- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569796673
感想・レビュー・書評
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黒船来航以来続く日米関係について、アメリカが日本をどの様に捉え、外交戦略を採ってきたかを一挙に解説していく。それ程多くないページ数かつ筆者の言い切り型(良くも悪くも断定的)の文章が、軽快なリズム楽器の奏でる音楽のように入ってくる。日米関係の概要を掴むには非常に読み易い内容である。
始めからアメリカは支那を視野に入れていたから、日本などはその途中にある遅れた小国にすぎず、日清戦争すら極東の些細な事件として受け止める。その後、日露戦争で先進的なロシアのバルチック艦隊を完膚なきまでに叩きのめしたあたりから、日本に対する畏怖の念が強くなる。その後は米国支那戦略を脅かす満州国設立や、太平洋戦争での血みどろの闘いへと突入する。
本書はこの辺りから、太平洋戦争に関するアメリカの畏怖よりも歴史のifに話が偏ってくる。それはそれで興味深いが、南京虐殺や東京裁判史観に関しては(私も同調する部分は多いものの)、様々な研究成果を全く受け容れない一方向の記載になってくる。ここがまた、そこまで言い切る凄さも感じながら、どこか違和感も感じる。
本書はアメリカの抱く畏怖をタイトルとしながらも、その後の記述はどうも太平洋戦争敗北からGHQによる占領下、サンフランシスコ平和条約の受諾など日本側の落ち度や視点、その後の日本の政治家たちの対中弱腰歴史観への批判が中心になる。いずれもアメリカの機嫌を伺う事は避けられない状況だが、筆者のいう通り弱腰すぎる面は同調できる。
読み終わった瞬間は、一時清々しい風が吹くのだが、数分経つと何か梅雨の時期のじめっとした不快感(濡れた衣服が肌にまとわりつく様な)も来る不思議な本であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「騎士道なき巨大な二つの国家アメリカとソ連の出現こそ、二十世紀を特徴づけるものだったのではないか」あとがきにあるこの言葉が、著者の主張の全てを端的に表しているように思う。
それまで極東の小国であるがゆえに、好意的に見られていた日本も、日露戦争、特に日本海海戦の完全なる勝利により、欧米列強の警戒心を必要以上に強めてしまい、第一次世界大戦と世界恐慌を経て、着実にその包囲網を狭められていった。
そして自衛のための戦争を開始した。自衛か侵略かの判別は、それを始めた独立国家の認識に基づくものであり、他国に干渉されるべきものでは無い。即ち、戦争に善も悪も無いのである。ただそれは、正しいプロセスに則って実施される必要があり、その観点では、正にアメリカこそが、非難されるべき立場にいる。
アメリカは常に自分こそが正しいと理解して行動する国家であり、それは他神を排斥する一神教とも関係がある。いや、その国民性が故に、一神教が受け入れられていると解釈すべきか。何れにしても、他者を理解し、尊敬する武士道や多神教の精神とは相容れないものである。 -
日米関係史、特に江戸からWW2戦後まで。
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戦後民主主義からの脱却入門にどうぞ。
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この時代の国際情勢を、今までの偏見や押し付けられた価値観を取っ払って見据えることができた。
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ジョン万次郎の存在は大きかった。
満足度6 -
日本開国から今日に至るまでのアメリカとの歴史と関係を解り易く解説されています。特に東京裁判について、自分は無知だったので勉強になり、どうして総理大臣が靖国神社に参拝するのかが分かりました。中国と韓国は全く関係ないじゃないか!嫌がらせを受けていただけなんですね。
とても読みやすかったので、渡部昇一氏の本はこれからも読んでいきたいと思います。 -
侵略の世界史の記述の検証の為に読みました。
特に東京裁判の所が印象に残りました -
渡部昇一の本を相当数読んでるけど、まとめられてるのでスイスイ読めてしまいますよ。
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フォトリーディング。面白そうだ。
なかなか読み進められないのは、過去の失敗が本当はもっと上手くやれたのに…的な事が延々と書いてあってかなり不快なため。ため息が出たり悔しくなったりする。
半分くらいからは高速を伴い、最後の四分の一は高速のみで表題のみを確認して読んだ。
全く何も知らない人には良い驚きかも知れないが、陰謀論やらNWOまで結構知ってて呆れてる輩にはつかれる本だと思う。資料的には良いので星は四つ。