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本 ・本 (160ページ) / ISBN・EAN: 9784569796598
作品紹介・あらすじ
おーなり由子さん5年ぶりの書き下ろし作品は、すべてのおかあさんに贈る花束のような詩集です。おっぱい、だっこ、はいはい――こどもの成長に合わせてつづられる言葉と絵。小さないのちを育む日々を豊かな感性で描き出します。▼赤ちゃんとの日々は、こわれそうないのちとの日々。▼どんなおかあさんも、いのちを守る心細さとたたかっている。▼豊かな感受性とあたたかなまなざしで見つけた物語が、やさしい言葉で紡ぎ出されます。これからおかあさんになる女性へのプレゼントにも最適な本。
感想・レビュー・書評
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おーなり由子さんの詩集ですね。
おーなり由子さん(1965ー)大阪生まれ。絵本作家、漫画家。
2011年発行の本です。「この本は、息子がおなかの中にいるときから、二歳ぐらいまでに書いたものです。今ではとてもなつかしい。こどもの成長に合わせて読める本にしようと思っていたら、気がつくと、わたしがおかあさんになるまでの詩集になっていました。」と、あとがきにあるように、おーなりさんがおかあさんになる詩集です。
はるのかぜ
モクレンのつぼみが
白くふくらむ道
青い風が
見たことのない鮮やかさで
ぶわあん、と、ふきあがる
ーーこどもみたいなわたしが
(おかあさん)になるなんて なれるかな
だけど
風は
砂のような心配事を
三月の空にいっぺんに
ふきあげて
その一瞬ーー
わたしの心は
奇跡のように透きとおった
「げんきに うまれておいでえ!」
(おかあさん)の幕開け
拍手するのは
モクレンの花びら
はじめてわらった日
いま
わらった!
わらった!
おおさわぎ
まるで
犬か猫がわらったみたいに
大事件
とうさんも かあさんも
その わらい声に
ばかみたいに
もらいわらいして
とても率直で、優しさと慈愛に満ち満ちた心のほっこりする詩集です。読んでいて嬉しくなりますね。
絵もとても素敵です。おーなりさんがおかあさんに成長していくのが、手に取るように感じます。
誰かにプレゼントしたくなる本ですね。
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妊娠期から子どもが2歳になるまでの間に読まれた詩集。口語の自由詩。
俵万智さんの詩集を読んだ時も思ったけど、子どもとの時間の感動や愛おしさを、鮮度高くまた繊細に言葉に落とし込んで保存できる人の才能を羨ましく思う。
(引用)
「ひかりあるところ」(一部)
ああ ひとが
生まれて一番はじめに知ることは
この世界が
ひかりのある場所だということだったのか
「ばいばーい」
ずうーっといっしょにいたいけれど
ひとりになりたくて
水しぶきみたいなわらい声を
いつまでもきいていたいけど
そろそろ眠ってもらいたくて
思うぞんぶん仕事をしたいけれど
もっといっしょに
遊んでもいたくて
はやくいろんな会話ができたら
の思うけれど
通じないおしゃべりがかわいくて
だっこをせがまれると
重くておっくうなのに
つい やわらかいおなかを抱きしめたくなって
ーーばいばーい
春風のなか
かけだす ちいさな背中
ねぐせのうしろあたまが遠ざかるよ
あとがきより
わたしのようなぼんやりとした母でも、こどもが、おかあさんにしてくれました。こどもは「わらうちから」をもって生まれてきて、世界をふりまわし、大人を育てていく。広がる地平線を見せてくれる。 -
だんだん、そう、だんだんおかあさんになっていくんだなと思えた詩集。
私はもう直ぐ妊娠後期に入る妊婦です。妊娠生活は大変な子も多いけどそれを上回るほど幸福に満ちている。診察を待っている中、赤ちゃんの泣き声が聞こえる待合室でこの詩集を読みました。とても穏やかで優しい気持ちになれた。出会えてよかった -
妊娠初期から2歳までの間に書かれた詩集。
うちの子は、もう5歳。
確かにこんな時があったなぁと思って読む。
子どもが小さなころ、感じたことを書いたりする余裕がなかった。
かけがえのないあの頃の体験を、私はもう忘れている。勿体ないなぁと思う。
今の瞬間を、忘れないように、書き留めておくのは大事だなと思った。 -
こどものいちにちの
ほとんどは
みちくさでできている -
おーなりさんが丁寧に紡いだ おかあさん の詩が、新米母の私にそっと寄り添ってくれました。感動。目頭じんわり。ようやく寝てくれた息子の隣で、危うく泣くところでした。
きっと、これからずっと私のそばにいて、だんだん おかあさん になっていく私を見守ってくれる、お守りみたいな本だと思います。 -
すやすや寝ている小さな娘を、お腹に乗せたまま読みました。
おーなり由子さんの
やさしい言葉とまぶしい感性が、
木漏れ日のように心を満たしてくれます。
妊娠中の、ふたつの命を抱いている不思議。
生まれたての、ふにゃふにゃの愛おしさ。
やがて訪れる、嵐のようなにぎわしい日々。
やさしくもなく、
明るくもなく、
弱音をすぐ吐く私も、
(おかあさん)になれるのだろうか?
