日本経済「余命3年」 <徹底討論>財政危機をどう乗り越えるか

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569792910

作品紹介・あらすじ

無策な民主党政権を一喝!五つの戦略でこの国は必ず甦る。

感想・レビュー・書評

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  • 著者たちの主張、処方箋は概ね理解できた。が、現実とのギャップにどんよりした。裕福な高齢者にも年金医療介護などで公費投入されているとか、要は再分配が機能していないという点。そして世代間の不平等、財政危機。
    池田氏がさらっと「小泉改革で格差は縮小した」と、今まで私が読んだ本とは反対のことを言っていて根拠を示して欲しかった。経済がよくなると格差を問題にして「構造改革の光と影」とか言い始める人がいるんだそうだ。
    法人税の話をもっと知りたいので他の著作も読んでみたい。

  • 図書館

  • 2/14からの確変フィーバーが終わった後
    自分の資産についての今後の扱いを
    どうしようかを考えています。

    <前書き>

    9月17日に日本銀行が発表した統計によると、6月末の段階での国と地方の債務残高が1035兆円と、初めて民間企業の債務残高を上回りました。これは政府予算が膨張する一方、民間の経済活動が停滞し、債務が減ったためです。政府債務はGDP(国内総生産)の2倍を超えるという先進国では最悪の水準に達しましたが、2011年度予算の概算要求も96.7兆円と昨年より膨張し、財政再建のめどは立ちません。



    私が就職する以前から「日本は破綻する」 「ハイパーインフレがやってくる」と
    ずっと言われてきました。

    しかし、世の中にはリフレ派という経済学者達がいます。
    彼らは日本の債務残高がさらに大きくなったとしても、財政危機にはならないと主張しています。
    実際にこの20年間は日本には財政危機は来なかった。


    <引用>
    欧州ではギリシャを初めとして各国で財政危機が表面化し、日本でも同様の事態が起こるのではないかと憂慮する声が強まっています。しかし債券市場では長期金利が1%を切る水準まで低下し、外為市場では円が買われて15年ぶりの高値をつけるなど、市場は財政リスクをあまり意識していないようにみえます。
     
    このように潜在的なリスクの高い債券が高い価格(低金利)で取引される現象は、2000年代前半の欧米にもみられた現象で、一種のバブルになっている可能性があります。しかしバブルのむずかしいところは、その最中には誰もが正しい価格だと信じて取引していることです。特に日本国債のドル建て価格は、ここ20年近く上がり続けており、これがバブルだとすると、史上最長のバブルだということになります。このため「財政危機論は狼少年だ」と嘲笑する向きもあります。
     
    政府・与党の中にも、楽観論があります。亀井静香・前財政金融担当相は「財政危機はフィクションだ」と公言し、「政府の借金は税金を取ればいくらでも返せるんだから、財政危機はありえない。不況のときは財政赤字を恐れずに公共事業を増やせ」と主張しました。税制調査会の専門家委員長である神野直彦氏は「政府債務を元利すべて返す必要はない。政府債務は借り換えられるのだから、ずっと借り続ければよい」と主張し、社会保障支出の増額を主張しています。



    でもね~ いよいよ来ると思うんですよ。
    私は自分を「遅めのアーリーアダプター」 「早めのアーリーマジョリティ」だと思っています。

    <引用>
    なお書名に「余命3年」と入れたのは、61ページで竹中氏が「全治3年」という楽観論に対する皮肉としておっしゃったものです。これは、あと3年で日本経済が絶命するという意味ではなく、今のような奇妙に安定した状態はあと三年ぐらいしか続かず、それまでに何もしないと、それ以降はどういう不測の事態が起こるかわからないという意味です。


    私のアンテナが最近ピリピリと反応しているのです。
    資産だけでもひとまず日本から逃げるのだと。                 

       ・・・  やはりスイス銀行だな

  • 池田さん、鈴木さん、土居さん、竹中さんと好きな経済学者が勢ぞろいしてたので読んでみた。それぞれ専門分野が違うのでおもしろい。
    竹中さんの"規制仕分け"のアイディアは本書で知った。
    「この規制はホントに必要なんですか!?」みたくやっていくモノらしい。

  • 徹底討論と銘打っているものの、それぞれ意見がぶつかり合うようなことはなく、ほぼみんなが同じような改革を望んでいる。
    経済学者からすれば当たり前の事ができずに陥るべくして陥ってしまったというのが現状らしい。
    なぜ当たり前のことができないのか、
    人口1億以上もの大国で権力の集中を嫌う空気の中、純粋に民主的な方法で多くの改革を進めるのは無理なんだろう。

  • 池田信夫氏が司会を務め、竹中平蔵氏などが日本経済について語る。
    世代間格差や社会保障、成長戦略や政争の内情など、興味深い内容を分かりやすく書かれている。

    2010年の本なので震災の影響は反映されていないが、経済を様々な角度から眺めてみたい時にオススメ。

  • 竹中平蔵, 池田信夫, 土居丈朗(財政), 鈴木亘(社会保障)という経済問題で気が合う面々の座談会を書籍化したもの。こういう固めのテーマは書き下ろしの方がよい。意見の相違がないのだから、ますますそう思う。

    議論のテーマは、日本の財政問題、社会保障、労働市場、など。語られていることは大枠で正しいように思う。震災前に出版された本だが、この上さらに震災によるマイナスを乗り越えて世界の中心に日本が躍り出ることは不可能ではないかと思えてくる。
    とにかく小泉・竹中の改革を何の検証もなく悪政のように語らせてはいけない。政治的にその方が受けると認識している政治家も多くいるようではあるが。

    それにしても最近のドタバタを見ても議会制民主主義はもう機能しないのかもしれないと思う。特に日本では。著者らは真の政治主導をと言うが、果たして可能性が少しでもあるものなのだろうか。「民主政治は最悪の政治形態だ。これまでの他のあらゆる政治形態を除けば」というチャーチルの言葉が分かるような気がする。事態に対して投げやりなわけではないのだが。

  • 民主党政権を含め、日本経済の5つの問題について、4人の経済学者が議論している作品。標準的な経済政策のパッケージとして読んでおく必要のある本。ただし、経済政策の主流派についてブレが起きつつあることを勘案する必要がある。

  • 経済の視点からの政治批判。
    なんでそうなっちゃうの?と思ってたことが普通の感覚でも理解しやすくて読みやすかったです。

  • 民主党政権はなぜ経済成長を唱えないのか。

    至極まっとうな議論の本。

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著者プロフィール

1951年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部教授、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所所長。経済学博士。一橋大学経済学部卒。日本開発銀行、大蔵省財政金融研究所主任研究官、ハーバード大学客員准教授等を経て、現職。2001年小泉内閣で経済財政政策担当大臣、2002年に金融担当大臣、2004年には郵政民営化担当大臣を兼務。2005年総務大臣。この間、2004年には参議院議員。2006年小泉内閣の解散とともに辞職。著書に『研究開発と設備投資の経済学』(1984年、サントリー学芸賞受賞)、『対外不均衡のマクロ分析』(1987年:共著、エコノミスト賞受賞)、『日米摩擦の経済学』(1991年)、『民富論』(1995年)、『経済ってそういうことだったのか会議』(2000年:共著)、『構造改革の真実――竹中平蔵大臣日誌』(2006年)、『闘う経済学――未来をつくる[公共政策論]入門』(2008年)、『改革の哲学と戦略――構造改革のマネジメント』(2008年:共著)など。

「2013年 『パターン・ランゲージ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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