地球200周!ふしぎ植物探検記 (PHPサイエンス・ワールド新書 37)
- PHP研究所 (2011年1月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569795287
作品紹介・あらすじ
世界一大きく、世界一臭く、七年に一度咲き二日でしおれるショクダイオオコンニャク(インドネシア)。その存在は伝説として知られていたものの、現地での撮影に成功した者は世界でもほとんどいない。その中の一人が、自然写真家として地球200周分の撮影旅行を重ねてきた著者である。本書にはこの花の貴重な写真のほか、土のなかで咲くランなど「進化の極み」ともいうべき植物の姿を紹介。不思議な進化を遂げた理由、巧みな花粉の送粉システムにも迫る。
感想・レビュー・書評
-
新書文庫
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ショクダイオオコンニャクやラフレシア、珍しいランなどなどを全12章にわたって、それらを求めて行った探検の様子から送受粉のしくみまでをわかりやすく解説したエッセイ。淡々と、なんでもないように珍しい植物との邂逅を扱っていますが、想像するに、とんでもない探検ではあると思うのです。砂漠で野宿していたり、標高4500メートルの高地で植物を撮影していたりですから。地球200周と銘打ってありますが、著者は空路、海路、陸路、あわせてそれくらいの距離を旅してきたそうです。だからこそ、調査慣れしているから、たんたんと簡単な調子で、苦労を感じさせない強さでもって文章をつづっているのかもしれない。それにしたって、いろんな植物がその繁栄のために、昆虫などとの共生関係を結んでいるのがわかります。うまく相互にWinWinの関係でなりたっているんですよねぇ。共生、共進化というものは深くて興味深いテーマです。えてして、人間は独自に狡猾なその知性によって、自らの手で進化してきたかのように感じる人もいるでしょうけれど、人間だって共生、共進化なしには今のようなカタチにはなっていないでしょう。そこを、「そうかな?」だとかってピンとこないのは、人類の驕りなのだと思います。ぼくもあんまりピンとこないほうなので、まだまだ驕りの人類のひとりであるのでしょうね。
-
所在:展示架
資料ID:11002154
請求記号:470.4||Y24||037 -
「ジャポニカ学習帳のひと」と聞いて何人の方がピンとくるでしょうか。
あの表紙の写真をひとりで撮り続けているのが本書の著者。
奇妙な植物たちの巧妙な生き残り戦略の解説もさることながら、撮影に至るまでの苦心をドキュメントタッチでかなり読ませる。
まったくの初見だったのはリザンテラ・ガルドゥネリとヒドノラ・アフリカナ。どんな植物かは、ぜひ本書をお手にとって確認してみて。 -
ショクダイオオコンニャクやラフレシア、蘭に興味のある方はぜひ読んでみてください!筆者が何年も自生地で観察した植物の野生本来の良さが表現されている一冊。