- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569768823
作品紹介・あらすじ
画描きの拾楽とかかわりの深い同心・掛井が思いがけない一面を見せる。
感想・レビュー・書評
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鯖猫長屋の画師・拾楽と長屋を仕切る猫のサバ。
人情あり、怪異あり、ミステリーありの時代劇連作短編集、第六弾。
其の一 ひょうたんから鬼・・・おはまの事が気掛かりな拾楽だが、
サバの家出、長屋の家鳴り、『髷の辻切り』と、
何やら騒動の種が芽生え始めた。
其の二 弘法も十手の誤り・・・平八親分が捕らえた辻斬りの件で、
掛井が窮地に。どう対処するか話を交わす中、あざみが
おはまにした言葉を掛井から聞かされ、拾楽は戸惑う。
其の三 可愛い子には幸せを・・・其の三は定番の犬の話。
辻斬り未遂?の場にいたと思われた犬は、子供と行動を
共にしていた。子供の正体と悲しい現実が切ない。
其の四 飛んで火に入る冬の山伏・・・辻斬りの犯人の目星が付いた
ところで、長屋にまた山伏が。彼を従え策を巡らす拾楽。
そして騒動は終焉に向かうのだが・・・拾楽とおはまは。
・あとがきにかえてーサバ、生みの親を語る・・・創作秘話。
冒頭に、根津・上野・池之端と下谷・上野の絵図、
鯖猫長屋をめぐる猫と人々、鯖猫長屋<見取図>有り。
画師・拾楽と猫のサバのコンビが活躍する、時代劇の6冊目。
各話の題名は、ことわざを捩ったもの。
(五)ラストのあざみの言葉が後を引き、拾楽とおはまの間が
ギクシャクします。それを心配する成田屋こと掛井と以吉の霊。
祓おうとする山伏まで登場します。
同心の掛井と平八親分の窮地を救うために尽力する拾楽ですが、
掛井の、平八のために大真面目の本気の姿に感服した様子です。
「今更だが、一体あの猫は何者なのか」と拾楽が呟くように、
以吉の霊の頼みを聞き、犬のおっかあに意見し、
生霊まで諭してしまうサバって本当に不思議な存在です。
巻末の「あとがきにかえて」は、息抜き的に楽しかったです。
作者曰く、拾楽に「男の艶」・・・ですか~?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
話は成田屋の旦那と目明し平八の大ピンチに拾楽が奔走する回なのだけど、実は拾楽とおはまの色恋話。女盗賊あざみが残していった拾楽への仕返し。拾楽は大きな決断をするのだけれど、19歳のおはまちゃんの方が一枚上手だったよう
生霊の呪いに皆が苦しんでいるのに、一人きょとんとしている成田屋の旦那。狐の怨霊の時といい、いいわ~似合ってる -
事件に巻き込まれ死んだ弟分、以吉。
拾楽に思いを寄せるおはまに、嘘を吐いたあざみが巻き起こした波紋の尻拭い。
掛井の手先、真面目な平八を助けるために人肌脱ぐことに。
今回もずっしり読み応え。 -
シリーズ6弾。
深夜、一人歩きの男達が髷を切り落とされるという事件が相次ぐ。そんな時挂井の手下平八が捕まえた怪しい男が冤罪を主張し、平八も挂井も窮地に。事件の目撃者を探す猫絵師捨楽は、不思議な少女と犬を見つける。 -
不思議な力を持つ大将がだんだん不思議ではなくなってくる不思議。あと拾楽とおはまちゃんの関係は進んだのか進んでいないのか。
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猫の動作が目に見えるようで可愛らしくて仕方がないです。
続きも楽しみです。 -
内容(ブックデータベースより)
江戸は根津宮永町にある「鯖猫長屋」の朝は、今日も賑やかだ。おてる、与六、おはま、貫八、おみつなど、長屋の面々を〝仕切って〟いるのは、鯖縞模様の三毛猫サバ。
そんなサバには人間の子分が二人いる。飼い主で画描きの拾楽と、「成田屋の旦那」と呼ばれるほど濃いキャラの持ち主で、剣術が苦手な定廻同心・掛井だ。
その掛井が手下の平八をかばって窮地に立たされる。拾楽がサバの力を借り、事件の核心に迫っていくと、意外な事実が見えてきて……。
謎解きと人情が交錯する人気シリーズ第六弾。文庫書き下ろし。
巻末に、サバが生みの親である著者について語っているので、要注目!
令和5年5月8日~9日 -
最後のサバの後書き読んでたら、この作者さんって男性じゃないの?と調べたら女性だった。
女性にしては、江戸ものでしっかりした時代背景。 -
すっかりシリーズ化ですね。すなわち、このお話がどこへ向かうかより、この世界で起こるあれこれが楽しみってこと。
今回の空回り度、掛井80%、拾楽120%。
今回のゲストわんことその相方のその後が気になります。