- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569771076
感想・レビュー・書評
-
天才=奇人という説の類書
目次
<blockquote>1 キレやすい信長
2 かたづけられない北斎
3 てんかんもちの熊楠
4 野口英世の放蕩癖
5 サバイバーとしての中内功
おわりに 日本社会の活力の回復を目指して
</blockquote>
天才の特徴はPTSDやADHDなどの精神障害によって起こったとしている。
まあ、よくある天才=奇人説のさらに向こうを張る、天才=精神障害者の説である。
わからんでもないけど、読み物程度にしたほうがいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
葛飾北斎は引越しばかりしていたそうです。前頭葉の働きが悪いため、著しく整理能力が低かったようのだろうと推測されています。こういうタイプの人は、段取りということが頭に浮かばないため、料理などを苦手にする。さらに、ゴミの分別もできない。これは、聴覚や視覚からの入力を記憶し、判断し、そして行動に移していくという中央実行システムとしてのワーキングメモリーの機能障害と考えられています。特に北斎については、聴覚からの入力に対して弱いために、視覚からの入力が優位になったのではないかと思われます。それで、一瞬の間見えたものを記憶にとどめ、すばらしい絵が描けたのかもしれません。野口英世には放蕩癖があったそうです。持ち金はすべて使ってしまう。その後どうなるかの判断ができない。どうも、数字に対する感覚が弱かったようです。筆算はできるが、暗算ができないとか、数字を言語的には理解できるのだけれど、感覚としてすっとつかむことができない、そういうタイプの人も存在するとのこと。本書では他に、頭が切れるけれど、キレやすい織田信長、てんかんに悩まされた南方熊楠、戦争のトラウマから逃れるために働き通したダイエーの中内さんについて、最新の脳研究から見えてくるものについて語られています。「はじめに」の最初に書かれているように、「横並びをよしとしていては天才は生まれない」これが結論なのだろうと思います。正高さんたちが始められている、京大「こころの未来研究センター」の取り組みに、今後注目して行きたいと思います。
-
頭も、心も切れやすい織田信長、片付けられない葛飾北斎、癲癇もちの南方熊楠、PTSD、サバイバーとしての中内功。発達障害や、精神疾患でくりしむ半面、他の能力が発達。人物の紹介が中心で、天才脳とのつながりについての解説はほとんどなかった。
-
率直に、何これ?
認知神経科学専攻って、そのフィールドでは有名な人なんかな。
冒頭の視点はおもしろかったのに、中味はようわからん。
そして、犯罪とアスペルガーをくっつけてるのが納得できなかった。 -
人間いろいろあるんだな~
-
30年近く前、MilkyWay Astrologyの開発中には、評伝とか、パトグラフィーの本を良く読んだので、大体予想が付いたつもりで読まないままでいたのですが、とても良い本でした。というか、昔と比べたら脳科学が進んだお陰で内容が説得力のあるものになったのでしょう。
子供の頃の信長が自分で自分の名前を決めて家来に呼ばせていたという話とか、北斎が音声の短期記憶が無い代わりにフォトグラフィックメモリーがあった話とか、博物学者の熊楠が、てんかん持ちで、てんかんの人の特徴として筋肉質というだけではなくて肩幅の広さについて書いてあったこととか、野口英世の浪費癖が数を直感的に扱う脳の部分に問題があったせいだろうみたいな話とか、ダイエーの創業者の成功と失敗が、フィリピンで従軍した際の悲惨な体験のせいだとか、初耳の話ばかりでした。 -
野口英世とか中内さんとか思わぬ人が載っている本でした
-
そもそも、こんな怪しげなタイトルの本を読まなければいいだけのことなんだけど。けど、正高信男だし…、PHP新書だし…、と浅はかな期待をしてしまったことに、とても後悔。
タイトル通りのトンデモ本でした。
5人の偉人伝。織田信長、葛飾北斎、南方熊楠、野口英世、中内功がどうして「天才」なのだろう。そして、彼らを「発達障害」としてしまう、専門的知見は何なのだろう。
私は、これまでの正高氏の著書にはわりと好感を持っていたのですが…。今までに読んだ正高氏の著書まで、実はトンデモ本だったのかしら…と疑念を抱いてしまうのでした。それにしたって、PHPも最近は杜撰な編集をしているのだなあと思わずにはいられないのでありました。