苦しまなくて、いいんだよ。

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569796284

感想・レビュー・書評

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  • 「ほとけのおしえ」としての仏教の本来の姿と言ってもいいのではないかな、対機説法の実践集のような本。
    思い当たる部分もあり、自分はちょっと違うなと感じる部分もあり、その変幻自在なところが対機説法の面白いところで。

    対機説法的な部分とは別のところで面白いと思ったのは、「しらずしらずのうちに」という言葉に「知らず識らずのうちに」と漢字を当てているところ。
    引用すると「人は自分の心に対してとる態度を、知らず識らずのうちに他者とのコミュニケーションにおいてもとってしまっているのです」という文。
    「知識」と一括りにするけれども、「知る」と「識る」とでは微妙に違うというか。「聞く」と「聴く」くらい違う。
    この箇所を読んで、「しらずしらず」は同じ言葉を繰り返しているのではなく、違う言葉を並べているのではないかな、と思った。
    上手く言葉にならないのだけど、「知る」は理性的な理解、「識る」は感性的な理解、かもしれない。
    「わかっちゃいるけどやめられない」のは、「分かっているけど解かってない」なのだろう、たぶん。

    この本が2011年の2月に書き上げられて、4月に出版されているのも、偶然ではあるのだろうけど、何か巡り合わせのようなものがあるのかもしれない。

  • 「苦しまなくて、いいんだよ。」タイトルからしてめちゃくちゃ優しいではないか。
    最近聞いたプラユキ師の言葉で「苦があることと、苦しむことは違う」というのがあって、その言葉にも救われた。
    手動瞑想を続けて、約半年。目に見えて変わった、とまでは言えないけど、長時間はまり込むことなく、短時間で「今ここ」に復帰できるようになったような気がする。
    今苦しみの中にある人に、プラユキ師と手動瞑想をお勧めしたい。
    もともと2、3週間で効果が出始めると聞き、コロナ禍で時間もあり、それくらいなら続けられるかもと思って始めた。2、3週間後、それまでの私なら絶対できなかった、しなかったようなことができた。結果は失敗に終わったのだが、行動を起こせたことでモヤモヤが消えてスッキリした。これって手動瞑想の効果⁉︎とか思って続けることにして、今に至っている。

  • 上座仏教は根本仏教、原始仏教ともいわれ日本の仏教よりもどこかストイックな感じや、本当に悟りや涅槃を目指したようなものだと知りました。
    後にプラユキ師の存在を知り、図書館でこの本を借りてみました。

    タイトルはなんだか軽い感じ。
    よくある自己啓発的な感じであったり、お坊さんの書いた本でも似たようなタイトルはありますよね。

    しかし、読んで驚きました。

    基本的にはお寺に体験に来られた方との対談方式で、その方の問題を解決していき、後にレクチャーとしてより深く洞察していくという流れで全5章で構成されています。

    説明が難しいのですが、とにかく解説や洞察が明確であり、ほとんどがブッダの教えを元にしていて、ましてや上座仏教なのでブッダの教えをダイレクトに説かれているので説得力があります。
    そしてやはりプラユキ師の説明が上手いのだと思います。

    今までお坊さんの本などは何冊も読んできましたが、(難しい本は読んでなかったからかもしれないが)生きたブッダの教えとはこういうものだと実感できます。

    このような現実世界に即した教えには出会ったことが無かったように思いました。

    ブッダは世の中は「苦」であると言ったような曖昧な記憶がありましが、そうではなく、
    苦はあるが、それをどのように無くしていくかということが肝心。
    抜苦与楽。
    方法として四聖諦、八正道などありますが、その理論を例をもってわかりやすく解説さています。

    その他いろいろなブッダの教えが説明されていますが、タイのお寺では瞑想も実践されますので、この仏教以外の瞑想を
    されていても何かが違うというようなケースも取り上げられています。

    そもそもブッダの教えは説法とあわせて瞑想が大切なのです。

    しかし、そのブッダの瞑想法は日本の仏教各宗派ではあまり教えられていません。
    そんな瞑想方法を取り入れ「気づき」得て、あわせて仏教の理論でもって人の心に宿る悩みや苦を消す方法が書かれています。

