「見せかけの勤勉」の正体

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  • PHP研究所
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レビュー : 47
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569779881

作品紹介・あらすじ

9割の日本人は"やる気"がない!?管理職が陥りやすい「ワナ」を徹底検証。

感想・レビュー・書評

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  • ”社内読書会メンバから「最近読んでよかった本」と紹介されたので購入。まえがきの“「やる気主義」はやる気にとって有害なのである”という記述に、はっとさせられた。

    シントピック・リーディング(テーマ:現場から頼りにされる人事部メンバになるための実践アイデアを獲得する)での4冊のうちの1冊として読んだ。

    <読書メモ>
    ・メガネの21
     あえて評価はアバウトに(p175)
    ・人間関係の濃淡の偏りをなくすには、小さな集団を包摂する大きな集団のウエイトを高くすればよい。(p86)
    ・やる気をなくさせているものの根源に迫り、それを取り払うことに主眼をおいた(p5)
    ・管理の効果はすぐ現れるのに対し、その弊害はゆっくり表れる(p68)
    ・やらされ感は「やる気主義」によってもたらされ、所有感は「やる気主義」を捨てるところから得られる。(p160)
     #企業や仕事、部署に対する「所有感」の話。なるほどね。
    ・「人の管理」よりも「仕事の管理」を。(p183)
     #著者 太田さんは、「そのために上手な片手間を」と説く。

    <キーワード>
    ・5つの足かせ
     ★過剰管理、不満、人間関係(まだら、しっと)、評価、目標
    ・やる気主義
     日本…川上
     欧米…川下(アウトプットに近い方に着眼)”

  • 管理する側からの視点で考察された「やる気」についての本。
    過度なやる気のマイナス面に焦点が当てられ、冒頭から共感できる部分が多かった。
    著者の主張がすべて正しいかはわからないが、今後の管理に対する考え方として、ひとつの指針になるかもしれない。

    ・「やる気を出せ」と言っても、サイドブレーキをかけたままアクセルを踏むようなもの。それでは車は前に進まない。サイドブレーキを解除するほうに目を向ける必要あり。
    ・やる気をなくさせるものの根源とは?
    ・日本の若者は消極的、受動的な帰属意識が強い。対して他国の若者は積極的、能動的な帰属意識が強い。
    ・高度経済成長ではこれがうまくまわっていた。
    ・本物のモチベーションは本人の自発性から生まれる。
    ・学生までは「受身のモチベーション」、勉強・スポーツはこなせても、社会人からは「自分からのモチベーション」であり、質が違う。

    以下、amazonへのレビュー

    著者の言われている「やる気がないのにやる気をアピール」については、世の中で働いている社会人の中には、うすうす気がついている人が多いのではないでしょうか?
    ただ、それはぼんやりとしたイメージであって、この本を読むことにより、その本質的な部分を垣間見た気がしました。

    タイトルの「見せかけの勤勉」もまさにその通りで、自分も深く考えることはせず、なんとなく「まず、やる気を示すこと」が成果・評価に繋がると信じていたように思えます。
    他の著者でこのような切り口で書かれている本だと、結果的にスローライフ的な人生を選択することも必要だ、みたいな流れが多いですが、この著者は、リーダーがきちんと導いてあげれば職場内で無用なストレスもなく、健全な社会が実現すると説いてます。

    すべての主張に賛同するまでには至りませんが、非常にわかりやすく、自分の中では消化しやすい内容でしたので、他の著書も読んでみたくなりました。

  • やる気主義の逆効果に鋭い指摘をしていて、共感する。
    が、なかなか実践が難しい

  • 伝家の宝刀は抜かない。例えば部下に対して叱ってもよいが、人事権を安易に使わない。
    そして、それを公言する。

    やる気を引き出す為にはこちらが、あまり入れ込まないことが大切。

    やる気主義を捨てることで、やらされ感が払拭され、自発的なモチベーションが発揮される。
    やらされ感の対局にあるのが、所有感。
    仕事では裁量権に近い感覚。

    リーダーは必ずしも強い必要はない。カーリングのスイーパーのイメージ。

  • 図書館

  • まあ、なるほどという感じ

  • やる気は評価しない。人を管理しない。 個人的には書かれていることを全面的に支持したい。 上に立つ人は実践してもらいたい。 普通は躊躇すると思うけど。本書でも触れられている未来工業、一時期かなり持ち上げられてたけど考え方を取り入れて実践した所はほとんどないようだし、変えていくっていうのは難しいんだろうね。

  • この人の著作の評価は難しい。議論のベースが単なる伝聞や根拠の曖昧なアンケート、著者の憶測ばかりで、はっきり言って前半は読む価値なしだ。かといって言っていることがデタラメかと言うとそうでもなく、結構本質を突いた分析になっている。目標管理制度が日本人ワーカーの自発的なモチベーションを奪ったのは間違いないと信じるが、背後にある隠れた原因の一つとして過剰な管理とやる気第一主義があるとの説明は非常に説得力がある。恐らくそれは日本人の気質とか文化から来る根元的なものであり、最も目標管理に向かない国民性なのかも知れない。人事考課も3段階、しかもほとんどは中位評価で良いと言う提案も良い。以前会社が外資系だった頃、アングロサクソン達はプロジェクトのオーナーシップを非常に大切にしていたのを思い出す。彼らエリートは実に良く働くし、モチベーションも高かった。所有感と言う概念は日本人には馴染みがないが、とても大切なものである。

