- 本 ・本 (128ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569780726
作品紹介・あらすじ
各界一流のプロの半生をインタビューで解き明かす人物ドキュメント、NHKBSの番組「100年インタビュー」から、日本を代表する建築家、安藤忠雄の回を単行本化。▼10代でプロボクサーを経験したが、所属ジムを訪れた日本ボクシング界のスター選手の練習をみて、才能の違いを痛感し断念、独学で建築家を志す。若き日に国内外の建築物を見て歩く旅を経験。空き地を見付けると設計図を描いて土地のオーナーに売り込んだが、結果は連戦連敗。しかし、何度断られても、尊敬する建築家のル・コルビュジエを思ってへこたれなかった。その後、数々の建築賞を受賞。東京大学の名誉教授も務め、国内では「表参道ヒルズ」「司馬遼太郎記念館」などで話題をさらい、世界の建築現場をまたにかける。▼著者独特の人生哲学、仕事への思い、夢を、具体的なエピソードで知ることができる本書は、建築を志す若者はもちろん、もっと無我夢中で生きたい人にオススメです。
感想・レビュー・書評
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幾つかある安藤さんの著書に書いてあった思いや考え、生き様を凝縮したような本。建築や都市に関する提案等は少なめ。字体が大きいので、全世代の人(特に子供や年配の方)に読まれやすいような意図を感じました。安藤さんに励まされたいと思った時に手に取るといいかも◯
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とてもよい。安藤さんの建築に対する考えがストレートに伝わってくる。作品や知名度の高さからクールな印象を受けがちであるが、真面目でひたむきで情熱のある様子がわかる。安藤さんの考えはクライアントの意見と違うことが多い。そこで生まれる矛盾を解決していく中で様々なことが創造されていく。クライアント、設計者、施工者の思いがぶつかり合うことで価値のあるものが創造されると考えているため。
芸術作品は自分の発想で創られるが、建築は共同作業。
いろんな人の想いが詰まって完成するのが建築。おもしろいですね。
建築のおもしろさ、奥の深さを考えさせられる一冊。 -
「歩きながら何かを考える。
自分の人生はこれで良いのかと考える。」
あえて時間をかけて歩くと必然的に考えるのかもしれない。
青春18きっぷや寝台列車で行く旅も悪くないと思う。
「お金は蓄えるものではない。
自分にいかにして使ってこそ価値があるものだ。」
貯金しててもそれ以上の価値は何もない。
中途半端に使うなら、ここだ、と自分が思うところに大金を払ってみると発見がある。
実際に使ってムダだと思ったことがある。
だから次は同じことがないように気をつけるようにもなった。
自分にとってかけがえのない財産になるかどうかは、そのチャンスを掴むために決断ができるかどうかだと思う。
「海外まで建築を見に行く理由」
偉大な建築を見て、自分ならどうするかを深く考えるため。
実際にその場を訪れて五感で感じなければわからないものだから。
現地、現物、現場で。
丹羽宇一郎氏の本にも同じような内容が載っていた。
建築に限らず自分で買って、試してみないとわからないことはたくさんある。
経験することで他人にも話せ、深みも増す。
当たり前のことかもしれないが、できていない自分がいると同時に成長の余地があるようにも感じる。
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安藤さんの哲学が詰まった一冊。文字が大きく全体的に平易な印象だけど、それがまた安藤さんの凄さを際立たせる。。
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メールやファックスを使わないこだわりには?!ですが、そういう物をもっているからこそ、大きな仕事ができるのでしょうね。
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私は建築の学生だった時、藁をもすがる思いで建築関係の本を読んでいた。建築家のエッセイも何冊も読んだが、思い返してみると安藤忠雄のエッセイははじめて読んだ。
作中にも出てくるように「やっぱり、物事は体験しなければわからない」のひとことが安藤さんの生き様なのだと思った。
読んでいるなかで安藤さんは大学に進学していないことを欠点のように思われている印象を受けた。大学に学問を学ぶ以外の側面があるとすれば、働きながらでは難しい体験ができる時間があることだ。そういう意味では安藤さんは働きながら学生時代に得られることを十二分に吸収してきたからこそ、いま建築家として活躍しているのだと思った。
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歩いていると自然に何かを考える。現在、過去、未来・・・。本当にそうだと思います! 1941年生まれ、建築家、安藤忠雄氏の「歩きながら考えよう 建築も、人生も」(2010.11)、共感の多いエッセイ(自伝)です。建築は公共物、公共空間、社会との対話の場、建築家には人間と社会への愛情が必要と。名言だと思います。著者は一流大学卒業生に欠如してる「体験」「責任」「人間の命に対する思い」を指摘しつつも、教える気持ちで採用されてると。また、日本人の長寿の源は好奇心ではないかと。その先にあるのは、日本の美しい自然。桜を見て喜ぶ、紅葉を見て喜ぶ、雪を見て喜ぶ・・・、自然を愛でる。そんな感受性を持つ国民・民族はそんなにはいない。フランスのポール・クローデルという詩人がかつて「日本人は貧しいが、しかし高貴だ。これほど注目すべき太古からの文明を持っている民族をほかに知らない」と。著者はこの発言の裏に「日本人の感受性の強さ」を感じられています。
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歩いていると自然に何かを考えるわけです
京大生飲んだ後に8時間かけ京都まで歩いて帰る -
安藤忠雄の足跡と考え方をさっくり振り返る。
字が大きくて行間が広い上に薄いためさっくり読める。
その分エピソードや考えが凝縮して表現されていて、もっと深く知りたいと思わされる。
私も歩くことは好きだからとても共感するタイトルである。
著者プロフィール
安藤忠雄の作品





