日本人として知っておきたい近代史(明治篇) (PHP新書 663)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569779331

感想・レビュー・書評

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  • 近代史おもしれーな。

  • 面白いです。情報戦の意味がよくわかる。

  • 日本人としての精神を持つという観点から選んだ、幕末から明治の政治家7人の生き方を紹介。明治の人が誇り高く、国のために私心なく仕事をしたのは、江戸時代に培われた日本人としての精神の賜物であるというのは、なるほどという視点。司馬遼太郎の小説の影響で、特に乃木希典などは低評価が定番になっているが、もっと違う観点からも歴史と人物を捉える必要があることを再認識させられた。

  • 戦後長らく学校教育の現場においては、近代史が軽視されてきた。また、幕末以降の歴史について知らない日本人があまりにも多く、それがわが国の大きな難点となっているという。本書では、吉田松陰、岩倉具視や乃木希典など、明治を築き上げた7人の人物を中心に取り上げる。その人物像や生き方は、今求められるリーダー像と重なるところが多い。

    第1章 人間を中心に歴史をつかむ
    第2章 吉田松陰―この国の未来を守るための戦略
    第3章 岩倉具視と大久保利通―近代日本を生み出すための謀略
    第4章 伊藤博文(前編)―現代の霞ケ関が模範とすべき「明治の官僚」
    第5章 伊藤博文(後編)―世界に恥じない近代立憲国家をめざして
    第6章 明治の三太郎―日露戦争に挑んだ近代日本の「長男」たち
    第7章 桂太郎(前編)―近代軍制を確立し、日清戦争に挑んだ軍官僚
    第8章 桂太郎(後編)―「ニコポン宰相」がめざしたイギリス流二大政党制
    第9章 児玉源太郎(前編)―軍人の枠を超えた政治的手腕の冴え
    第10章 児玉源太郎(後編)―日露戦争勝利を導いた男のもう一つの戦い
    第11章 小村寿太郎(前編)―日英同盟を締結させた気力と胆力
    第12章 小村寿太郎(後編)―日本の勝利を決めたポーツマスでの粘りの交渉
    第13章 乃木希典(前編)―松陰の志を継ぐ宿命を己に課して
    第14章 乃木希典(後編)―自らの死で示した日本人への警鐘
    最終章 日本近代史の本質とは何か―おわりにかえて

  • 明治日本を支えた人物列伝。司馬史観による乃木愚将論は、現代社会の物質主義に象徴されるナイーブな理想論である。豪奢を排し、徳を積み、質素を旨とする日本人の心は継承されているか?残念ながらそうではない。司馬史観に引きずられている限り日本に未来はない。

  • 100509

  • ・伊藤博文はアメリカの視察調査から帰ると、税収を効率的に配分・運用するために大蔵省の権限を強化する改革案を提言した。一方で、職権の乱用を防ぎ、財政の透明性を維持するために出納簿作りを進めた。
    ・桂太郎は大村益次郎の遺志を継いで、ドイツ留学で学んだ知識をもとに日本に近代軍制を導入した。

  • 近代史については、いわゆる受験では、決して重要視されておらず、なんとなく記憶の片隅にあるという人が大半だと思う。
    本書は、近代史明治時代において著者の選んだ複数の人物についてその生涯について書かれている。
    自分自身が知っていた面や、意外だった面などがあり、興味深かった。
    歴史上の人物や出来事は様々な角度から見る必要があり、その点では非常の有益だった。

  • 明治政府中枢にいた人物は、桂の様に鉄道をヨーロッパにまでのばそうという構想を持ったものや、児玉のようにインテリジェンスの重要性を認識しそのような活動を擁護していた。
    国家存亡の危機感が絶えず頭の片隅にあった時代にあれば、あらゆる方法を検討した結果としてそのような構想や活動を持ったものかもしれない。しかしながら日本国民全体に国家意識がなければ、資源の無い小国が出来なかったと思われる。その国家意識を支えたものが美意識から発した「思いやり」や「まごころ」であり、明治という時代を支えた原動力なのだと感じた。明治の三太郎と長男三人を挙げられたが、長男は「思いやり」を含んだ責任感が必要とされる。それらを子供の頃から叩き込まれて育てられた人たちが、明治期に日本国という大きな家族を支えたんだなという思いがした。
    彼らの尋常でない努力の理由がスケールが違うが同じ立場として何となく理解できた。

  • 明治時代における近代日本の創立を担った重要人物について、数々のエピソードを基に個性・主義を描いた一冊。吉田松陰、岩倉具視、大久保利通、伊藤博文、桂太郎、児玉源太郎、小村寿太郎、乃木希典らの物語と彼らの武士道的な生き様が紹介されている。第二次世界大戦後の教育資料の検閲によって現代教育では見えにくくなった日本人のルーツを知る上で、入り口となると思う。

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著者プロフィール

1947年、大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授、京都大学教授を歴任。石橋湛山賞(1990年)、毎日出版文化賞・山本七平賞(1997年)、正論大賞(2002年)、文藝春秋読者賞(1999年、2005年)受賞。専門は国際政治学、国際関係史、文明史。主な著書に『帝国としての中国――覇権の論理と現実』(東洋経済新報社)、『アメリカ外交の魂』(文藝春秋)、『大英帝国衰亡史』(PHP文庫)、『なぜ国家は衰亡するのか』(PHP新書)、『国民の文明史』(扶桑社)。


<第2巻執筆者>
小山俊樹(帝京大学教授)
森田吉彦(大阪観光大学教授)
川島真(東京大学教授)
石 平(評論家)
平野聡(東京大学教授)
木村幹(神戸大学教授)
坂元一哉(大阪大学名誉教授)
佐々木正明(大和大学教授)

「2023年 『シリーズ日本人のための文明学2 外交と歴史から見る中国』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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