  • 201603/

    そもそも「やる気」は、何らかの原因(理由)があって生まれるものであり、原因抜きのやる気はあり得ない。/
    例えばスポーツでも楽器の演奏でも、上手にできたときはたいていリラックスし、無心になっている。だから「無心になれ」とか「リラックスしてプレーしろ」と言う。しかし、たまたま無心になれたから良いプレーができたのであって、無心になろうと思っても簡単になれるものではない。そもそも無心になろうと意識していること自体、無心になれていない証拠である。実績を残して自信をつけるとか、場数をこなすといった条件を整えることではじめてリラックスし、無心になれるのである。/
    やる気もそれと同じだ。サラリーマンの場合、やる気の原動力として、仕事が楽しい、おもしろいとか、認められたい、出世したい、給料を上げてほしいといった動機がある。したがってやる気を出させようとするなら、仕事を楽しく、おもしろくしたり、認められる機会を増やしたり、仕事の環境や待遇をよくしたり、キャリアアップの機会を与えたり、あるいはどうすれば技能が上達し目標が達成できるかを教えたりしなければならない。しかし、それには手間や費用がかかる。あるいはどうすればいいかわからない。そこで安直にも、原因への働きかけを抜きに「やる気を出せ」の言葉を浴びせ続けるわけである。けれども、それこそ無理と言うものだ。/
    金魚すくいの法則/
    おもしろいもので、強いチームをつくろう、試合に勝たせようというこだわりを捨てると肩の力が抜ける。そうすると自ずと視野が広がるし、一人ひとりの良いところも見えてくる。心からほめることもできるようになる。/
    「管理」に対応する英語のmanagementは、物事をうまく取り扱う、遂行するという意味であり、日本語とはあまりニュアンスが違う。/
    やっかいなことに人間には「人を管理したい」、「相手をコントロールしたい」という欲望がある。/
    部下を管理したい、コントロールしたいという欲望を抑制できることは、優れたマネージャーの必要条件だといえよう。/
    「片手間」なら面子や意地を捨てて柔軟に対応できるし、弱みも見せられる。/
    舞台俳優が役柄になりきって演技しているとき。ピアニストが自ら陶酔しながら演奏しているとき。野球のピッチャーが調子に乗ってきて、躍動感あふれるピッチングをしているとき。生徒が夢中で計算問題を解いているとき。そこでは監督や教師などの存在は意識されていない。会社でも技術者が新製品の開発に没頭しているときや、営業スタッフが客に対して自社製品の特長を懸命に説明しているとき。そして最高のパフォーマンスをあげているとき。彼らの頭のなかに組織や管理といったものは存在しない。しかし、その背後には目立たなくても組織があり、マネジメントを行っている人がいる。/
    スイーパー・リーダーシップは、先に述べたスイーパーの役割と重なる。すなわち、①部下が直面する障害を取り除き、②目標へ向かう動きを見定めながら、③成果が上げられるように支援するのである。この三点だけを頭に入れておけばよい。それ以外の深入りは無用だ。/

  • 【No.123】「がんばって長時間働いているように見えるが、そうした働きぶりのかなりの部分は見せかけのやる気だった可能性が高い」「人は自分が進んで身を委ねた目標のためには、自ら自分に鞭打って働くもの」「誰にとっても一日は24時間、一年は365日しかない。そのかぎられた時間を残業でとられてしまうのだから、生活の満足度が下がるのも、やる気がなくなるのも当然」「人間は目標やゴールがあるからこそがんばる。マラソンだって、ゴールがあるから全力を出し切れる。終わりの見えない残業は、ゴールのないマラソンのようなもの。全力を出したら途中で息切れするかもわからないので、誰でも自己防衛のために力をセーブする。いわゆる手抜き、力の出し惜しみだ。本物のやる気しか通用しない時代に、これほど非効率なことはない」「認められるためにはがんばらなければならないが、がんばっても報われるとはかぎらない。そして、がんばりすぎると自分の首を絞める。そこにやる気を失わせる必然性がある」「ゆでガエル現象=カエルを熱湯に入れると驚いて飛び出るが、水の中に入れて徐々に熱していくと、熱くなっても気が付かずに死んでしまう」

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著者プロフィール

1954年兵庫県生まれ。同志社大学政策学部教授。神戸大学大学院経営学研究科修了。京都大学経済学博士。専門は個人を尊重する組織の研究。おもな著書に『公務員革命』『ホンネで動かす組織論』『ムダな仕事が多い職場』(以上、ちくま新書)、『がんばると迷惑な人』『個人を幸福にしない日本の組織』(ともに新潮新書)、『個人尊重の組織論』(中公新書)などがある。

「2018年 『「ネコ型」人間の時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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