世界は「」で満ちている (カラフルノベル)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569788623

作品紹介・あらすじ

世界は「楽しい」ばかりじゃない。世界に満ちているものが「 」なら、私たちはどうしたらいいの? リアルで胸に迫る青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 人生の中でこれでもかっていうくらい人の事を嫌いになったり、信じられなくなった事がある人におすすめ。ゆう君っていう登場人物の考え方と家庭環境があれ?これ、私じゃん。ってなるくらい私の言いたい事を全て代弁してくれましたね。見た目を派手にしてるのも一緒で親近感わきました。
    「昔そばにいた友達だってみんないなくなった。絶対の関係なんてない。俺の両親みたいに結婚したって簡単に嫌いになって、心変わりして、それでも一緒にいる理由を押し付けて、人前ではにこにこするんだろ。気持ち悪い」全くもってその通りだと思います。そんななか、由加はかけてほしい言葉をゆう君にかけてくれてる。「私にとって…ゆう君は、いてほしい存在だよ」「信じられないこともあるけど、それでも信じられるものを見つければ、きっと毒になんて負けないよ。世界がくるんと簡単に白から黒に変わるなら、その逆もあるんだって今は思うんだ」由加お前は強い。その考えが出来たら100点です。由加はあんだけ傷つけられたのにその言葉を言えるのは強すぎる。ゆう君にとって由加は光。由加の言ったセリフは本当に綺麗な言葉だと思いました。
    ラストの言葉「一緒に"楽しい"を積み重ねていこう。大切な誰かとなら、きっとたくさん見つけられるはずだ。だって、世界は「ひとり」じゃなくて、「君」でできている。」この言葉が汚れきった世界を生きてく上で一番の答えなんじゃないかなって思います。誰かに依存しないと生きていけない。大切な誰かの為に。命を捧げられるくらいのとっても大切な子がそばにいてくれるから生きていられる。私の考えは暗くて重いのでいつも悲しくなるのですが、櫻いいよさんは私の考えを柔らかい言葉で表してくれていてすごく心が軽くなりました。図書館で題名と表紙だけで選んで借りたのですが、これはすぐポチりそうです。また読み返したい。

  • いいよさんのお話はどうしてこうも引きこまれるのか…。
    最後は希望を感じられる終わり方だったけど、状況が完全によくなったわけじゃない。でも現実ってこうだよね、と変にリアルを感じる。
    大人になったら笑って話せるのかもしれない、たいしたことないと思うのかもしれない、でも"今"の私にとっては?
    人から信用されてなかったと知る悲しみや裏切られたと感じる怒りはなかなか忘れられるものじゃない。
    それでも由加が悠真に言った言葉は好きだなと思った。またどっかに行くと思われててもいい。信じてくれるまでずっとそばにいる。いつか変わるかもしれないっていう心配も無駄だったなって思わせる。かっこよかった。

  • 中1の由加は優しい両親、仲のいい親友に恵まれて毎日を楽しく過ごしていた。
    しかしそんな日常は音を立てて崩れていく。
    あることがきっかけでクラス内で孤立した由加は同じようにいつもひとりの幼馴染の悠真に話しかけるようになるがーー
    世界は「楽しい」だけじゃない。様々なことがごちゃ混ぜになったこの世界で、何を頼りに生きていくのか。
    リアルな等身大の世界の日常が胸に迫る青春物語。

    いつ独りになるのかわからないこの複雑な世界で、何を見つけ、何を感じるのか。櫻いいよさんらしい作風で、ページを捲る手が止まりませんでした。

  • 泣ける。教室で泣いちゃった…(*´σω・、)

    オススメです。授業中、教科書に隠して読んでしまうほど私的には面白かった。(←どこの誰だか(°口°๑))

    由加と 丁度同い年くらいなので、自分が幼く思えてしまう(*ノᴗ​ノ)



    感想文にもいいと思う。ぜひみんなに読んで欲しい!

  • 友情、恋、親との関係、それだけで物語が進む。そうそう、たわいのないことで悩むんだった、中学生は。
    もしかすると、当事者が読めば心の痛みや悩みが薄まる手助けになるのかもしれない。
    青春だ。

    #中高生

  • タイトルが壮大。
    世界、 「」、 満ちる
    すごいいいタイトル。
    「」が満ちた世界は現実に共鳴してる?
    もちろん内容も良かった。

  • 青春ですね。友達との関係とか、噂とか、家族とか、10代の視点でみると共感できるんだろうな。
    もう、年を重ね過ぎました…(笑)

  • 「世界は「愛」に溢れている」
    再会は予想外の出来事で。
    実際に被害を受けたと名乗り出る者はいないのならば、事実かどうかなんて誰にも分からないのでは。
    見た目や一緒に居る友達の雰囲気だけで噂話を本当だと決めつけるのは、少し安直過ぎではないか。

    「世界は「孤独」が潜んでいる」
    嘘か真か知る者はいない。
    コツコツと地道に積み上げてきた信頼は、こういう場面で自らの盾となり相手に牙を向くのだろうな。
    全てが嘘だと勝手に確信した状態で話を進めたうえ、謝罪を強要するなんて余りにも酷すぎないか。

