千年の色 古き日本の美しさ

  • PHP研究所 (2010年12月8日発売)
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本 ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784569771236

作品紹介・あらすじ

染司よしおか五代目当主が語る――。▼着ること、食べること、住まうこと、学ぶこと。▼目に焼きつく鮮烈な赤、まばゆい黄色、そして無限を感じさせる青……。枯れたように見える植物の根や実を染料に、灰を使って彩り豊かな色を汲み出すのである。そこには、現代では「効率化」の名の下に省略される、豊かな時間と手間がかけられていた。▼染色だけではない。少しでも暖かくなるようにと想いを込めて針を刺した「衣」・祖母が孫のために作る夕餉や季節ごとに姿を変える畑にあらわれていた「食」・職人と共に少しずつ完成させる「住」、そして己の生活を整えるために自然に行われていた「学」においても、古人たちが当たり前にやっていたことには、「古き日本のこころと知恵」があふれているのである。▼いまいちど、日本の美しさをたずねて――。▼著者の吉岡幸雄氏、第58回菊池寛賞受賞後第一作。

感想・レビュー・書評

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  • 染色・被服史もからめ、日本の文化や歴史について伝統の当事者の観点から述べられている。美しい写真ページのとおり、日本人の色彩感覚の繊細さは異常なまでにすごい。そのあたり、和食やアニメといった現代日本の”強いコンテンツ”につながっている気も。ただし現在、衣食住や祭事の優れた伝統文化は意識して守り継承してゆかないとあっけなく廃れてしまう状況にあり、自分にできることは何か考えさせられる。

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著者プロフィール

昭和21年、京都市生まれ。昭和46年、早稲田大学を卒業後、美術図書出版「紫紅社」を設立。昭和63年、生家「染司よしおか」五代目当主を継ぎ、植物染料による日本の伝統色の再現に取り組む。奈良薬師寺「玄奘三蔵会大祭」での伎楽衣裳四十五領の復元、東大寺伎楽衣裳を制作など、日本古来の染色法により古代色を復元。平成21年、京都府文化賞功労賞受賞。平成22年、菊池寛賞受賞。平成24年、NHK放送文化賞受賞。令和元年9月30日、73歳で逝去。

「2020年 『吉岡幸雄の色百話 男達の色彩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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