挫折力―一流になれる50の思考・行動術 (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569791968

感想・レビュー・書評

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  • 挫折とは、自分の能力以上のことに挑戦した(成長しようとした)証拠である。という趣旨のことがいろんな角度から書いてある。

    スラムダンクの、『「負けたたことがある」というのが、いつか大きな財産になる』という名言(山王工業監督)を思い出した。

    P189
    好きなことと向いていることが、容易に重なり合ってくれないのが人生なのだ。あまり好きでないことでも、そこにやりがいを感じたり、才能を発揮できたりするのなら、そのジャンルを大事にしたほうがいい。

  • ・学ぶ姿勢としては、ある意味で謙虚さが必要であり、そういう姿は日本人的には美しいかもしれない。だが悪く言えば相手に合わせるために、自分を押さえ込んでいる。これは答えのない問題を考えたり、あるいは問題設定さえ自分で行い、自分なりの答えを創造していく際には、マイナスに働くことが多い。
    ・必死に自分の頭で考え、自分で仮説を生み出して、挫折を繰り返しながらたどり着いた「自分流」こそが正解なのだ。そしてその過程において生まれた「勉強不足」の意識こそ真の学ぶ姿勢である。そこからの学びこそが、真の知識や知恵を私たちに与えてくれる。まずは、「正解は一つではない」いや「正解は誰も持っていない」と考えてみることだ。そのことが自由で新しい発想を生み、新たなチャレンジを生む。もちろん新たなチャレンジは失敗、挫折を呼び込むだろうが、それをしたり顔で安全な場所から批判する優等生評論家などくそ食らえ。
    ・ただ生意気ならばいいというものではないが、生意気でなければ伸びないことも確かだ。まずは上の人間を恐れず、空気も恐れず、どんどん食ってかかる。
    ・あるときは、事実と論理に立脚し、またあるときは情に訴えて。押し問答や小競り合いも続けながら、ごまかしごまかしやっていった。そうやって従来のやり方を「大きく逆戻りさせない」ということに力を注いだ。
    ・自分は明らかに正しいと信じていても、「白黒つけよう」と短気を起こすのはむしろ逆効果のようだ。議論に勝っても状況が変わるわけではないし、負けたらそれで終わりだ。
    ・改革のために人の心をつかもうと思ったら、きれいごとばかりでは通用しない。
    ・生活のリアリズムなきインテリ優等生たちは、国内にも海外にも「普遍的正解」がみつからないと、今度はタイムマシンに乗って「あの頃はよかった」という話になってしまうのだ。
    ・自分の仕事の「成果」とやらを、自分が持っている「肩書き」や「地位」とやらを、一度客観的に眺めてみよう。それは本当に守るに値するようなものだろうか。一回きりの人生において、いかほどの価値を持っているモノなのか。
    ・権力作用がもっとも難しく、かつ重要な意味を持つ局面は、組織の有事、すなわち組織構成員組織内の既得権者に痛みをもたらすような改革が必要なときである。 「自分が力さえ持っていればこうするのに」などと単純に考えずに、なぜできないのか、なぜ失敗するのかをしっかり観察することだ。逆にうまくいっているケースと何がちがうのか。
    ・経営力をあえて単純化すると、的確なタイミングで正しい意思決定を行う能力(意思決定力)と、それを迅速かつ適切に実行する能力(実行力)の掛け算となる。前者は経営陣を中心とする経営インテリジェンスに関する組織能力であり、後者は現場やミドルを中心とするすり合わせや指揮命令系統に関する組織能力だ。
    ・この両者を高めるのが理想だが、この間にはトレードオフが起きやすいという問題がある。
    ・本来、逆方向に作用するものを折り合わせるのに、一般的な正解はない。リーダー自身が、どちらからも逃げず、二つの力の板ばさみになりながら、必死にやり繰りしていくしかないのだ。そこからその状況で機能する固有の答えが見つかるはず。とにかく逃げないことである。
    ・そもそも「こうすればこうなる」という解の公式のようなものがあれば、ビジネスマンは苦労しない。人間の消費行動が読めないから、失敗を繰り返しているのだ。結局のところリーダーは、トライアンドエラーで学んでいくしかない。
    ・人が人に対するときは、最後はいかに人の心に作用できるかが問われてくるのだ。
    ・より多く失敗し、挫折したリーダーほど人の心を推量しやすい。
    ・今以上でも今以下でもない、ありのままのあなたにとって、今の生き方はあなた自身の人生なのかを問い続けていくことが、これからますます大事になると思う。

  • 挫折力をどう生かすか?

