり(上) (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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本棚登録 : 787
感想 : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569768809

作品紹介・あらすじ

勤めていた書店をある「万引き事件」がきっかけで辞めることになった月原一整。彼は旅先の田舎町で、ある小さな書店と出合うのだが……。

感想・レビュー・書評

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  • 月原一整は星野百貨店の中にある銀河堂書店の文庫担当の書店員。
    同僚の卯佐美苑絵は夢見る女の子で、一整のことを王子様だと密かに想っています。
    カリスマ書店員の三神渚砂は苑絵とは幼なじみです。一整をやはり想っていますが、友情を大切にしています。

    中学生の男の子が苑絵の前で万引きをして、逃げようとするのを一整は追いかけますが、中学生は道路にとびだし、車に跳ねられ入院してしまい、SNSが炎上します。

    一整は考えた末、店を辞職して、桜野町の、ネットで知り合った友人の営む、桜風堂書店を訪ねて行きますが…。


    なんて優しい物語だろうと思いました。
    優しすぎる物語です。
    出てくるのは皆、いい人ばかりです。
    そしておそらく下巻では、桜風堂書店を手伝うことになる一整。
    どうしても売りたい本『四月の魚』を売ることはできるのか…。
    苑絵や渚砂とはこの先再会することはあるのか…。
    猫のアリスとオウムの船長は…。

    一整が亡くなった父親の年齢を超えてしまうと考えるところでは、私もあと数年なので、亡き父を思いだし、涙がでました。
    インターネットだけの繋がりで、初対面で店を任されるというのは、時代だなあと思いました。
    (下巻に続く)。

  • 書店の棚や平台に並べられた本の数々。それらはただそこに黙って、静かに置かれているわけでありません。
    書店員さんがこの本を売りたい、お客さまにぜひ読んでもらいたいという願いを込め、さまざまな工夫と努力を重ね、本と読み手との運命の出会いを導いているのだということを、この本で初めて知りました。
    店内で起こった万引き事件をきっかけに、ネットなどでの誹謗中傷を受け、長年勤めた銀河堂書店を去ることになってしまった月原一整は、ブログを通して知り合った桜風堂書店の店主を訪ねて旅に出ることになります。
    広い空と優しい緑の波に抱かれたような静かな町、桜野町はその名の通り一面の桜の海でした。
    私の心の中にも今、はらはらと桜の花びらが舞い降りているような気分です。
    これから先どうなるのか、下巻が楽しみです。

  • 自分の人生に満足できるような人間になれ。
    自分の居場所を見つけ、小さくともそこに光を灯す人間になれ。

    皆誠実で真面目で気を使いながら信頼し合って愛情豊に生活している。
    いつまでもそんな日々が続くといいのだけれど、意図せず新しい居場所を作らなくてはならない時も訪れる。
    それでも力になってくれる人がきっと現れる。自分も誰かの役に立てるように生きたい。

    読んでいて心地よい物語だ。書店員さんの苦労や気持ちが伝わってきて応援してしまう。
    読書感想文でなく「読書感想画」というのが出てきた。
    この本を読んで貰いたいという一心でPOPの絵を描く書店員さん尊敬します。
    今度書店でPOPの絵を見つけたら書店員さんの気持ちを想像してみます。

    上巻は桜風堂の店主に出会うまで。
    下巻もほっこりしながら読み進められそうです。

  • とても好きな物語でした。
    前半部では、相田みつをさんの「ただいるだけで」*という詩と映画「ショーヤンクの空に」の「必死に生きるか。必死に死ぬか。」というセリフを思い出しました。その後は軽やかに物語が進んでいき、終盤、また深く考え始める流れででした。下巻を読むのが楽しみです。

    *
    あなたがそこに
    ただいるだけで
    その場の空気が
    あかるくなる

    あなたがそこに
    ただいるだけで
    みんなのこころが
    やすらぐ

    そんな
    あなたにわたしも
    なりたい

  • 大好きな作家さんの本ということでようやく読めた1冊。

    のんびりとした世界観と、いい人ばかり中だからこそ
    主人公が仕事を辞めるきっかけになった出来事は悪意を感ぜざる終えなかった。
    まだまだ知られていない書店の仕組み。
    本棚に並んでいるのは書店が取次から借りている本なんだってこと。
    そして、ほんの僅かな利益を書店、取次、印刷所などが分け合っているという事を知ってもっと本を大切にしてほしいと感じた。

    下巻でどうなるのか、桜野町の人々が優しくて良い人だといいな〜

  • 桜風堂と言う素敵な名前に惹かれ読み始めました。一整の優しさ、本への愛情と書店の仲間の温かさの中、万引き事件には心が痛みました。ネット社会の怖さも感じました。一整が新たな明るい未来に踏み出してくれることを祈りながら、下巻に進みます。

  • 星野百貨店の銀河堂書店!
    本屋さんに行って、本の棚の間にいるときって、
    ドキドキして、涙が出そうになる。
    そうか、わたしも宝探しをしてたのか。
    下巻、楽しみ。

  • 優しく、温かな小説。それぞれの人物が抱える想いが胸を打った。これからどう展開していくのか下巻が楽しみ。

  • 本を愛する書店員たちが集まる書店。
    なんて素敵な職場なんだろう。
    本に対する思いがそれぞれ違う形で溢れていて、読んでいると嬉しくなってしまう。
    本が好きだからこそ、だからこそ起こってしまった悲しい出来事。
    自分の居場所って、なくしてから気付くことありますよね。
    彼のこれからがどうなるのか、優しいものであればと願ってしまう。

    久しぶりにあたたかい作品に触れて、心が癒やされました。

  • 本屋大賞2位入賞ってことで、以前から気になっていたもの。正直、語り起こしが弱いと思うんだけど、最初のうち、読み進めるのが正直ちょっとしんどく感じた。でも、万引き犯とのいざこざからの展開がちょっと予想外で、まさかの辞職に至って、すでに物語に惹き込まれている自分がいた。タイトルが桜風堂だから、当然舞台はそっちにある訳で、結果的には当たり前の流れかもしれないけど、適度な緊張感が生まれて◎。上巻の時点で、やっと桜風堂との接点が出来始めたばかり。のんびり・ほんわかした展開だけど、下巻でどれだけ進展するのか、とても楽しみ。

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著者プロフィール

1963年長崎県生まれ。『ちいさいえりちゃん』で毎日童話新人賞最優秀賞、第4回椋鳩十児童文学賞を受賞。著書に『シェーラ姫の冒険』(童心社)、『コンビニたそがれ堂』『百貨の魔法』(以上、ポプラ社)、『アカネヒメ物語』『花咲家の人々』『竜宮ホテル』(以上、徳間書店)、『桜風堂ものがたり』『星をつなぐ手』『かなりや荘浪漫』(以上、PHP研究所)、げみ氏との共著に『春の旅人』『トロイメライ』(以上、立東舎)、エッセイ『心にいつも猫をかかえて』(エクスナレッジ)などがある。

「2022年 『魔女たちは眠りを守る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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