見た目の若さは、腸年齢で決まる (PHPサイエンス・ワールド新書 10)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569773797

作品紹介・あらすじ

おなかの中で1.5キロを占め、600兆〜1000兆個以上もいる腸内細菌のバランスこそが健康の秘訣。便秘は腸からの「悲鳴に近いメッセージ」で、悪玉菌が増えているという訴え。便秘の人が増えれば大腸がんが増えるのは自明。病気を治療する時代から、予防する時代へ。腸年齢が若ければ、肌はハリやツヤを保ち、脳の衰えが少ない。でも、腸年齢が「実年齢」より老けた人が増えている。腸年齢を5歳若くする方法を伝授。だれでも簡単にできる「腸年齢チェックテスト」付。

感想・レビュー・書評

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  • <u><b>所感</b></u>

    昔から「ヨーグルトはカラダにいい」なんて言われていますが、その根拠がここ数年に行われた研究と数多くの実験で立証され、ただの噂ではなく事実になったことがこの本を読んで痛感できました。

    また肌年齢や脳年齢が腸の年齢に紐付いていることや、腸内環境の悪化によってアトピーが増えていることは驚きでした。これに関係することですが、近年運動をすると脳年齢が上がるという実験結果も出ており、「適度な運動と腸内環境を整えることが若さの秘訣である」という昔からの説は、もはやあたりまえの事実であると言っていいかもしれません。

    「野菜」「ヨーグルト」「運動」の3点セットは、アンチエイジングの3種の神器と言えるでしょう。

    <u><b>表現・構成について</b></u>

    文章量は少なめで、1〜2時間もあれば十分に読みきれる量です。実験結果に関するソースが明示していないものも若干ありやや不安が残りますが、著者はこの腸内細菌の世界では非常に実績のある権威であり、一般人にとっては詳しいソースを知る必要はないので情報としては十分かと思います。

    もともと子供を相手にセミナーなどもやっている方ですので、文章表現とても読みやすく、学術的な文章が嫌いな人にも雑誌感覚でさくっと読めます。

    また個人的には実際に著者が自分が人体実験の被検体となって長期の実験をしてみたりしているところに好感が持てます。この本を書いている人だけに、年齢の割にものすごく若々しいです(本人のお写真も見れます)。その壮絶な努力の日記は読み応えありです。

    <u><b>概要</b></u>

    元来、穀物・野菜・魚中心だった日本人の1960年代の肉消費量は一人当たり年間3kgだったのに、2007年には何と年間43kgまで増加。これを見ても、日本人の食文化が間違いなく肉食中心の欧米化に向かっているのがわかります。
    そんな中、筆者が自ら行った人体実験により、肉食を多く続けると腸内細菌が悪玉菌優位となり、発がん性物質が大量に発生することが判明。昔はほとんど発症していなかった大腸がんが、2005年に行ったガン死亡理由の部位別数調査で、男性で3位(1位:肺、2位:胃)、女性でトップになってしまった理由のひとつは、間違いなくこの肉食文化による腸内環境の悪化が原因であると筆者は訴えます。

    また、他にも、

    <ul>
    <li><b>乳酸菌「LGG」はアトピー性皮膚炎の発症率を下げる(2001年4月/イソウラリー教授(フィンランド)ほか)</b>
    <li><b>ビフィズス菌「BB536」(森永ビフィズスヨーグルトに使用)は花粉症の症状を軽減させる(2004年〜2006年/日本の臨床実験)</b>
    <li><b>ラクティス菌「LKM512」は胃酸で溶けない強さを持ち、腸でポリアミン(がんの抑制や抵抗力の増加に効果があるという物質)を生成する。ポリアミンが増加するとアトピーの症状が軽減される(年月不明/松本光晴らによる臨床実験)</b>
    </ul>

    といったような様々な研究成果が上がっており、今や腸内細菌は現代医療のトップランナーとして注目される存在になったようです。

    腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3種類があり、これらが適正なバランス(2:1:7)で保たれていることが重要で、とくに悪玉菌よりも善玉菌が多い状態にないと、潰瘍性大腸炎やクローン病、大腸がんなどの様々な病気をもたらす原因となります。

    善玉菌の代表は「ビフィズス菌」です。(ちなみにビフィズス菌と乳酸菌はまったく違うものだそうです)
    ビフィズス菌の働きは腸内環境を整える以外にも、免疫力を高めたり、血中コレステロールを下げたり、葉酸やビタミンK、ビタミンB類などを生成するといった働きがあることもこの10年で新しく発見されたそうです。
    また2007年に実施されたヤクルトの調査により、肌年齢や脳年齢が若い人は腸年齢も若いことが判明したそうで、アンチエイジングの切り札として注目されているそうです。