    →人間は失敗からしか学べない生きもの
    小さな成功体験に囚われてはいけない
    挫折は外部環境に起因する運命であり、他人のせいにして人生のしがらみをリセットできるチャンス

  • 黒川先生のブログに確か紹介されていて、本屋で衝動買いをした本。通勤電車の中で30分あれば骨子は分かる。こんな読み方して著者には申し訳ないけど。

    そうだなあ、と思ったこと。

    挫折の経験は大切である。

    自分で考えない受験エリートは多い。試験が一意的な正解選択と暗記ゲームになっているから、正解が一つでないリアル/ワールドとの齟齬を来している。

    人は善意でもって悪行を行うことはある。裏切り者にも三分の理

    合意形成には時間がかかる。ドブ板選挙的に少しずつ見方を増やしていく。51対49まで時間をかけて合意を得ればよい。挫折を知らない人はこれが苦手(これはナッシュ均衡にも当てはまりますね、チュニジアやエジプト、リビアの動乱にも)。

    「昔はよかった」「今の若いものは」と言い出したら、それはヤキが回った証拠である。昔のほうがたいていのことは、悪い。

    読むべきは文学、哲学、歴史学、政治学、経営学の本(岩田は経営学の本はあまり読まなくてもよいと個人的に思うけど、、、)。

    内向きなのは若者ではなく、むしろ上の世代。

    なるほど、挫折は人を育ててくれる。さて、問題は挫折は狙ってできない、、、ということである。若いうちの苦労は買ってでもしろ、、、というが、苦労は挫折と同義ではない。計算された失敗も挫折ではない。失敗を見込んでプロジェクトを立ち上げて、それがうまくいかなくても「想定範囲ない」だからだ。3割目標のバッターが3打数1安打でも、2つのアウトを「挫折」とは呼ばない。

    挫折とは、挫折したくないと心から願っていて、それでもする挫折を言う。これを狙ってすることは原理的に不可能である。

    それに、挫折が成功の糧になるのは一部の成功者だけであり、これが失敗のスパイラルのきっかけになる人だって多い。ベンチャー企業を立ち上げるアメリカ人の大半は失敗する。刑務所に入った経験が人を大きくする美談はあるが、たいていのひとはそうならないから美談なのである。

    僕は挫折から立ち上がるメンタル・タフネスの涵養の仕方に興味があるが、まだ分からない。本書の著者は最初から挫折を克服できる人だから、克服できたのだ。というわけで、帯にある「打たれ強さ」の鍛え方、というのは本書では分からない(と僕は思う)。さて、どう考えるべきか。悩みは続く。

    どうでもよいが、「なんとか力」とかいう陳腐な本のタイトルはもうやめたらどうか。どうせ編集部が考えたのだろうけど。「一流になれる50の思考・行動術」というタイトルもいかにもPHPらしくて面白くない。これも著者の文体からはちょっとずれていると思う。

  • 敗因分析(過去の失敗した自分を別人格として捉え、自己観察をする)
    引き算ができるリーダー

  • 人口が減少し、ビジネスサイクルも短期化している日本人は、今後否が応でも挫折とは不可分の人生になる。常に挑戦を続けなければ企業は淘汰されるが、挑戦が増えれば失敗も増える。ここで必要となるのが「挫折を生かす力」=「挫折力」である。

    「悩んでいる暇があったら、とにかく働け」どんなに不本意な仕事かにかかわらず、与えられた役割の中でめちゃくちゃ働いてみる。悩むのは「うまくいかないのではないか」と考えるからで、必死にならざるを得ない状況の方が、余計なことを考えずに済む。
    マスコミで話題になるような話は、大抵うまくいった部分を取り上げるので、そこら中で成功者がうようよしているような錯覚に陥る。しかし現実はその背後に死屍累々の失敗プロジェクト、挫折プロジェクトが横たわっている。

