共に生きるということ be humane (100年インタビュー)

著者 :
  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (125ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569782140

作品紹介・あらすじ

国連難民高等弁務官として難民支援を指揮し、JICAで復興支援に尽力した著者が語る現場で学んだこと。国際社会での今後の日本の役割。

感想・レビュー・書評

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    『時代を切り開いてきた人の半生をたどり、思いや夢に迫るNHKBSの番組「100年インタビュー」の単行本化。今回は元国連難民高等弁務官で、現在国際協力機構特別顧問の緒方貞子さんのお話。

     父は外交官、曽祖父は犬養毅元首相という家に生まれ、アメリカや中国で幼少期を過ごす。大学卒業後、二度のアメリカ留学を果たし、結婚後は夫の仕事で大阪、ロンドンに住み、子育てをしながら、国際基督教大学の非常勤講師に。市川房枝の働きかけで国連公使として総会へ出席。その後、多国間外交の経験を積む。1991年、それまでヨーロッパの男性政治家が就いていた国連難民高等弁務官に初の女性、初の学者出身者で就任。冷戦集結後の宗教や民族間の対立が激化した10年間、世界中の難民支援を指揮した。その後、国際協力機構理事長として復興支援に尽力。

     前例のない難局を乗り越えてきた日々に貫いてきた信念、平和を築く哲学、国際社会での日本の役割を語る。』(「PHP研究所」サイトより)


    冒頭
    『 子ども時代
    ――どんなお子さんでいらしたのですか?
    わりに活発で元気な子だったようです。父が外交官でしたので、三歳から八歳ぐらいまでアメリカと中国で育ち、いつも戸外でたくさん走りまわって楽しく遊んでいました。』


    目次
    第一章 国連難民高等弁務官という仕事につくまで
    (子ども時代/アメリカに二度の留学/博士論文は満州事変をテーマに/仕事と家庭の両立/国連代表団に/国連難民高等弁務官へ)
    第二章 難民救済という仕事
    (イラク・クルド難民支援/歴史を変えた決断/政治解決が遅れた支援/スレブレニツァの惨劇/武装集団の混じった難民/緒方貞子の判断基準)
    第三章 復興支援を通して思うこと
    (開発援助にスピードを/格差とどう向き合うのか/共存のために/情報格差/先を読むということ/日本の外交について/相互依存の時代/国際貢献とは)


    『共に生きるということ be humane (100年インタビュー)』
    著者:緒方 貞子(おがた さだこ)
    出版社 ‏: ‎PHP研究所
    単行本 ‏: ‎125ページ
    ISBN : ‎9784569782140

  • 緒方貞子さんのインタビュー。日本人で緒方さんほど国際貢献した方はいない。危険な地域にも足を運んで、信念を持って職務にあたる、その姿に脱帽です。『be humane 人間らしさに徹底せよ。』同じ女性として勇気をもらいました。

  • 短くて読みやすい。

    どんな人生を歩んでこられたのかとても興味がある。
    ご本人の言葉で語られる実際のインタビューを聞いてみたい。

    平和を築いていくためには、『共存』、共に生きることがいかに大切か、ということ。

  • 簡単に、ことばで言い表せない方だなぁと思う。
    自分の使命に向き合い、闘って生きた方だと感じた。

    国内の問題も国際的に考えないと解決は難しいし、「国際」っていう外の問題ではなく、「国際」の中にいる一人としての責任として物事を考えるというような考え方にハッとさせられた。当事者意識よね。

  • 短い本だが国連難民高等弁務官として、局面局面で高度な意思決定をしてきた軌跡を読み取れる内容だった。その一つ一つの意思決定に揺るがない信念と志が感じられる。
    be humane「人間らしさに徹底せよ」という言葉をよく覚えておきたいのと同時に、巻末にある「100年後のみなさんへ」という未来の人に宛てて書かれた手紙を、本当に100年後の人に読んでいただきたい。その頃は、緒方貞子さんが望んだ他を引っ張っていける立派な人々と国になっているように、今を生きる自分たちがそういう未来を目指し日々の意思決定と行動を起こさなくてはいけない。

  • 2023.02.25

  • 緒方貞子さんのインタビュー形式の本。難民支援では命を助けて生きてもらうことを最優先に考えて、規則に文字通りに捉われずに根本の意味を考えて行動できることはすごいと思った。JICAの復興支援は、動きが遅いというのも印象的で、難民支援は目の前のことに対処しなければ亡くなってしまうと思って行動していた緒方貞子さんだからこその意見だと思った。復興支援は国づくりだから長期的視野は不可欠でじっくり考えることも必要だけど、今大変な人を少しでも早く救えるように行動していくことも確かに大切だと思った。先を読むのは今の社会では難しいけど、先を読んで行動しないといけないというのも印象に残った。先を読んで方向性を示して、みんなで取り組んでいくこが大事だと覚えておきたい。

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2019年度第5回図書館企画展示
    「追悼展示:緒方貞子氏執筆本等」

    展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。

    開催期間:2019年11月1日(金) ~ 2019年12月23日(月)
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

  • 上智大学教授、国連難民高等弁務官、国際協力機構(JICA)理事長などを歴任した筆者は1927 年生まれ。自身の半生、仕事における信念、国際社会の中での日本の役割などを語っています。東工大においても国際人材育成が叫ばれる中、「国際化って何だろう」「国際社会で仕事をするとは」と考える手がかりになればと思います。
    (選定年度:2019~)

  • 基本原則にたち、現場を重んじ、弱者を救う。日本人の中では、珍しいグローバルリーダー。存命のうちに、ノーベル平和賞を受けれたら良かったのに。

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著者プロフィール

国際協力機構(JICA)特別顧問

「2013年 『共に生きるということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

緒方貞子の作品

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