お金の流れが変わった! (PHP新書)

著者 :
  • PHP研究所
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レビュー : 246
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569791630

感想・レビュー・書評

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  • 1.この本をひと言でまとめると
     個人金融資産とホームレスマネーで経済成長できる

    2.お気に入りコンテンツとその理由を3から5個程度
    ・日本の政府に未来を託してはいけない(p96)
      ⇒その通りです。政府に頼らない生き方を自分で考えていかないといけない。
    ・フィリピンはIQ国家(p104)
      ⇒全然そんなイメージなかったです。東南アジアもレベルが高まってきているなぁという危機感を教えてもらいました。
    ・マクロ経済は効かない(p.118)ボーダーレス化、サイバー経済、マルチプルが原因(p118)
      ⇒現在の経済で日銀がほとんど役に立たないのがよくわかった。
    ・国民から資産をまきあげる(p154)
      ⇒本当にやりそう。自己防衛を考えるきっかけを与えてくれました。

    3.突っ込みどころ
    ・原発の安全性は高まった(p187) → 全ての原発ではなかった。今読むと空しい。
    ・日本で資産課税をすると個人資産が減るので、個人資産を裏付けとして買われている日本の国債は暴落するのではないか?(p204)
    ・p201日本経済再成長の処方箋 → 具体的内容で面白いが、実現には政治の強力なリーダーシップが必要。本当に実現性あるのか?


    4.自分語り
    ・批判するだけでなく、対案を示しているところがよい。
    ・国債暴落はすぐ近づいているという危機感を持たせてくれたのはよかったです。
    ・新興国の期待感、それに対して日本の政治の駄目さ…「この国を出よ」をもう一度読みたくなりました。

    5.類書
    ・p200で紹介されていたネクストマーケット(英治出版)は読みたくなりました。

  • お金の流れが変えたのは、ホームレス・マネーの存在。ホームレス・マネーとは、投資先を探してさまよっている不要不急で無責任きわまりないお金である、約4000兆円。
    ホームレス・マネーは高いリスクを求めて、さまようため、それに翻弄されることもある。ホームレス・マネーの投資により不動産バルブが起き、それが崩壊した例がある。サブプライムローンもホームレス・マネーが関連している。
    経済成長が頭打ちになり景気低迷している日本は、やはり外国から資金を集めるしかない。
    一つ目は日本独自の技術輸出、これまでのように個々の技術ではなくシステムの売り込み。例えば、鉄道+電子マネー+都市開発のようにパッケージで売り込む。
    二つ目は魅力的な都市開発。東京の湾岸地域を開発して職住接近の都市を作る。そのためには建ぺい率の規制を緩和する。それにより東京への投資を呼びこむ。
    三つ目は観光の目玉を作り、外国人旅行客を呼びこむ。
    なお、東日本大震災の発生前に執筆されたものであるので、筆者は原子力発電の輸出も唱えているが、今は、それは難しいだろう。

  • 大前研一は二冊目。
    そして、民主党は政権を失ったか・・・
    日本が変わるチャンスだったのに。

    後半の湾岸都市構想は面白い。

  • 震災前に発刊された本なので、原子力技術に対する世界的な受け取り方に対する変化は織り込まれていませんが、正論が論理的で理解しやすく記述されています。正論が常に正しいわけではないし、有効であるわけではないけれど、世の中の動きに対する視野を拡げるという点では古さを感じさせない本です。

  • 相変わらず、歯切れよく、リズムよく、今起こっていること、これから起こるであろうことが書かれていて、集中して読めた。

    要は、日本経済の復活策には貯蓄をいかに流動させるかにかかっている、という当然のところではあるが、現実可能性に聞こえる案がたくさん書かれていて、今回も大前マジックに掛かってしまいワクワクしながら読めた。

    最後の『シャッター街を活性化させる方法』にある『一等地にあるシャッター商店街を株式会社化する』という案は垂水商店街でも商店主を口説ければできないことはないし、実現すればこれほど楽しいことはない。

  • 今年のあるビジネス誌によると、ビジネス・パーソンにとって大前研一氏は一番好きな著者であると同時に、一番嫌われている著者でもあるらしい。わたしは彼を評価している。なぜなら彼の提言には実現性とイノベーション性、そして客観性が備わっていて、他者の内容の薄い提言を圧倒していると思うからだ。
    【特記事項】
    ●世界経済を左右しているのは、数百人のトレーダーと「ホームレス・マネー」である。
    →ホームレス・マネーとは投資先をすぐに変えてしまうような流動的資金で、ノルウェー・スウェーデン・カナダ・オーストラリア・アメリカ・ドイツ・イギリスなどの、とくに年金基金などの余剰資金。中東産油国・ロシアのオイル・マネー。そして中国マネーである。
    →世界経済を左右している証拠として、
    ・中東の油田コストは1バレル=2ドルほどなのに、それが100ドルほどに上昇しているのは投機筋によるものである。
    ・ウクライナ、ブルガリアなどでも首都では不動産が非常に高騰している。