    挫折を恐れるのではなく、成功なための必要因子であるとポジティブに捉え、積極的に挑戦の機会を増やしていこうと思える一冊。

  • ☆筆者1960年生まれ1983年東大卒 2回目で司法試験合格 ソロモンブラザーズ 産業再生機構設立時に参加

    挫折→自分の能力以上のことに挑戦した証拠 メリット→打たれ強くなる、過去をリセットできる、次の戦いに活かせる、自分という人間がよくわかる

    韓国経済 1997年IMF支援→時代遅れのシステムを外圧の元に一掃

    有事に立ち向かえるのは覚悟とマキャベリズムを備えている人間

    弱小、内紛まみれの組織の中で育った人間ほど、権力を操る能力を身につけられる
    ×エリート意識、優等生 日本型教育 アメリカでは…、経済学では… 正解探し

    挫折体験が履歴書の核になる 挫折のドラマを持っている人

    禍福は糾える縄の如し 忙しければ悩まない→とにかく働け やるしかないの覚悟

    自分の負け戦を他人ごとのように予想し備えておくもう一人の自分 信長桶狭間の戦い 敗因分析→過去の自分を他人だと思う

    挫折経験→ストレスに対する免疫

    第3章 会社組織の人間関係の記述 敵、味方…

    第4章 捨てる覚悟を持つための技 下手な延命措置はむしろ会社の寿命を縮める
    「私と仕事どっちが大事なの?」☆役に立つ記述なし
    昔の日本は良かった→妄想、単なる精神論

    第5章 リアルな権力を使いこなす技 課長であってもトップリーダーのつもりで考え行動する 上司もコマの一つに過ぎない
    文殊の知恵も3人まで→意思決定が遅いほど中身もなくなる

    リストラ、賃金一律カット、成果主義導入 コンサルタントは成果主義に向かいやすい
    日本で成果主義は意外と通用しない→日本の企業の場合、力の源泉が集団智によるところが多い・同じ情報を共有しそこから知恵を出す☆的確な分析だが、前後の文章との繋がり、内容が薄い

    経営に解の公式は存在しない→リーダーが苦心惨憺(くしんさんたん・☆苦心はあれこれ心をくだいて考えること/惨憺は心をくだき悩ますこと)してひねり出したテーラーメイドの処方箋のみが、本当に人を動かすことができる。

    内村鑑三的タイプとマキャベリタイプ☆内村をよくわからない・マキャの真逆の例か?情に厚い人なのか?

    ☆「挫折したことありますか?」を思い出す/仕事での挫折対策の内容/恋愛の内容なし

  • なるほど、冨山ほどの人にも挫折はあったのか。挫折は避けるものではなく、成長のために欠かせないuncortableな経験だと実感した。

  • はじめに―若者(及び若き心を失っていない中高年)たちへ
    第1章 挫折こそが成長への近道
    第2章 ストレス耐性を高め、挫折と折り合う技
    第3章 人間関係の泥沼を楽しみ、糧にする法
    第4章 捨てる覚悟を持つための法
    第5章 リアルな「権力」えお使いこなす技
    おわりに

  • 著者の実体験からの、挫折に関する見解は説得力があるし、参考になる。

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著者プロフィール

冨山 和彦(トヤマ カズヒコ)
株式会社経営共創基盤(IGPI)グループ会長
1960年東京都生まれ。東京大学法学部卒業、スタンフォード大学経営学修士(MBA)、司法試験合格。ボストン コンサルティング グループ、コーポレイト ディレクション代表取締役を経て、2003年に産業再生機構設立時に参画し、COOに就任。2007 年の解散後、IGPIを設立。2020年10月より現職。日本共創プラットフォーム(JPiX)代表取締役社長、パナソニック社外取締役、経済同友会政策審議委員会委員長。財務省財政制度等審議会委員、内閣府税制調査会特別委員、内閣官房まち・ひと・しごと創生会議有識者、国土交通省インフラメンテナンス国民会議議長、金融庁スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議委員、経済産業省産業構造審議会新産業構造部会委員などを務める。主な著書に『なぜローカル経済から日本は甦るのか』(PHP新書)、『コロナショック・サバイバル』『コーポレート・トランスフォーメーション』(いずれも文藝春秋)などがある。

「2022年 『両利きの経営(増補改訂版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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