    「世界は「毒」に侵されている」
    発信源などわからない話。
    時間が過ぎれば元通りと思っているのか分からないが、あれだけ糾弾しておいて良く友達と言えるな。
    どんな話を聞いたのか分からないが、仲直りが出来る程度の話であれば軽く話をしていただろうに。

    「世界は「無知」で壊れていく」
    疑心暗鬼に陥った先には。
    全てを知ったうえで拒絶するかは自由だが、何も知らず自分の世界だけで全てを見るのは違う事よな。
    言動に一貫性も無ければ根拠のない軽々しい言葉ほど、相手を傷つける最悪な物などないだろうな。

    「世界は「君」でできている」
    全てを受け入れる事など。
    きちんと謝罪し真相を全て伝えれば、元の関係に戻れると拒絶されるまで簡単に考えていたのかもな。
    向き合う事もなく空気の様に扱われる事ほど、虚しくて寂しいと感じる事などないかもしれないな。

  • 何も気づいていないと幸せを感じる。
    毎日が楽しい。
    だけどそれは無知で無自覚で誰かを傷つけていることにも気づいていないだけかもしれない。
    そのことに気づいたらいろんなものをもっと大切にできる気がする。
    信じることはとても難しい。
    特に一度置いていかれた記憶のあるゆうくんには。
    信じることは難しいからこそ誰かと一緒にいたいと思う。
    世界に必要とされていると信じたいと願ってしまう。

  • すごくいいよさんらしい物語でした。
    全国の中学生諸君にぜひとも読んで欲しい。

    誰だっていつだってひとりになる瞬間はある。
    でも、ふたりになれる瞬間もあるから。

    せまい教室のなかで息苦しく感じることもあるだろうけど、毒が充満していくこともあるけれど、解毒剤もちゃんとあるから。

    そして、いつか、教室の世界は終わりがくるから。

    世界に満ちる自分なりの「」を見つけてほしい。
    そしてこの作品はその小さなきっかけをくれるとおもう。

  • 自分の居場所を教えてくれる1冊だった。
    ずっと一緒にいる、ずっと友達と思っていても裏切られて裏切って…自分が気づかないだけで私の周りでも私のせいで寂しい、苦しい思いをしてる人がいるのかもと考えさせられた。
    似ているもの同士だからこそ分かり合えることもあるんだなと思った。

  • すごくお気に入り。短編小説かと思っていたけれど、繋がっていてとても面白かった!
    読むの時間かかるかなと不安だったが、1時間くらいで読み終わった。主人公の気持ちにとても入り込みやすい物語だった。また読みたい。

  • 愛、毒、孤独、無知、君。
    章ごとに「」の中に入る言葉が変わって、中学生の繊細な事情が描かれていた本でした。

  • 中学生の話だったー! d(^_^)

  • 色々な価値観、生き方を認めるというのは分かるけれど、中学生の化粧は、んーーーと。
    下手に可愛い子は犯罪に巻き込まれそうだし…と、古い考え(母親目線)がよぎって入って来なかった。

  • 幸せな毎日をすごして2学期の終業式を迎えた中学1年生の由加

    親友の涼ちゃんに乗せられて、あこがれている御笠くんに告白するつもりでクリスマスパーティーに参加したけれど……

    世界が一転した3学期
    由加は幼なじみの悠真に話しかける

    《いつだって誰だって、簡単にひとりになる。》──帯のコピー

    「 」には章ごとに「愛」「孤独」「毒」「無知」「君」が充てられて、展開を暗示する

    ケータイ小説から出た人気作家 櫻いいよ の“リアルで胸に迫る青春小説”を げみ のイラストが彩って、ジャケ買いしたくなる一冊

    高学年から楽しめるコンパクトで読みやすい物語がラインナップされているPHPの“カラフルノベル”レーベルから、2019年5月刊

  • 一気に読んだ。青春小説だけれど、考えさせられることが多くて。

  • 大切なことを学べるお話でした。

  • 白が黒になってしまった世界を生きること。
    黒を白にしていくための、気づきや葛藤。

    自分の世界は「 」、、、ナニで満ちているのだろう。

  • 由加の言動・出来事に自分の中学時代が重なったこともあり、必要以上に感情移入したところもあった。許せないなら許さなくてもいい、この言葉に自分の心が救われた気がする。知らず知らずに自分が毒に侵されることも、自分次第で解毒できることも、そういう考え方って素敵。正義感も勢いも良いけれど、突っ走るだけでなく相手の話を聞くこと、聞いた上で判断すること、今は判断できず曖昧でも時間をかけて判断する方法もあること。どれも私に必要。あの頃の私に戻れるなら、もう一度色々なことや人に向き合ってみたい。そうしたら何か違う関わりができたかも。とはいえ、もう戻ることは難しいので、この読後のエネルギーを今日からの人生の糧にするのだ。

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著者プロフィール

2015年、スターツ出版文庫創刊を飾った『君が落とした青空』が22年に実写映画化。また17年からロングヒットの「交換ウソ日記」シリーズは累計40万部を突破し、10代女子を中心に人気を博している。他著に『わたしは告白ができない。』『世界は「」で沈んでいく』『世界は「」で満ちている』など人気作多数。

「2023年 『小戸森さんちはこの坂道の上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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