イライラのしずめ方 人生をかき乱す「外化の心理」からの脱出

  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569796642

作品紹介・あらすじ

「誰も私のことを分かってくれない」▼「頑張っているのに報われない」▼そう考えている人が知っておきたい心理学▼頑張れば頑張るほど、不幸になる人がいる。「相手のため」を思ってしたことなのに、まったく喜ばないどころか、不愉快そうにされ、どんどん人間関係が悪くなることもある。努力しても報われない、すぐにイライラする……、それはなぜかというと、あなたが悩みや不満の原因を勘違いしているからだ。そして、なぜ勘違いするかというと、「外化の心理過程」が働いているからである。本書では、あなたの心の中で、いったい何が起こっているのか「外化の心理過程」について解説する。▼不満の原因をきちんと理解できれば、イライラをしずめ、悩みをなくすことができるのである。

感想・レビュー・書評

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  • イライラ=外化

    外化=自分の理想を相手に重ねること

    自分の理想を相手に重ねること=相手に期待すること

    例えば、夫婦感であれば、「何で家事を手伝ってくれないのか?」
    「何で苦労を分かってくれないのか?」など、相手に自分の事を分かって欲しいという気持ちがイライラにつながっているという事。

    相手に期待しないことで、自分のストレスはなくなるが、人間だから、それを100%常に行うことは出来ない。

    大事なのは、「自分が相手に期待している」
    という事を『自覚』し、
    ①自分の期待値をなくす(下げる)。
    ②自分の期待を貫く。
    のどちらかを選択することではないかと思う。

  • 2012年5冊目。
    239頁。


    三省堂神保町店で購入。


    本書は“外化”がキーワードであると思う。
    本書を読み私は、自分自身に対する不平不満を、他者へと転嫁して表現してしまうことが、外化であると考えた。
    そしてその外化を、自分自身も日常的に、そして無意識的に行ってるということに気付かされ、反省させられた。

    自分に内在する本心を知ることは、自分自身ですら困難を極める。
    それは時に、嫌悪すべき対象と正面から対峙するということであり、トラウマと化した過去を振り返るということであるからだ。
    しかしその自分自身の本心が、本書でいうところの“現実”であり、偽らざる自分の抱える様々な問題の根源なのだ。

    であるならば、やはり二人称や三人称を用いて問題を口にするのではなく、まず一人称で自分自身の本心を語ることをしなければ、イライラをしずめることはできないのだと感じた。




    ≪本文引用≫
    p.44
     この女性は自分の心の中の不安を、娘を通して感じているだけである。つまり外化である。
     「何かが心配な時は、常に、自分が回避している中心的な事実があるのです」
     その女性は、娘の将来ということで相談しているが、そうではない。娘の将来が不安で心配なのではなく、「私の将来が不安で心配」なのである。

    p.53
     「彼は魔法の救助を必要としている。その必要性から相手に魔法の力を付与してしまう」
     外化しているということは現実と接していないということであるから、次第に現実を生きる能力を失う。

    p.61
     頑張ること、努力すること、そのこと自体が間違っているのではない。間違っているのはギアーの位置である。ハンドルの向きである。

    p.72
     自分の本当の感情から逃げない。
     それが唯一の自我の確立の方法である。

    p.76
     あやまちを犯したことで人生が崩壊するのではなく、あやまちを正当化することで人生が崩壊する。

    p.99
     他人の長所を認識できる人は、他人の邪悪な点も見逃さない。
     外化をする人は他人の長所にも短所にも気がつかない。現実と接していないのだから当たり前かもしれないが、質の悪い人も、質のよい人も見分けられない。目の前の相手から自分が舐められていることに気がつかない。

    p.151
     そもそも「理想の自分」と「実際の自分」の乖離が起きたのは、小さい頃養育者がその人に無理な、非現実的なほど高い期待をかけたからである。

    p.162
     世の中には、人は劣等感から自殺すると考えている人も多いようであるが、人は劣等感からは自殺しない。人は優越感から自殺する。
     自己蔑視を積極的に外化するということは、劣等感から優越感に逃げているということである。

    p.195
     子どもを自分のイライラのはけ口にしている母親は子どもが嘘をついたことを責めているのだが、嘘をついたことが叱責のしんの原因ではない。これは叱責の口実であって、その根本原因は母親の心の中の不満である。

    p.196
     子どもを責める親は嘘をついたときに嘘をついたという事実に重点を置きがちであるが、なぜ嘘をついたかという動機を考えない。

    p.222
     パラタクシス的歪曲といわれるものも一種の外化である。パラタクシス的歪曲とは、今二人があるテーマで言い争っているが、二人が言い争っている本当の原因は違ったところにあるということである。
     何となく生きていて不愉快である。
     それで夫婦が買い物に行って「どちらを買うか」で揉めている。
     しかし揉めている本当の原因は「どちらを買うか」ではない。
     もともと両者の持っている不愉快さが、「どちらを買うか」という「どうでもいいこと」を通して表現されてきたのである。つまり外化の心理過程である。

  • 読みやすい本ではなかったけど、イライラは外化の表れってことは分かった。

  • うーん

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著者プロフィール

1938年、東京生まれ。東京大学教養学部教養学科を経て、同大学院社会学研究科を修了。元ハーヴァード大学ライシャワー研究所客員研究員。現在、早稲田大学名誉教授。
主な著書に、『自分の心に気づく言葉』『心を安定させる言葉』(以上、PHPエディターズ・グループ)、『心の休ませ方』『自分のうけいれ方』『不安のしずめ方』『自分に気づく心理学』『やさしい人』『絶望から抜け出す心理学』(以上、PHP研究所)、『なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか』(三笠書房)、『心と体をすり減らさないためのストレス・マネジメント』(大和書房)などがある。

「2023年 『ブレない心のつくり方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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