苦労も涙もないわけじゃない。
でもその上を、綿毛のように軽く幸せが舞っている。
これから、何度も悩むだろうけれど、
いとおしい命と生きていることを、心に留めておきたい。
大切な時間をかみしめながら。
焦らず、ゆっくり。
「だんだんおかあさんになってゆく」。 -
本屋に行けないので、中身見れないから買おうかどうしようか
散々迷ったすえ、おーなり由子さんのものなら間違いないだろうと
amazonで購入にいたる。
内容は赤ちゃんが生まれてから2歳くらいまでの様子を
描いた詩と絵。忘れていたあの時のあれやこれやを
思い出してとっても優しい気持ちになれる。
写真をみなくても、ただ言葉だけでこんなにも色々な情景を
思い出すことが出来るんだなと改めて言葉の素晴らしさを
感じさせてくれる詩集だった。
おかあさんなら、これを読めば子供に優しくなれるはず。
優しい気持ちになれるはず。 -
上の子が生まれてすぐくらいに読んだ時は必死すぎて言葉を受け止める余裕がなかったけれど、下の子が生まれた今、改めて読んでみると、あぁ上の子はこんなだったなぁと思ったり、下の子はまさにこんな感じ、私もこんな気持ち、とすっと心に入ってきました。
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読んで欲しい、贈り物としては…
妊娠後期くらいか出産後の人へがいいと思った
(読む時間が確保されてるから)
自分の子どもが3ヶ月になる前によんだ。
妊娠~喋りだすくらいの時期を詩にしてある。
私は経験したこと、まだ経験してないことがある時期に読んだので、共感と今後こうなるのかという楽しみを感じられた一冊。 -
孫を思い浮かべながら、お母さんの気持ちを感じながら。「おしりⅡ」がかわいい。
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ママリで紹介されてたので読みました。
詩集です。
あー確かに〜と共感する部分が多くありました。
妊娠初期に読んでたら、もうちょっと気楽にいれたかなあー思いました。 -
妊娠期から出産後までの詩集。
妊娠初期が終わる今読んでちょうどよかった。
お腹の中に他の生物がいるという不思議、
自分が母になるのかという小さな心配、
どこからかやってくる優しい気持ち。
どのお母さんも最初ははじめてで
皆そんな気持ちでいたんだろうな。
だんだんおかあさんになっていこう。 -
何度も読み返したくなる詩集。
そうそうと共感の嵐。
子育てに疲れた時に読むと、
読んだ後は心が丸くなって暖かくなる。 -
ステキな詩集です。
僕はお父さんの立場だけど、この本を読んで、命が育まれて、生まれて、育って行く、そのすべてが愛おしく感じました。
これから親になって行くすべての人にオススメです -
表紙も挿絵も文章も、優しくゆるやかで美しい。
忘れてしまった、母になったばかりの頃の感情や情景を思い出した。
特に心に残った誌は、ムスコのアルバムの中に写真とともに一緒におさめたい。
著者プロフィール
おーなり由子の作品