    ●グローバル化によって金の流れに国境がなくなった結果、ケインズ流の不況下における財政出動拡大、金利低下といった政策は無意味である。
    ・インドネシアは経済発展がすさまじいし、親日国だから要チェック。
    ・フィリピンは教育力は高いが失業もすごいので、コンピューター技術者がハッカーになる率が世界一ともいわれる。ゆえに大手セキュリティー会社はフィリピンに事務所を持っている。
    ・長野県でコメを作っているある農家はJAを介さずに自分でネットをたちあげて売った結果、売り上げが上がった。
    ・経済は今、グローバル化、サイバー化、マルチプル化といった要素で動いている。サイバー化とはITの発達ゆえにジャストインタイム式が標準になりつつあること、そしてマルチプル化とは、経営には確率計算のようなものが欠かせず、株や為替などに習熟しておくこと。

    ・ブルドックソース事件の最高裁判決が、日本市場に外国資本が入ってくるのを阻む最大の要因となっている。
    ・郵政の前社長西川氏は、2割を国債以外で運用していたが、財務省から送り込まれた社長斎藤氏は、国債で全額運用しようとしているらしい。

    ●大前氏の提言
    ・大前氏なら、ロシアの首相になったら三菱自動車の株を買うらしい。なぜならパリダカで鍛えられた三菱車は、雪の多いロシアでは人気だから。
    ・大前氏なら、日本航空はいったん国有化するのではなく、JR東日本に買ってもらう。そうすると、空と地のコラボが実現する。
    ・日本の鉄道モデルは世界市場に参入できる。鉄道だけではなく、駅に隣接したモール、電子カードなど他のジャンルのビジネスを一体化しているから、ワンセットとして売り込めるし、私鉄があるおかげで世界の都市がスラム化する中、日本はスラム化をまぬがれている。そうした利点を訴えていけばよい。
    ・貧困層に焦点を絞ったビジネス展開。たとえばシャンプーでも一回きりのサイズで売っている。そうすれば安くて必要な分だけ買えるし、しかも数多く買ってくれるから利益もでる。ユニリーバの子会社は、シャンプーを売る前に、まず綺麗な水が必要ということで無料で浄水器を配った。それが功を奏した。
    ・『ネクスト・マーケット』
    ・減価償却期間を短縮するだけで企業にとって大きなメリットとなる。でもこのことを小渕首相に話したら、納得してくれたが、帰宅後電話があって、「ところで減価償却ってなんだ」という話になった。政治家は単年度予算の頭だから減価償却の概念を知らなくて済んだ。
    ・商店街が活性化できないのは、組合なので、ひとりでも反対すると進まないから。だから株式会社にして真摯な企業に3分の2を持ってもらえば良い。

  • ホームレスマネーについて知りたくて読書。

    著者の本はいつもながら斬新なアイディア満載である。しかし、著者の個性が強すぎるのか、アンチも多い印象を受ける。本書もそうであるが、自分の実績を強調するような記載がある。それでも、それらを含めても著者の本は参考になる部分が多い。

    海外志向が少ない日本人、特に若年層に顕著なように感じる。3月に学生時代から積み立ててきた大手某銀行の定期を解約して、それを香港金融機関へ移動させたが、解約手続きを待つこと約1時間、使用目的をまで聞かれるありさま(うん十万円の金額なのに)。庶民ながら閉鎖的な一面を感じる経験だった。

    すでに従来のマクロ経済の原則は時代と乖離してきており、日本の経験や技術を海外で役立てることで、新しい価値や利益を生み出し、日本の存在を感を高めることが重要となると思う。そのためにはまず、日本人自身がさらにグローバル化することが先決だと思う。

    日本で普通に生活していると危機感も薄く、海外を意識することは少ないと思う。しかし、日本のGDPが15年も横ばいである現実を考えると、10、20年後の自分たちの姿は容易に想像できる。

    第4章の原発輸出で批判を受けているそうだ。確かに本書の時点では、やもえないと思われる。しかも原子力工学の博士号なんて紹介しているからなおさらである。これも有名人の宿命だろう。

    原発はさておき、鉄道、ターミナル駅、浄水技術、耐震、TVゲーム、ラーメンやカレーも含めた飲食、化粧品などまだまだ勝負できる分野や商品は多いと思う。

    何か起点となるのか、そして、それに官民一体となって集中投資できるのかがポイントだと考える。

    本書はロサンゼルスのブックオフで購入しています。

    読書時間:約50分

  • 抽選に当選し無料で手に入れたため読破。

    これまで何冊か大前研一の本を読んできたが、
    今回は一番良かった。

    どの点がよかったかというと、
    時流に乗った最新の情報に触れられたことだ。

    大前研一の本は刊行されてすぐ読むのが一番良いと感じた。

    またこの本を読むと日本にはまだまだポテンシャルがあるなと、
    日本もっと頑張れと思える内容になっていて非常にテンションが上がる。

  • 震災前に買って読んだ本ですが2012年に7月に再度読み直しました。原発以外は説得力があります。特に日本国債暴落に関してはいよいよか、という気構えでいたいところですが、それに対してどうしたらよいかという一番知りたい対処方法などの説明がないのが残念でした。

  • 世界経済の新ルールを示して、日本人にチェンジすることを提言する一冊。
    とてもわかりやすく解説されており、勉強になります。
    「最先端ではなく、昔の芸で十分戦える」との一節に共感しました。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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