- Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569796680
作品紹介・あらすじ
記憶はどこにあるのか?記憶違いはどうして起こるのか?かつて心理学の世界でも、記憶が過去の記録であるかのように扱われてきた。今や、記憶の見方は一八〇度変わった。私たちの過去は、「今、ここ」にいる自分自身の心の中にある。自分の視点が変われば、過去も変わる。過去の記憶を整えることで、未来予想図も変わる。人生、困難なこと、辛いことがいろいろあるものだ。そんなときどう考えるかで、人間の幸不幸、飛躍か後退かが決まってくる。快適な人生を手に入れるための「記憶の超整理術」。
感想・レビュー・書評
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1章 記憶は過去の記録ではない
樹多くのスレ違い
視点の違い→記憶のスレ違い
アウグスティヌスの卓見
過去は変えられる
2章 未来予想図と前向きな記憶
モチベーションを左右する過去記憶
無気力を生む経験
未来展望
階層記憶
未来予想図
自己物語
文脈の力
3章 記憶の良い人、悪い人
言語的・絵画的記憶
展望的記憶
自伝的記憶
4章 記憶違いはどうして起こるのか
欲求が記憶を支配
価値観・関心→記憶を方向付け
5章 物忘れや記憶のスレ違いを防ぐために
リハーサル
心が動かされる→忘れにくい
ソース・モニタリング
外部記憶装置
6章 忘却の構造
嫌なことは忘れやすい
異常記憶力症候群
気分に合わないことは思い出さない
7章 発想の宝庫としての記憶
常識を破る発想
納得のいく目標の力
経験から学ぶ力を高める -
辛い思い出が多いからうつになるのではなく、気分がうつ状態だから辛い記憶が引き出される。
モチベーションを規定しているのが未来予想図。明るい未来を描ければモチベーションが高まる。
過去は変えられる=自分の視点が変われば過去も変わる。
記憶は、貯蔵庫ではない。記憶する人によって能動的に作られる。
関心のあることしか見ない。ショーウインドウにあるマネキンを見ている自分。マネキンか鏡に映っている自分か。
未来はまだここに存在しない。過去はもうここに存在しない。あるのは、過去についての現在、現在についての現在、未来についての現在、だけ。(アウグスティヌス)
記憶は思い出している今を映し出す。
未来展望がモチベーションを左右する。明るい未来展望が持てればモチベーションは維持できる。
回想記憶を肯定的に意味づけるように整理しておく。
「自己物語法」=自分の物語を自分で作る。悪いこともよいことも書きだす。年代ごとに折れ線グラフをつくる。
人生の良しあしはライフイベントではなく、どう意味づけるかで決まる。
自伝的記憶は3歳までさかのぼれる。エピソード記憶が可能になる年頃。
事前情報でも記憶がゆがむ。第一印象、見た目、事前の情、などで左右される。
逆の場合は、それに左右されないように注意する。
記憶は、なじみの場所に張り付ける方法。キケロが編み出した。
覚えたらすぐ寝る。
使わなくなると記憶が薄れる=記憶痕跡崩壊説。
度忘れは、検索失敗。忘れているわけではない。
毎晩、その日にあった出来事を記録すると整理できる。だれ、何、どこ、いつ、を記録する。
嫌なことは忘れやすい。思い出が美しくなる理由。
逆境から学ぶ=「困っても困らない」困難なときこそ学べる。
逆境に強い人は、挫折経験を前向きに整理することができる。 -
落ち込んでいる時に読みたい一冊。
「過去の記憶は現在に影響される」というのには驚いた。 -
『記憶の整理術』
榎本博明
記憶には思い出すときに作り直されるという側面がある。ゆえに、思い出された内容は、今の心理状態や価値観を映し出している。心理状態や価値観が変われば、思い出すことも違ってくる。(p45)
過去の出来事は変わらないが、それを思い出す私たちのその捉え方は違うこともあるのだ。
未来予想図は、回想記憶をもとに描かれる。希望に満ちた前向きの未来予想図を描くには、これまでの人生を肯定的に意味付けることができるように、回想記憶を整理しておくことが必要である(p73)
回想記憶を肯定的に意味付けることは、私にとって困難な作業だろう。この卑屈さと向き合う必要がある。
自分が、どのような記憶が得意なのか
苦手なのか、つまり自分の強み・弱みをまず知っておいたほうがよい。このことは、自分の能力を活かす上で非常に大事なことだ。苦手なことを得意にしようと考えるより、得意な能力を伸ばしていこうとするのが、セルフ・マネジメントの要諦である。自分の強みをどのように活かすかを考えることは、ワクワクするものである(p99)
自分の強みを知る。さて強みはなんだろうか。
回想記憶が得意な人は過去の出来事を覚えているが、苦手な人は過去の情景にぼやけている。展望的記憶が得意な人は、予定通りの行動を滞りなくとることができる。(p99)
どちらも自分は鍛えなければならない。
だれの記憶にも歪みがあることを前提にして、自分の記憶も過信せずにチェックする謙虚さが大切である。無用なトラブルを防ぐためにも、きめ細かく確認し、メモをとるといったリスク・マネジメントが欠かせない。(p132)
自衛のためにメモは必須である。
どんな挫折経験であっても、どんなにイヤな出来事であっても、何かしら学ぶことはあるものだ。思い出すとイヤな気分になる、不安に教われる、絶望感に苛まれるからといって、フタをしてしまうと、それはトラウマになる。けっしてフタを開けてはならない、掘り起こしてはならない爆弾を抱えているようなものである(p227)
とても大切だが、それはとても大変なことだとわかる。訓練しなければ。
逆境から学ぶことができる人は、否定的なエピソードの中にも肯定的な意味を見つけ出すことができる。自伝的記憶を上向きに整理することができるのである。(p228)
そうなりたいと思う。 -
新書としてとても良い本。
整理術というよりは、記憶を整理することが生きて行く上でとても大切であるという点をテーマとしているように感じた。乱暴かつ主観で要約すれば...
過去の意味を整理することは未来を描くことである。
想像力を生み出す心が真っ白な状態とは何もない状態ではなく、記憶が全て整理された状態。
記憶が整理された状態とは、自分の中でそれぞれの記憶が何を意味するかが明確となっていること。
(特にポジティブな側面について。)
日常的に記憶とその意味を呼び起こす習慣を持つことが非常に大切。 -
難しい問題に取り組んでいるとテキパキやる時間が無くなってしまう。意図的にてきぱきを。気になっていることリストを作る。細切れの時間でも進める。
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記憶はゆがむ、ということを再認識。
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「忘れたい過去を明日に活かす」副題がインパクトあるんだこれ(笑)
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記憶はウソをつく
未来予想図