コンサルタントの「軸」思考術

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569790688

感想・レビュー・書評

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  • 本書のキーワードは「軸」という事に絞られる。

    誰かと話をしている時、相手は何を軸に話をしているのか?という時の「話の軸」。

    会社の経営方針とも言える、「経営の軸」。

    自分の考えや行動の指針となるような、「自分の軸」など。

    全ての事に軸を意識すると、相手の話を理解しやすくなり、経営方針を浸透でき、確固たる自分を確信する事ができる。

    考え方次第で、様々な軸を作る事ができるだろうが、本書では代表的に2つの軸を紹介している。

    「ぶれない軸」と「整理分析軸」である。

           

    「ぶれない軸」

    自分の中に通る芯の様な軸である。

    これが無いと、周りの様々なモノに左右されてしまい、思考や判断がぶれてしまう。

    ぶれない軸の主体となるのは、あくまでも「自分」。

    「他責」ではなく「自責」が基本であるべきなのだ。

    浅い考えから業界の他社へ転職を繰り返す当業界の人間には耳が痛い話であろう。

    大切なのは、自分の軸を人と話し合う事であり、もし他の人の軸を自分よりもレベルの高いものであると感じたら、その軸に自分の軸を合わせていく必要がある。

    ぶれない軸とは、しなやかだが力強い軸である必要がある。

    この自分の軸を鍛える為に提唱している事は、以下の事である。

    ・自分年表を作る … 今まで生きてきた中で大切にしてきた価値観をあぶりだす

    ・ロードマップを作る … なりたい自分へ向けた未来への設計図を作る事

    今までの自分を省みて、自分の信条とも言うべき軸を作る事はスグにでも行いたい軸を鍛える方法であると感じた。

         

    「整理分析軸」

    一般的にフレームワークと呼ばれているモノを自分で作るような軸の作り方。

    7つの習慣にも紹介されている「緊急度・重要度のマトリクス」に近いモノをイメージするとわかりやすいだろう。

    例えば飲食店を選ぶ際にも、「値段」「サービス」「料理」「雰囲気」など色々な条件が考えられる。

    「今回は会社の飲み会だから、値段と雰囲気で選ぼう」とか「彼女とデートだから、サービスと雰囲気を大切にしよう」という事も軸をつかって情報整理をしているという事だ。

    軸を選ぶ事こそが、情報整理の肝になる事だが、その為には「問題意識」「目的意識」が重要となる。

    新聞や雑誌を読んだ時に、情報を流さずに考える事。

    これこそ整理分析軸を鍛える一番の方法である。

    問題解決のセミナーに行った時にも、「問題に対して3回以上の何故?を問う癖をつけよ」という事を伺ったが、全く同じ事が本書でも記載されていた。

    物事の本質を掴む、この方法を繰り返す事で、情報を知識のレベルに高め、実践できる認識にまで持っていく事ができる。

    既存のフレームワークを使った分析により、成果が出ないとか、納得感がない、というのは、この本質がつかめていない事が原因である事が多いそうである。

    トヨタの「何故を5回繰り返す」という事もこの方法であり、日常に取り入れられる施策の一つである。

         

    自分の軸ができたときに人生という風車が回り出す。

    フレーム(枠)やロジカルシンキングが大切なのは間違いない。

    フレームワークやロジカルシンキングの基盤に軸という方向性、目的・問題意識を作って、人生という風車を回す中心軸としていきたい。

    古書で315円の書籍だったが、大変勉強になる読書であった。

  • 某大分の友人が家に投げ捨てていった1冊。7つの習慣とかを言い換えただけだなぁという感じ。分かりやすく書かれていたので復習になった。

  • 非常に内容はシンプル。
    自己・組織の信念、ポリシーがあってこそのフレームワークである。
    というだけなのだが、
    現実の場でどのように軸の確かさが試されるか、あるいは応用されるかが
    この本の価値であろうか。

  • ほとんど当たり前のことが書かれているだけなので、読んでも無駄とは言わないがわざわざ読む必要はない。

  • コンサルタントの書いた本には二本の軸で4つの領域に類別された図が載っていることがありますが、その軸とはコンサルタントの視点や切り口であり、一種のノウハウのようなものだと認識しています。