    それでは「ビフィズス菌」を多く保つにはどうすれば良いのか?
    それはうんちを作って育てて出すという3つのステップを適正にすることです。

    ?うんちを作る
      食物繊維と水をたくさん取る。ダイエットのときはガサの少ないものを採りがちになるけれど、食物胃繊維だけは省いてはNG。

    ?うんちを育てる
     生きた乳酸菌(プロバイオティクス)を採る。とくに「トクホ」のマークがついてるものは効果が高い。とにかく一定量毎日とるのが良く、あわせてビフィズス菌のエサになる「オリゴ糖」をセットにして採るのが良いらしい。ちなみに漬物や納豆などの発酵食品も同じような効果が得られるらしい。

    ?うんちを出す
     腹筋や腸腰菌、大腰菌を鍛える。ウォシュレットに頼らず自力で出せるようにする。




    2009.12.17開始〜2009.12.22読了

  • 腸内環境について説明した一冊。

    腸内細菌の分析など、今まで知らなかったことが色々と知れて勉強になった。

  • ★最近では良く知られる様になった腸と美容と健康の関係を、「腸内常在菌叢」(腸内環境)の重要性をとおして、又自らの体験をもとに語られている。読み易く、面白い本。
    私が考えるに「腸と美容と健康」の知識はそれなりに普及し、実践し、効果が上がっている人もかなりの数いらっしゃると思うのですが、ここからの定着や、継続は「知識」をいかに「納得」「共感」に変えていくかにかかっていると思うのです。その為には、表面的な「知識」を「確信的行動」(疑問が生じた時、魔が差す的な誘惑に誘われた時にそれらを払拭する根拠)にかえるためになんでもいいから、この種の本を丸ごと一冊読むといいのではないか、そんなことを思わせてくれる一冊でした。(出勤前にサクッと)
    2013.09.01

  • うんちの話
    汚いけれど大切な話だなと思い読みました

    読み終わった日から毎日さつまいもを食べるようにしています
    我ながら単純(笑)

  • 著者自身が52歳から一念発起して実践を始めたという処に非常に説得力があり好感を持った。効果を実感しているからこその思い入れが詰まった、実用的な素晴らしい本。

  • 私は一切乳製品を食べません。
    牛乳が体質に合わないのです。
    そのため重度の花粉症なのかもしれません。
    しかし牛乳が飲めないという人もヨーグルトは食べても平気なようで(ヨーグルトも駄目だと思っていました)、これから毎日続けることで健康体になりたいと思います。
    ちなみに大腸の健康は花粉症だけではなく脳年齢、肌年齢、アトピー、肥満にも大いに関係しているそうです。

    追記:2010年12月14日
    あれから毎日ヨーグルトを400g食べています。
    これから花粉症の時期になりますが、症状が軽くなるか楽しみです。

  • 健康でいるためのポイントは「健全な腸内細菌叢」と「活性酸素の除去」で、具体的に言えば良質の食物繊維の摂取で快便を維持することと、良質の油脂と適切な有酸素運動のが大切だと考えている。それを改めて確認できました。

  • とても参考になった。いまは肉食を避け、毎日のヨーグルト摂取に努めています。理想のバナナうんち目指して食事管理中。ヨーグルト、野菜、魚中心でまずは二週間様子をみます。

  • [ 内容 ]
    おなかの中で1.5キロを占め、600兆~1000兆個以上もいる腸内細菌のバランスこそが健康の秘訣。
    便秘は腸からの「悲鳴に近いメッセージ」で、悪玉菌が増えているという訴え。
    便秘の人が増えれば大腸がんが増えるのは自明。
    病気を治療する時代から、予防する時代へ。
    腸年齢が若ければ、肌はハリやツヤを保ち、脳の衰えが少ない。
    でも、腸年齢が「実年齢」より老けた人が増えている。
    腸年齢を5歳若くする方法を伝授。
    だれでも簡単にできる「腸年齢チェックテスト」付。

    [ 目次 ]
    第1章 医者も学者も驚きのニュース
    第2章 肥満と腸内細菌
    第3章 他人事ではない、腸内環境と病気
    第4章 おなかの中は小宇宙
    第5章 一〇キロやせた私の腸内細菌
    第6章 あなたの腸年齢は?
    第7章 うんち力を鍛える

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著者プロフィール

辨野義己(べんの・よしみ)
一般財団法人「辨野腸内フローラ研究所」理事長、国立研究開発法人理化学研究所名誉研究員、十文字学園女子大学客員教授、日本微生物資源学会名誉会員。
1948年、大阪府生まれ。酪農学園大学獣医学部卒業。東京農工大学大学院獣医学専攻科を経て、理化学研究所に入所。2009年、同所バイオリソースセンター微生物材料開発室室長を経て同所科技ハブ産連本部辨野特別研究室特別招聘研究員。2021年3月末退職後、現在に至る。1982年、東京大学農学博士学位授与。半世紀にわたって腸内細菌の分類と生態に関する研究を続けている。主な著書に『ウイルスに負けない!腸を元気にする新常識』(宝島社)、『健康寿命は腸内細菌が決める』(集英社インターナショナル新書)、『長寿菌まで育てる最高の腸活』(宝島社)など多数。

「2022年 『最高の睡眠は腸活で手に入る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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