    とはいえ、こうすればこうなるという理論があれども、便利な道具なようには簡単に結果がでるわけではありません。

    そこには努力が必要だということです。
    ブッダもその大勢の弟子たちも努力なくして道は開けなかったのです。

    ちなみにプラユキ師は日本の仏教を批判しているわけではなく、良いところは取り上げたりもしていますし、
    どちらかというと仏教界、宗教界の連携も大切にされているようです。

    プラユキ師は本書の初めにこう書かれています。
    「モノや地位などの外部要因に依存せず、自らで生み出し、自らが主となり、自らをよりどころとして培っていける
    “内発的”な幸せ」と。

    世界の各宗教では多くが信仰ですが、仏教の本当の教えは信仰では無いと思います。
    なにかにすがるように依存せず、自らが成長するという考えは僕自身に合っているので、この上座仏教は理解できました。

    日本の仏教はやはり一度中国に入り、そこから日本に渡ってきているのでどうしてもフィルターがかかっています。
    ブッダは本当は何を教えていたのかと興味のある方は是非読んでみてはいかがでしょうか。
    残念ながらこの本は今は絶版のようでKindle版でしか買えないようです・・

  • 最近よく出ている仏教本ですが、この本は本場タイのお寺で瞑想などを教えている方の本です。
    小池龍之介さんの本を読んで、苦しまない練習とか実践してみたけど、うまくいかなくて逆に苦しかったのはこのせいか!とハッとしました。
    小池龍之介さんが悪いとかではなく、仏教用語とかいろいろ使って苦しみとは欲とは何かを細かく説明してくれているのに対して、この本ではゆるーく今ここを感じましょうという感じで全然アプローチが違います。
    書いた人が女性ってのもあるのかもしれませんが、気づきの瞑想のが私には合っていたのか、読んでから心が軽くなりました。
    瞑想のやり方にも合う合わないがあるから、苦しくないやり方をするのが大事と書いてあったのにも納得しました。

  • すごくわかりやすく、ありのままに受け入れることに関して書いてある本。このタイのお寺の修行いってみたいけど、どこでやっているのかなあ

  • 当たり前のことばかりに思えて退屈で最後まで読めなかった。情報量の多い、理屈っぽい文章が好きになり過ぎたか。。。バランスを欠いてるな。

  • タイで出家してお坊さんになった日本人が書いた本です。
    仏教の教えについて書いてあるのですが、やはり私が日本人だからか素直に受け入られることばかりでした。
    過去にとらわれることなく、未来を案じることなく「今ここ」を大切にして生きていきたいと思いました。

  • 脳内引きこもり状態、夢想状態から出て、今ここに意識を立ち戻させる。

    与えるという行為を通して、与えるものも、与えられるものも、そしてその姿に触れるものも、こうしてともに癒され成長しあえる。

    相手に与えると、自分のものが減るというのは、物質世界という限られた世界の法則であり、心の世界まで視野に入れれば、与えても減らず、与えれば与えるほど豊かになっていく。

    瞑想と実生活での問題は、決して別物ではないのだという自覚を持って、瞑想中に生じた気づきや理解を、実生活での 問題とリンクさせる。

    たかが言葉(智恵)
    されど言葉(慈悲)

    今ここで触れてくる様々な光景、音、香り 、そして肌の感触 なども、ありのままに受容していくようにします。
    やがて、「いまここ」に気づきをしっかり 保ち、鮮度のよい感覚をイキイキと味わいながら歩けるようになっていくでしょう。

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著者プロフィール

1962年、埼玉県生まれ。タイ・スカトー寺副住職。上智大学卒業後、タイのチュラロンコン大学大学院に留学し、農村開発におけるタイ僧侶の役割を研究。1988年、瞑想指導者として有名なルアンポー・カムキアン師のもとで出家。以後、開発僧として、瞑想指導者として活動

「2014年 『脳と瞑想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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