    それを生み出すための基本的な考え方を、この本の著者である野口氏は「軸」思考術と名付けていてこの本で解説しています。情報を整理するときに大事なのは、何を切り口=軸にするかです。

    そのセンス(問題意識と目的意識が重要であるとこの本では強調しています(p118))を磨いて早く一人様になれるようにこの本に書かれていることを参考にしてレベルアップを図っていきたいものです。

    この本のエッセンスは、ストーリー力を磨いて軸力を磨くことにある(p177)ということのようです。

    以下は気になったポイントです。

    ・フレームワークという「枠」での整理だけでなく、その「枠」の間に横たわる1つのベクトル=軸を探す、枠そのものを整理しなおす判断基準こそが「軸」である(p20)

    ・フレームワークによる情報の整理分析は判断の土台づくりとなるが、「軸」思考では、更に踏み込んで自らの価値観を投影した判断・決断を下せる(p27)

    ・PPM分析やSWOT分析といった「整理分析軸」は、服で言えば既製服、使い勝手は良くても身体にフィットするわけでない(p46)

    ・整理分析軸よりも重要な「ぶれない軸」のもとになるのは、背景・位置づけ・立ち位置・信念・信条といったもの(p55)

    ・居食屋和民は、「たくさんのありがとうを集める」という「ぶれない軸」を形にして、介護ビジネスにも外食産業と同様の姿勢で参入した(p70)

    ・「ぶれない軸」を検証するには、1)その軸で、いまの状況を変えることが可能か、2)目先の利益にとらわれず将来を見据えているか、3)多くの人に共感してもらえるか、がポイント(p78)

    ・失敗した原因を分析したり改善策を練るには、自分の方の責任に沿って軸を立てると、自己成長に繋がる(p89)

    ・自分はいくらでも変わることができる、自分が変わることによって状況を変えることができるならば、その方が賢いやり方(p90)

    ・ただの分析が魅力ないのは、次の一手としての施策や戦略の仮説がにじみ出ていないから(p106)

    ・納得度が高くなる「軸」を設定するには、問題意識と目的意識が大切になる、それを持つには、情報量・知識量・認識力が重要になる(p118、122)

    ・問題意識をもつには、情報を知識に、知識を認識に高める努力をすること、「なぜ」「つまり」と問い詰めていく(p122、128)

    ・成功する一番の理由は、ビジネスに関わるメンバー全員が「このビジネスはきっと成功するぞ」と信じること(p135)

    ・軸力のある人の話し方は、「問題点→原因→改善策」=「なにをすべきか→なぜすべきか→どうすべきか」というように順序立てて整理して話すことができる(p143)

    ・軸力を磨くとは、「キーワード発見力」「キーワード評価力」「キーワード創出力」「キーワード活用力」である(p151)

    ・ロードマップの書き方、右斜め45度に時間軸をとり、X軸とY軸に2つの重要と思われる要因を書く(p169)

    ・ストーリー力は「ロジック=整理分析軸を使いこなすこと」×「パッション=ブレない軸が明確にあること」で磨かれる(p177)

    2010/09/19作成

  • 軸で捉える事、軸をどう設定するかの基本的な考え方のキッカケにするには良い本です。ビジネスマンの若い人に読まれることを期待します。

  • 軸を持った会話をする。
    話しの内容がぶれないように、常に自分にとっての軸は何かを意識する。

  • p.63 周りの様子を見て周りに合わせるのでなく、自分で考え結論を出して行動する。
    p.106 フレームワークで分析しても整理はできるが、普通の答えしか出ない。
         分析の次の一手としての施策や戦略の仮説がにじみ出ていない
         「べき論」や「表面的」なものになりがち
    p.168 ロードマップで未来に向けての軸を作る
        自己成長のための未来図
    p.177
    ストーリー力は軸力がある人を見定める指標 
        ストーリー力=「ロジック×パッション」

    我が信条 = プリンシプル = ぶれない軸

  • 運命よ,其処をどけ!俺が通る(笑)。白州次郎,吉田松陰,杉原千畝,上杉鷹山。シャープは液晶と言う軸を棄てられなかった。自分年表アプリ。

  • 読了:2011.06.11(土)

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著者プロフィール

株式会社HRインスティテュート代表取締役会長

「2014年 『30ポイントで身につく! 「マーケティング思考」の技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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